トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

アカン! アカンて!

2007-06-14 23:31:53 | 現代日本政治
 『朝日新聞』朝刊の政治面に時々載っている「論考 集団的自衛権」。
 今日は民主党の前原誠司・前代表のインタビュー。

《私は集団的自衛権の憲法解釈は変えるべきだと考えてきた。〔中略〕「9・11テロ」は解釈変更する千載一遇のチャンスだった。私が首相なら平時には政治の争点にせず、具体的な問題が起きれば1日で変える。具体的な問題が起きないと国民には理解されないからだ。

 この箇所を読んで、思わずタイトルのようなセリフが脳裏をよぎった次第。
 何を言い出すんだこの人は。

 1日で変えて、それが通るのなら、何で安倍がわざわざ懇談会など設ける必要があろうか。
 民主制において、プロセスというものは重要だ。
 ましてや、こんな年季の入った問題については、なおのこと。
 
 それに、「具体的な問題が起き」てからでは遅いのではないのか。
 後手に回るのではなく、先を見通した取り組みを政治家には求めたい。
 
 前原は他の箇所で、

《安倍さんは私が代表幹事を務める安保関係の議連に入っていた。ただ、政策は聞きかじりで観念論的。政治家には現実問題を踏まえた視点が必要だ。》

と述べているが、前原の方がよほど観念論的に思える。
 私は、前原については、次世代のリーダーとして小沢、鳩山、菅よりよほど好意的に見ていたし、あのようなかたちで代表を辞任せざるを得なくなり同情もしていたのだが、その前原にしてこの有様かと、ちょっとショックを受けた。

《安保政策で対立軸はなくていい。英国でイラク戦争を支援したのは労働党政権だ。安保政策の基本は同じ方が国民は安心する。》

 こういう主張には同意できるのだが。

 インタビューの末尾に次のような問答がある。

《――安保政策を軸にした政界再編の可能性は。
 自民党の延命に手を貸せば、末代までそしりを受ける。与党に変わる選択肢がなければ民主主義国家といえない。私はとにかく二大政党制を確立させたい。》

 私も、政権交代のある民主制がわが国に定着してほしいと思う。
 しかし、だからといって現在の民主党にこだわって、政界再編の可能性をつぶしてしまうこともあるまいとも思う。
 2大政党制を確立することが政治家としての目的になってしまってはならないと思う。政治家としてどのような政策を実現するかが最も重要であり、党派的なことはそのための手段であるべきだろう。