東京国立博物館平成館で開催している展覧会を見にいきました。(展示は11月26日まで)
金曜日は午後9時まで開館しているので、金曜日の夕方に到着しました。
幸い建物の外に行列はありません。小雨がちらついていたので傘立てがならびます。
今年3月で終了した国立博物館年間パスポートで、特別展の4つ目です。常設展示は何度でも入場することができます。
館内はまずまずの混雑で人の多い展示物でもしばらく横や後ろにいると、前が空きました。せかされることもなくゆっくりと鑑賞できました。
最初の仏様は、円成寺の大日如来坐像、台座に運慶の署名がある20代のデビュー作です。運慶は慶派大仏師、康慶の実の息子でした。それにしても重要な注文を新人運慶に任せ、通常の倍以上の期間を許して作製させた父も偉い。運慶は大胆にも自分の名前を台座裏に記入しました。それまでは仏師が署名を残す事例はなかったにもかかわらず。
この仏像は筋肉など身体構造の表現や、組んだ足の立体感など優れて写実的です。国宝。
知る人ぞ知る奈良市、中心部から柳生の里に向かう山奥にある円成寺、門前茶屋の松茸うどんが知る人ぞ知る名物、多宝塔に祀られています。しかし防火設備には不安があるので、今後は収蔵庫に安置されるとのこと。
金剛峯寺(和歌山県)が所蔵する八大童子立像のうち、6体が出陳されています。
色も鮮やかな制多迦童子(せいたかどうし)が特に印象的でした。いずれも古代ギリシャ彫刻やローマ文明にまさるとも劣らない素晴らしい芸術、仏教美術です。
一つ上の写真で右上に移っている東大寺の重源上人坐像、首を少し前に傾けて今にも説法が始まる雰囲気です。運慶作とは確定していないようですが、ここまでの表現力を持つの運慶に違いないと思います。
このブログ最初の写真は無着菩薩立像(興福寺北円堂)の横顔です。(国宝)
「慈悲のまなざし深く」と朝日新聞記念号外が第1面トップに報道していました。
グーグル検索すると無料で読めます。
少し難解ですが面白いです。