シエムリアップから、男性の調査も自分でとることにした。本当は女性だけを担当する予定だったんだけれど、子ども時代は性犯罪のこととかも、男女ともにあまりわかってなかったりわかてったりするような印象を受けたので、男女比較の視点を入れて分析できるかやってみようと思ったのである。
↓記憶力抜群の男性(SM1)
「いつ頃かしら・・・・わからない」が連発する女性とちがって、この男性は年代がばっちり言える。これってやはり後付けの記憶なんだろうけれど、わたしにとっては目から鱗の経験。6月のプリベインで、「国王陛下がクーデターで・・・」って言ってた高齢の男性のことを思い出したのである。
この男性は、自分の姉2人と兄1人が強制結婚で、姉2人の結婚式は見に行った。母親が強制移住の際に死亡していたので、父親も自分から希望してのクメールルージュに要請を出しての結婚だったのだけれど、父親の結婚式は覚えてないから、行ってないんだろうとのこと。
面白かったのは、彼はクメールルージュ時代に新聞を見たことがあるという。1978年代後半か、1979年前半に、写真ばかりの新聞を見たそう。
72年から75年まで強制移住させられて集団生活していて75年に自分の村に戻ってきてクメールルージュ時代に突入したという話、この男性の話を聞いて初めて理解できたのである。他の女性達は、「あっちにいってこっちにいって」ってかんじで、的を得なかったんだけれど、要は、「ロンノル軍が来る」ということでクメールルージュに強制移住させられてて、しばらく集団生活をして(この期間は学校があったと多くの人たちが証言)、75年にクメールルージュがプノンペンを制覇したので、自分のもといたところに戻ってきたということらしい。複雑だなあ。