本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

時間的速度の用語

2011-01-30 11:51:24 | Weblog
 時間的速度を表わす法律用語は、「直ちに」、「遅滞なく」または「すみやかに」である。

「直ちに」は、時間的速度が最も速い。消防法第22条に「…気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、その状況を直ちに…通報」とある。最優先で取り組めということだ。

「遅滞なく」は、「直ちに」よりやや速度が緩和される。裏返しに言えば、他に優先させる正当性や合理性があれば遅滞が許されることになる。やはり消防法の第24条に「…火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署…に通知」とある。火災の通知よりも火中の人を助けるほうが先ということもある。同じ法律の中の条文でも使い分けしているのだ。

「すみやかに」は、速くすることに違いはないが、遅れたからといって不当や違反にならない。いささか修飾語的な用法である。かつて自民党の選挙パンフレットに「速やかに景気回復」とあった。これでは法的には景気が回復しなくても公約違反とはいえない。それを承知の上の文言ではないかと邪推したものだ。

 ところが、この「すみやかに」もおろそかにできない司法の判断があった。それは次回で。