阿毘達磨倶舍論によると宇宙は、「成、住、壊、空」(つまり成立の成劫、安定の住劫、壊滅の壊劫、何も無くなった空劫)を繰り返しているとされます。そして住劫では、人々が「美食にふける」「性嬾惰になる」ことにより「刀兵、疾疫、飢饉」がおこり減劫(住劫のなかで人々の寿命が10歳まで縮む時代)となるとされます。(注1)注2)阿毘達磨倶舍論第十二「諸の有情虚誑語を起せしより、諸の惡業道は後後轉増す。故に此洲の人 . . . 本文を読む
地蔵菩薩三国霊験記 7/14巻の6/8
六、貧女尸を隠し霊験を給ふ事
甲斐の國胡摩郡布施の荘と申す所(山梨県中央市布施)は上古は小井河の荘とぞ申しける。其の時儀丹上人と申して明匠あり。行法修力他に超越し玉へり。其の比の帝王御病悩の事あり御加持の師として勅・下されて召しけるに折節伽藍新造の事有りて勅宣を辞し申されけり。二度の勅使ありて護身加持のためにいそぎ参り玉へ苟も宣旨を辞退していつ゛くに寺を . . . 本文を読む
「この世の恨みに報いるに徳を以てす」「憂きをなほ昔のゆゑと思はずは いかにこの世を恨みはてまし」(新古今・二条院讃岐) (この苦しい人生を前世の因果の報いなのだと諦めるのでなければ、どんなにかこの世を恨むことでしょう。前世の因果とおもえばこそ堪えているのです。)という歌があります。實は最近強く願っていたことが不首尾に終わり、まさに「いかにこの世を恨みはてまし」の気持ちになっていたところでした。願い . . . 本文を読む