石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

136 目黒不動の石造物 ⑮ 腰立不動、北向き地蔵他

2018-10-07 08:28:22 | 寺院

境内の西の端は、腰立不動堂。

腰立不動とは初めて。

先行ブログには「立身出世のお不動さん」とある。

堂の上部に「腰立不動由来」が掲げてある。

腰立不動由来…

『山不動。

 妙なる力に
 おこされて
 二度世に立
 不動尊
 かめの祝の
 末広く
 朝日ののぼる
 みごとさで
 東都のつどい
 善男女
 すくいとらすぞ
 妙なる力
 昭和32年12月15日」

堂前から振り返って写真を撮ったら、なんとも奇妙な写真が撮れた。

心霊写真かな。

右端の男は、自分のようでもあるし、そうでもないような。

白くかすんだ中の景色は、左右が逆転している。

 

西塀を背にして、寛文年間造立の墓標が1基、ポツンとある。

墓地ではなく、境内にあるのは、何か特別な意味がありそうだが・・・

「禅定尼」の戒名とともに「夢幻童子」の戒名も見える。

江戸期、子どもの戒名としては珍しくはないが、素敵な戒名だといつも感心する。

 

そして、六地蔵。

南面を背に、北を向いておわす。

仏は南向きで、拝む信者が北向きに座すのが普通だからその反対となる。、

お地蔵さんは、仏の身ながら、人々救済のために、菩薩のままでいらっしゃる。

だから人々と同じ立ち位置、すなわち、北向きに座しているというのが、北向き地蔵の意味だと思っていたが、ここの北向き地蔵は、違う意味合いの様だ。

立て看板に、こうある。

「北向き六地蔵尊。
 地蔵菩薩の浄土伽羅陀山は南方にあり、南を向いて地蔵菩薩を祈れば、直ちに浄土を発し、人々のいる北に向かって救いに来て下さるので、北を向いています」

 

下の写真は境内西端から仁王門方向を見た光景。

左に青木昆陽、北一輝碑があり、右に北向き地蔵がおわす、そういう位置関係。

何か所か、1,2本の樹木を石で囲ったサークルがある。

一番西端のサークルには、馬頭観音立像が、そしてその隣には、馬頭観音文字碑がある。

いずれも新しい。

わざわざ馬頭観音像を発注して、なぜ、ここに安置したのか。

不思議に思って、社務所で訊いたら、この辺りはイベントの際、駐車場になるそうで、交通安全祈願のため馬頭観音を設置したのだとの説明でした。

そして、下の境内最後の石造物は、馬頭観音隣におわす恵比寿さま。

目黒不動・瀧泉寺は、山手七福神のうち恵比寿さまをお祀りする場所なのです。