トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

朝鮮総聯本部売却の報道を読んで

2007-06-12 22:15:49 | 事件・犯罪・裁判・司法
朝鮮総連本部、売却 公安庁元長官経営の投資顧問会社に(朝日新聞) - goo ニュース

 今日の『朝日新聞』夕刊でこの記事を読んでびっくりした(記事全文のウェブ魚拓)。

 これは、要するに、元公安調査庁長官が代表取締役を務めるこの投資顧問会社による、総聯に対する救済策と考えていいのだろうか。
 18日に予定されているという、整理回収機構が総聯に朝銀からの融資の返還を求めた訴訟の判決は、おそらく総聯が敗訴するのだろう。
 土地建物の売却益はその返済に充てられるということか。
 そして、総聯本部はこれまでどおりその建物で活動を続けると。

 しかし、その投資顧問会社の代表取締役が元公安調査庁長官、元広島高検検事長だということは、ある種の国策による救済ということだろうか?
 総聯がわが国の政府、あるいはその一部と、何やら妥協して手打ちしたということなのだろうか。
 その代償として、何らかの情報提供を約束するとか、捜査に協力するとか・・・・?
 その投資顧問会社の行動が、全くの独自のものだとは思いがたい。

 そんな印象を覚えた。

 安倍首相は不快感を示したというが・・・・。

元公安調査庁長官に不快感 朝鮮総連の施設売却で首相(共同通信) - goo ニュース


共産党の手法の一例――情報保全隊問題の会見要旨を読んで(2)

2007-06-12 07:24:21 | 日本共産党
承前

 志位はさらに、情報保全隊が国民を調査対象としていることの不当性の根拠として、国会答弁を示している。


《この問題で、二〇〇二年四月四日に、衆院安全保障委員会で、わが党の赤嶺政賢議員が当時の中谷元防衛庁長官に、情報保全隊の任務は何かと質問しています。中谷長官は「任務面においては、従前の調査隊の任務であった各自衛隊の部隊及び機関の保全のために必要な資料、情報の収集、整理強化、明確化に加えて、新たに、職員と各国駐在武官等との接触状況に係る情報収集、また、施設等の機関の長からの要請に基づき、施設等の機関等の組織保全業務の支援を行う」とのべています。ここでも自衛隊の部隊と機関の保全のための業務をおこない、情報の収集もその範囲で必要なものだという答弁がなされています。

 この質疑で重要なことは、赤嶺議員がさらに、「自衛隊員だけでなく、民間人も情報保全隊による情報収集の対象になるわけですね」とただしたのにたいして、中谷長官は「あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定する」と答弁していることです。

 いまの自衛隊法のどこをみても、自衛隊には、一般の国民にたいする捜査権限は与えられていない、監視権限も与えられていない、調査権限も与えられていないのです。情報保全隊の仕事は、自衛隊の機関や部隊の保全のために必要な情報を集めることにのみ限られることが建前であり、ですから「防衛秘密を取り扱う者しか調査対象にしない」と答弁しているのです。

 ところが、今日明らかにした市民団体などの活動は、「防衛秘密」とはまったく無関係のものです。年金問題にしても、医療費問題にしても、イラク問題にしても、「防衛秘密」には何の関係もありません。ところがそれらをすべて対象にしている。すなわち違法というならば情報保全隊のこうした活動の全体が違法なのです。政府が情報保全隊の「任務」として公に説明してきたことにてらしても、この文書でしめされている国民監視活動はそれをはるかに超えるものであって説明がつきません。その意味で、その全体が違法です。》

 中谷長官が本当にそのような答弁をしているのだろうか。
 この衆院安全保障委員会の会議録を見てみた。

《○中谷国務大臣 そもそも、この情報保全隊を設立した理由といたしましては、平成十二年九月に秘密漏えい事件がありまして、その再発防止の一環として実施をするわけでございます。
 具体的には、組織面からの機能強化につきましては、現在、自衛隊の調査隊において、これまで中央、地方の別個の指揮系統の部隊であったものを、各自衛隊ごとに中央、地方を一つの指揮系統とした情報保全隊に統合することによって、状況の変化に迅速に対応するため、より機動的な運用が可能となるという点と、任務面においては、従前の調査隊の任務であった各自衛隊の部隊及び機関の保全のために必要な資料、情報の収集、整理強化、明確化に加えて、新たに、職員と各国駐在武官等との接触状況に係る情報収集、また、施設等の機関の長からの要請に基づき、施設等の機関等の組織保全業務の支援を行うということで、より中央でこの状況が把握をでき、また運用できるという点を強化して設置するわけでございます。
○赤嶺委員 機密漏えい事件をきっかけにということでありますけれども、実際はまた、その漏えい事件ということを口実に、さきの臨時国会で防衛秘密の新設を盛り込んだ自衛隊法の一部改正が成立いたしました。これが施行されれば、当然この秘密保護というのも情報保全隊の活動目的の一つになると思います。
 防衛秘密は、昨年の議論の中でも、自衛隊員だけでなくて防衛産業労働者やマスコミ関係者など民間人も対象として、漏えいした場合には最高五年の懲役を科すというものです。だから当然、自衛隊員だけでなく民間人も情報保全隊による情報収集の対象になるわけですね。
○中谷国務大臣 この対象につきましては、法律のときに議論をしたわけでございますけれども、あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定をした関係者のみに限定するわけでございます。
○赤嶺委員 その指定をした者の中に民間人がちゃんと入っていることが問題になったわけですね。
 それで、臨時国会の審議の中で、防衛秘密について、我が党の小池参議院議員が、防衛産業の従業員が防衛秘密に指定されている自分の業務内容を家庭で話してしまった場合、漏えい罪に当たるのかどうか、中谷長官にただされています。その際、長官は、個々具体的に判断されるべきものとして、可能性は全体として否定しなかったわけです。
 情報保全隊がこういうものを対象にして情報収集を行うということになれば、国民の私生活やプライバシー、そういう領域にまで国家が入り込むということになって、基本的人権を侵さないという保証はないと思うんです。いかがですか。
○中谷国務大臣 自衛隊というのは国家防衛のために活動するわけでありまして、いわゆる国家防衛の手段の手のうちを侵略しようとする者が知り得る場合に、国民の生命財産を守り得ないわけであります。
 そういう観点で、この部隊の保全というものは必要でございますけれども、この部隊の保全のために必要な行為といたしましては、自衛隊に対して不当に秘密を探知しようとする行動、基地、施設等に対する襲撃、自衛隊の業務に対する妨害、職員を不法な目的に利用するための行動等がございまして、このような外部からの働きかけなどから部隊の秘密、規律、施設等を防護するために必要な資料及び情報を収集、整理し、所要の部隊に配付をいたしますけれども、そういった保全行為のための必要な活動に当たるわけでございます。

 志位の会見だと、赤嶺議員が
「自衛隊員だけでなく、民間人も情報保全隊による情報収集の対象になるわけですね」
と質問したのに対し、中谷長官が
「あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定する」
と答弁し、あたかも、それ以外の者は情報収集の対象とはならないと明言したように見える。
 しかし、会議録から前後の関係を考えると、赤嶺が質問しているのは、「情報保全隊の活動目的の一つ」としての「秘密保護」について、民間人が情報収集の対象となるのかどうか、という点ではないか。
 現に中谷も次の答弁で、
「自衛隊に対して不当に秘密を探知しようとする行動、基地、施設等に対する襲撃、自衛隊の業務に対する妨害、職員を不法な目的に利用するための行動等」から「部隊の秘密、規律、施設等を防護するために必要な資料及び情報を収集、整理」する必要があるとしている。
 それもまた情報保全隊の職務であり、そのために反自衛隊活動、あるいは反イラク派遣といった運動を調査対象とすることも何ら差し支えないのではないか。
 中谷の 
「あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定する」
との答弁をもって、今回問題となっている情報保全隊の活動が違法であるという主張もまた、欺瞞的だと思う。

 監視対象が反自衛隊なのが問題なのではなく、自衛隊が違法行為を犯していたのが最大の問題なのであり、プロ市民相手なら何をしてもよいかのような発言は民主主義の敵だといった左翼ブロガーの記事を見かけましたが、共産党の主張なんてまあこんなもんですよ。素人がちょっと突っ込んで調べたらすぐほころびる程度の。
 眉につばをつけて見ることをお勧めします。