トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

このキチなんのキチ

2008-10-20 23:55:45 | マスコミ
 だいぶ前の朝日新聞にこんな記事が載っていた(ウェブ魚拓)。

阪神タイガース「ひげの応援団長」松林豊さん死去
 阪神タイガース私設応援団の初代団長で「ひげの団長」の愛称で親しまれた松林豊(まつばやし・ゆたか)さん=兵庫県西宮市愛宕山=が9月15日、がんで死去した。83歳だった。
 神戸市生まれ。神戸市役所に勤務しながらタイガースの応援にのめり込み、退職して運送業をしながら全国を駆け回った。77年、十数個あった応援グループを統合して結成された私設応援団の初代団長に就任。85年に阪神が21年ぶりのセ・リーグ優勝を達成したのを見届けて引退した。
 同年には、熱狂的な阪神ファンを称する「トラキチ」という言葉が「新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)流行語部門の銀賞に選ばれ、ファンを代表して賞を受けた。
 家族によると、約10年前から胃がんを患い、最近は療養生活を送っていた。
(太字は引用者による)

 「トラキチ」の「トラ」は虎、すなわちタイガースを指すのは言うまでもない。
 では「キチ」は何だろうか?


 「キチ○゛○」を禁止用語にしつつ、何々「キチ」はOKというのは、片手落ちの感がある(あ、「片手落ち」も禁止用語かもしれない)。 

 それにしても、1985年には、既に「キチ○゛○」は新聞やテレビからは排除されていたと思うのだが、「トラキチ」は許されていたどころか、賞まで獲得していたとは、意外だ。
 現代に比べれば、まだまだ大らかな時代だったということか。

 今回の訃報で、「トラキチ」に触れざるを得ないから敢えて用いたというわけではなく、別に「トラキチ」自体はかまわないようだ。こんな記事(ウェブ魚拓)もある。

 もっとも、こうした何々「キチ」の使用が、下らない用語規制に対する隠れた抵抗であれば、その意義を認めるのにやぶさかではないが、さてどうなんだろうか。

 「オタク」という言葉もすっかり定着して、「○○オタ」という呼称も見られるようになっているから、「キチ」は死語になるのかも。
 しかし、「モーオタ」「鉄オタ」とは言っても、「トラオタ」とは言わないなあ。やはり、イメージが違うのか。

(以下2008.10.29付記)
 「ウェブ魚拓」を作っていたものの、「引用」で作ると、引用元の記事が削除されたら見られなくなるとは知らなかった。
 やはり、「丸ごと」で作るべきだったか。