朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

イノベーション

2008-02-27 | Weblog
技術革新。特に、サービス・イノベーション。
 ある大学が主催したこのテーマのセミナーに、ビッコの足を引きずりながら出席しました。
 目玉の講演者は、米国から呼んだ「デザインコンサル」会社と、シリコンバレー(米国加州)の有名研究所(シンクタンク)。
 いずれも、がっかりでした。
 まず、デザイン会社のプレゼンですが、BusinessWeekなる雑誌で「世界の最もイノベイチブな25社」ランキングで、15番になったとの紹介がありました。プレゼンは、大げさなキーワードを掲げて派手なスライドでまくしたてる。この会社が手伝ったケースとして例示したのは、ベビーカーの座席を少し高くした商品(幼児の視点を高くすることで幼児の満足度が上がる)と、銀行ATM操作盤の上部に小型凸面ミラーを取り付けた(後ろの不審者の有無確認)でした。そのレベルの改善を「イノベーション」だと主張。
 有名研究所女性研究員のプレゼンは、日本の大手企業の依頼で新製品開発支援でした。しかし開発手法自体はよく知られたプロセスで特に目新しい工夫もなく、現にマーケットでヒットしたとのニュース性もないケースでした。
 Q&Aセッション、他の参加者が静かなので、モデレータを助ける意味もあり上記を質問しました。
 返答1.蒸気機関やコンピュータ発明など産業をひっくり返すような変革をイノベーションと定義することには、全く異論はない。しかし、小さな改善もイノベーションといっていいのだ。[ボクはその意見に賛成できないけれど、再反論はしませんでした。日本企業はkaizenの積み上げは得意であったが、抜本的なブレイクスルーを発想するのが不得意。だからこそ米国等コンサルを雇う意味があるのに、「改善」の積み上げが重要といわれたんでは、それは我々にまかせてといいたい]
 返答2.(米国シンクタンクが寄与したポイントは?)手法自体に他社と差別化した点はないが、このプロジェクトの要所要所でその分野の専門家が助言した。[これまた、あいまいすぎる返答でした。仮にそうであったら、プレゼンで具体的に、このとっぴなアイディアは当社提案だとか、このような分析手法は当社オリジナルだとか言うべきです]
 最後に、日本人モデレータ(司会者)はまとめとして、外部コンサルに支援を求める意味は2つある:1つは、(自社にはない)機能の外部発注[筆者注:例えばマーケッティング調査、数値分析、全くの新規分野]、もう一つは、「触媒」作用、すなわち自社人材だけでは枠からはみ出せない[例、日産のカルロスゴーン社長]だそうです。
 このコメントは納得でした。

 
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