散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

保守主義における「政治意識」―2

2023年01月27日 | 政治

前回(保守主義における「政治意識(01月26日付け)からの続きになる。

宇野重規教授は「今後も保守主義に意味を持たせ続けるには、一人ひとりが「本当に大切なもの」「保守したいもの」を自発的に問い直し、他者と共有して行動することが必要だ。地域社会に目を向ければ、祭りや芸能、自然と密着した暮らしが受け継がれている。こうした財産が、守るべき歴史や伝統だと考えることもできる。」

若者の政治離れも指摘されるが、政治や社会との関わり方は古典的な選挙運動やデモ活動に限定しない方がよい。SNS(交流サイト)などのデジタル空間を活用し、「守りたいもの」を共有する他者と関わり、それに向けて議論することも一つの社会参加ではないか。とも指摘する。

尤もだと思うが、しかし、
(1)それ自体は社会的課題であって、政治的意見を抜きにして考えるべきだ。

(2)また前回指摘したように、<思想>は深く考えるスロー思考から生まれるが、間断なくインプトされるニュース等への<反応>は、反射的なファースト思考によるものだ。即ち、一般人の政治意識は専門家が作り上げた政治思想とは異なる代物なのだ。

(3)それは「大衆民主主義」と共に一般人の発想として形成され、マスメディアと共に発展したものと考えられる。

そこで筆者は「政治的保守主義」とは区別して考え、宇野教授に『保守主義』の続編、『近代日本における保守思想の生成と展開』を期待したい。

そのなかで、教授が言う様に、「今後も保守主義に意味を持たせ続けるには、一人ひとりが「本当に大切なもの」「保守したいもの」を自発的に問い直し、他者と共有して行動することが必要だ。地域社会に目を向ければ、祭りや芸能、自然と密着した暮らしが受け継がれている。こうした財産が、守るべき歴史や伝統だと考えることもできる。

今後はオタク文化や特定の商品や人物に熱狂した人同士の集団(ファンダム)を取り込むことが保守にとっても重要になりそうだ。現代的な通信手段を前提に「保守」をよりダイナミックに捉えることが求められている。

 

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