石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

120 宝仙寺の石造物(6)墓地参道その2

2016-04-16 05:06:54 | 寺院

◇四国八十八ケ所五十四番石塔

五十四番札所は伊豫の国延命寺。

上部の五輪塔風空輪と蓮華座がユニークだが、『宝仙寺の金石文』は五十一番石塔と上部が入れ替わっていると指摘している。

施主長谷川仙之助の住所は、筋違外旅籠町。

昌平橋の北、現在の信号・神田明神下あたりか。

◇弘法大師御詠歌石碑

正面上部は、昌川正清画の大師修行図の陽刻。

下部に御詠歌。

「ワか執行/四国ハかり/と/おもふなよ/ひひ/日本を/めぐり/こそ/すれ」

◇地蔵菩薩坐像

四国八十八ケ所石塔に混じってぽつんと地蔵菩薩が座している。

台座4面に男女12人の戒名が刻されているから、墓標だろう。

◇修行大師像

「弘法大師」の文字碑の隣に丸彫りの遍路姿。

歩き疲れて一休みの感が強いが、修行中の大師像だそうだ。

◇四面石幢

大師修行像の背後に四面幢。

四面の仏像と造立趣旨が異なっている。

正面は、薬師如来で供養塔。

右面は阿弥陀如来で墓標。

左面は、薬師如来で逆修塔。

裏面も逆修で聖観音。

天和元年造立。

◇庚申塔

宝仙寺に3基ある庚申塔の1基。

上部に五輪塔の空風火輪部分をのせる異形庚申塔。

中野村中宿講中が設立者だから、寺から近い宿場にあったものと思われる。

上部の五輪塔部分は三城目石、塔身は小松石、五輪塔部分をどこかから持ってきて、のせたものらしい。

墓地参道に面してもう1基庚申塔がある。

正面、三猿の上は、びっしりと漢文が刻されている。

庚申の趣旨が内容だとのこと。

一面漢文の庚申塔はあまり見かけない気がする。

元々は、塔の山公園にあったものという。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿