Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

新旧J-POP比較

2020-10-11 | ビバ大衆文化
テレビを滅多に見ないので能動的に聴こうと
しない限りあまり最近の邦楽に触れる機会が
ないのですが(いや洋楽はもっとないけど)、
YouTubeで何曲か聴いてみました。
昔からいる人達じゃなくて若い人達の歌を。

男性でもみんな苦労してる感じを見せずに
さらっと高音出せる技術はすごいな、と。
一言で言えば、昔に比べて器用。
一方で、荒削りでも感情をぶつけてるように
感じる若手の歌は昔より少ない気がしました。
バンド形態取ってるグループでも昔のロック
みたいな感情表現は少ないような感じです。
(歌によっては必ずしも感情表現が強い方が
いいわけではないので単純に優劣ではないです)

もしかしたら私が選択した歌がたまたま
そういう傾向だったのかもしれませんが、
最近の歌の感情表現が昔に比べて控えめに
なったのは何でだろうと考えてみました。

まず思いついたのは、昔ほど音楽が売れる時代
じゃなく冒険がしづらくなり、耳障りがよく
万人に聴いてもらいやすい歌が作られる説。
感情表現が強いほど、聴き手が好みに合わずに
くどく感じたり気持ち悪く感じたりするケースが
増えがちだと思うので、「濃厚」な感情表現を
控えた「あっさり味」の歌の方が拒絶されにくく
多くの聴衆に受け入れられやすそうです。
アイドルは大衆受けする必要から、昔から
感情表現をあまりしませんでした(そもそも
歌唱力がなくてできない場合もあるけど)が、
アイドル以外もそっちの方向を目指してるとか。
んーでもこれは理由としては弱いかな。
00年代も90年代ほどは売れなくなったけど
まだ00年代は感情表現が今より多かったので。

次に思いついたのはボカロ人気の影響説。
ボカロは人工音声なので、音の強弱やそれっぽい
テクを駆使しても人間の生声に比べるとどうしても
無機質です。人間では困難なテクもこなせるのが
面白いところもあって(それこそ器用ですね)
人気ですが、ボカロの声に慣れた聴き手は
人間の歌う歌でも、無機質好みとまでは
いかなくとも感情表現があまり強くない方が
違和感なく馴染みやすいんじゃないかなと。

また、スマホで音楽を聴く人が多い時代ですが
SNSやYouTubeで紹介された音楽を聴く場合
聴き始めてすぐに心を掴まれないと離脱して
次の曲に移ってしまいがちです。
最近のヒットチャートは追えてませんが、
サビに至るまでが長くなかなか終わらない
スローテンポの曲は飽きて途中で聴くのを
やめる人も少なくないと思うので(特に
スマホだと短い隙間時間に聴く時なんかは
辛抱強く待てないかと)、感情表現が最も強い
ジャンルの一つと言えるバラードを今の時代に
流行らせようとすると、うまく宣伝したり
アレンジで面白い仕掛けをしたりと、工夫が
より必要になってるのではないかと推測。

今の若者世代の気質…まではよく知りません。
感情ぶつけるのはスマートじゃなく格好悪い
みたいな風潮があるのかどうか。
もしあれば、感情表現が強い歌を好む人が
少なくあまり人気が出ないことになるかも。

感情表現が強い歌の方が好きな若い人は
もしかしたら昔からいるアーティストの歌や
昔の歌を探して聴いてたりするのかな。
私が中高生だった90年代当時を思い出すと
「70年代の歌=懐メロ、古臭い」
「70年代からいる歌手=おじさんおばさん」
というイメージで若者が敢えて聴くことは
ほとんどなかったと思いますが(70年代
デビューのアーティストで若者が聴くことが
あったのはサザンやユーミンなどごく一部で
昭和歌謡の色が強い歌は好まれなかった)、
今YouTubeで20年以上前の90年代に発表された
歌を拾うとたまに若い人からのコメントが
付いてたり(エレカシ聴いた時だったかな?
確かに若手でああいう魂の叫びはないかも)、
職場にも何人か80~90年代に人気だった
邦楽アーティストが好きな若手がいたりと、
多数派ではなくても昔の歌を好む若者が
一定数いる印象があります。
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