ドル売りは意識しながら、アジア欧州時間ではドル買いを想定しましたが、そのまま上に抜けてしまいました。ドテンまでを想定しておけばよかったのですが・・・結果的にはポンドドルがストップアウトです。
数日前まで継続したドル円でのドル売りが一巡し、今度はその他のストレートでドル売りが発生している状況下で、クロス円は計算値で上昇しています。
ここへ来てインフレをネタにした欧州の“口先介入”が功を奏した形で、クロス円のクラッシュをどうにか回避して一服感があります。
それに加え、月末の投信設定による本邦機関投資家の買いなどが華を添えている状況で、この時期だけは深夜のロンドン仲値に恐怖感があります。
また海外企業の新規会計年度で一ヶ月が経ち、資金計画などが立ってくる中で、値頃感と低金利定着が鮮明になってきた日本円は再度、格好の資金調達先として選好され始めている可能性があります。
円建て債券の発行を報じるニュースを散見しますが、日本で資金調達をする行為は円のキャリートレード再開を匂わせるところです。昨年利上げし損ねた日銀がデフレをネタに虚しい利下げ示唆を繰り返しており、こちらもキャリートレードの雰囲気へ華を添えています。
ただし、昨年の8月の悪夢以前のように外貨金利は上昇傾向にはありません。もろ手を挙げてのクロス円買いには未だに賛同できずにいます。
そもそもポンドが対ドルで買われているのは、ドル売りの何ものでもないという感覚がぬぐいきれず、決して世界のマネーフローがリスク投資への回帰を始めたとは考えにくいところです。ドル円相場がドル売りに同調し始めれば、どうしてもその影響が強くなると考えています。
軒並み値上げを宣言している国内産業を見るに付け、デフレを連想できないのは私だけではないと思います。利上げという選択肢がありえなくなってきた以上、円高は資源インフレを抑えることができる唯一のファクターであるだけに、この流れの維持は個人的に歓迎しています。
週末要因もあり、相場観と合致しない相場は見送りとさせていただき、一命を取り留めているユーロドルに託してみます。良い週末をお過ごし下さい。