数百倍というレバレッジを維持しながらロールされている為替ポジションは、単純に考えて、10分の一にレバレッジが減っただけで、同じポジションを維持するために必要な投下資金が10倍になります。資金を増やせない場合は、見合う分だけのポジションまで減らす必要があり、それが連鎖したとも考えられます。
たとえば、200倍のレバレッジで、1ユーロ=120円でポジションを作ったとします。総資金を100万円で考え、50万円を余裕資金、50万円をポジションに投じたとしましょう。
50万円分のユーロは約4100ユーロに相当するので、その200倍は82万ユーロです。
もし、20倍で82万ユーロを維持するには、この20分の1に相当する4.1万ユーロ分の資金が必要になります。1ユーロ120円で計算すれば、500万円です。あと400万円を追加投資できない限り、少なくともポジションを減らすしかありません。
もし、一切の追加資金が投じられない場合、50万円では4100ユーロでしたから、20倍では、単純に82万ユーロ《マイナス》8.2万ユーロ=73.8万ユーロを投げなければいけません。
倍率が下がったので、100万円全てを投資にあてても、82万ユーロ《マイナス》16.4万ユーロ=65.6万ユーロは決済しなければならなくなります。つまり、ポジションの実に80%以上を投げないと、収まらない計算です。これはロングだけではなくショートにも当てはまることになりますが、今の相場ではショートのほうがまだ気が楽かもしれません。
ForexTVジャパン
浅野 敏郎