外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

大期末と海外資産切り崩しで、円は強い一方で-浅野のつぶやき

2011-03-16 20:26:44 |    -ドル円

こんばんは、ForexTVジャパンの浅野です。

原発の展開が心配です。
冷却手段が底を突く中で、苦肉のヘリコプター海水散布作戦は、上空の放射能濃度が高すぎて、一旦中止となったようです。

屋内退避勧告が発令されている区域の方々に向けて、放射能の対策がいろいろと報道されていますが、他人事とは思わずに真剣に聞いておいた方がよさそうです。ただ、稀に非現実的に思える部分があって、少し戸惑う側面もありますね。

さて、昨日は日経平均が1000円を超える暴落となり、物議をかもしだしていましたが、今日は少し回復したものの、2日間で大きく下げた分の利食いという印象です。

為替での円買いは、こうした動きを受けてのリスク回避を背景に挙げている説明が多く見られますが、さすがにリスク元が日本である今回は、その国の通貨を買うことが、リスク回避だとは思えません。じゃ、クロス円(特にオージー円)の売りや、ゴールド円の売りをどう説明するかと言えば、明らかにこれまでのロングを、利食いを兼ねて円転している可能性が高く、リスク回避というよりは、リスク補てんに近い動きだと思います。

値幅が広がったのは、デリバティブ関係からのストップがあったという推測ができますが、期末のレパトリを控えた売り急ぎで、拍車がかかったというのも事実でしょう。つまり、ユーロやポンドの対ドル相場の急落は、クロス円がその背景だと思いますが、一方で、急落の後の急騰もまた、非常に興味深い動きです。

勝手に想像するに、外貨の反騰は恐らく海外勢のレパトリというか、円資産を売却して本国に還流している可能性が浮かびます。

つまり、たまに突出するドル円の上昇や、ユーロやポンドの対ドル相場の急騰は、日本の株や債券を売って出来た円のキャッシュを自国通貨に換えているように思えます。一部、復興を見込んで海外ファンドが日本投資を進めているとの話がありますが、背に腹は替えられない円転の方が売り急ぎになりやすい気がしています。

もちろん、私も一時は想像したように、復興財源に米債を売却して充てる可能性への思惑が、ドル安の背景になった部分もあったようですが、アメリカの当局からは、ご存じの通り、一応その可能性は否定されています。

いずれにしても、短期的には円高が進む可能性は高いですが、その後の円安、特にクロスの上昇には一抹の不安があります。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎



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