散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

リズム中心の現代的弦楽合奏~「MUZA」ニューイヤーコンサート

2017年01月03日 | 文化
地元川崎市のミューザには、正月連休で、時間があるときに行くことが多い。連休はどうしても机に向かって文章をパソコンに打ち込んで作成しているか、本を読んでいるときが多い。そこで頭を休めるために、劇場で音楽に浸ることも良いのかな、と思っている。ふたり連れで私は誘われるほうだ。
普段、ほとんど出向かないのは、ミューザの中途半端さによるのだろう。

川崎市のいわゆるハコモノであり、市が100%出資する法人が指定管理者として運営している実質市営の存在だ。業務委託金は年間5億円程度、そのうえ、市職員の天下り先にもなっている。そんなこともあってか、建物の造りも劇場の感じがしない。雰囲気がまるでないのだ。

午後2時に開演、3時半頃に終演になったが、前後の時間帯の川崎駅周辺は混雑していた。しかし、それはミューザとの行き来のためではなく、川崎大師との行き返り、あるいは買物客のようだった。ミューザの館内は比較的空いていて、2階は半分程度、3階はほとんど空席であった。

今回は新年の恒例の催し物、東京交響楽団室内合奏団(第1バイオリン5名、第2バイオリン5名、ヴィオラ4名、チェロ4名、コントラバス2名)、コンサートマスター、ゲレフ・ニキティン(1964年、ロシア生まれ、バイオリン)による演奏会だ。ニキティン氏自身もバイオリンを演奏し、挨拶、合間の話は、少し片言が混ざった日本語を使って、内容も面白い。

エルガー「スペインの貴婦人」に始まり、続いて、ピアソラ「ブエノスアイレスの四季」。編曲されて、かつ、ヴィヴァルディ「四季」を引用して曲に織り込んでいるという。しかし、聴いていても、わからず、最後にバイオリンで冒頭の部分が弾かれて、誰でもわかる、その部分だけがわかった。それでも会場は拍手で包まれた。

出だしの「夏」は歯切れ良く、次の「秋」は鋭い響きで始まる。現代的にリズムをとる弦楽合奏は始めて聴くのだが、素人にものりやすい演奏だ。「冬」でけだるくなり、居眠りの時間であったが、続く最後の「春」は小気味よく、スッキリと目が覚めて体もリズムをとった。

後半は、チャイコフスキー「フィレンツェの想い出」、第一楽章~第四楽章と続くが、流石に全てを聴くことはできない。それぞれの楽章の終わりで目を覚まし、次の楽章は始めの部分を楽しむが、睡魔には勝てない。アンコールの「ワルツ」は聞き慣れた曲で調子に乗ってフィナーレを迎えることができた。