外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

スプレッドのお話 1.外国為替の取引価格構造(1)

2007-05-03 13:47:51 |   -【特集】スプレッドのお話

外国為替取引を行う際に、取引コストとして考慮しなければいけないものに、取引手数料、スプレッド、スワップポイントその他、資金の入出金にかかる銀行手数料などがあります。
これらは、一般投資家に人気があるいわゆるFXといわれる外国為替証拠金取引であれ、大手金融機関が主な参加者となっているインターバンク市場であれ同じ構造です。

スワップポイントは、為替の2通貨間金利差から発生する運用コストであることは既にご存知かと思いますが、こちらの説明は後ほど行うとして、今回の特集ではあまり語られたことが無いスプレッドに関して説明して参ります。

◇ 1.外国為替の取引価格構造
外国為替取引は、なぜ売価格と買価格の2本値(業界ではツー・ウェイ・プライス)なのか?という疑問が多く聞かれます。こちらの章では、是非この疑問を解消していただくことを目標に致します。
まずは一般的な商品の物価が変動する仕組みをおさらいします。

(1) 物価の仕組み
需要と供給によって価格が常に変動する物価は一般的ではないにしても、どんな商品でもおおむねこれに相当します。
ガソリン価格が連休中に値上げをした…とニュースになっています。ガソリンも卸の段階では一種の相場商品ですが、一般の消費者がガソリンの値上げのような場面に遭遇するのとはやや意味が異なります。

ではまず、今回のガソリン価格値上げについて仕組みを理解しましょう。

ある大手バイヤーA社が100万リットルのガソリンを100円/リットルで買い付けたとします。20円のコストを上乗せして1リットル120円でガソリンスタンドで販売したとして、たとえその後、卸値が110円に上昇しても、今売っている仕入値は100円ですから値上げする必要はありません。

しかし、A社が100万リットルを販売しつくしてしまえば、新たに仕入れる必要があり、その時の卸値が110円であればコストの20円が上乗せされた販売価格は1リットル当たり130円にしなければならず、まさにこの状況に遭遇したのが、今回のGWだったというわけです。

まさか、皆さんはガソリンを入れる際に、「仕入値はいくらですか?」とは聞かないと思いますが、例え聞いても本当のことは教えてくれないと思います。なぜなら、本当は90円で大量に仕入れたものがいまだに売り切れていないとしたら、40円のコストが上乗せされているからです。ただ卸値が下落した場合は競争上、原価割れで販売せざるを得ない状況もあることから、原価を知る意味があまりありません。ここは業者の手腕に任せて適正な価格で購買できるよう頑張っていただければと思います。

ここまでは一般的なモノの価格の成り立ち方を説明しましたが、相場投資に参加する場合は、一般投資家でも卸値価格を把握しながら相場商品を売買することになります。次回はいよいよ為替の取引価格の成り立ち方に入り、最後にガソリンのケースに当てはめ、皆さんの立ち位置をしっかりと把握していただく予定です。

本日はGW後半の第一日目で快晴ですね。このまま良い天気が続くことを願いたいところです。

 
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