○ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」 P.ヤルヴィ/ロイヤル・フィル 1993年
クアドロマニアというあまり知らないレーベル。ドヴォルジャークの曲の4枚組で、確か980円くらいでしたので、格安さにつられ購入したCDです。
その中で光ったのが、息子ヤルヴィによる「新世界」です。
まだ彼が有名になる前の録音ですが、大変素晴らしい演奏です。
1、2楽章が遅めのテンポで、特に1楽章が充実しています。序奏でのティンパニの強打は、これまで聴いたもののうちで最上ランクと思いますし、小結尾主題では、フリッチャイと同じようにゆったりと演奏して、ひと際印象的です。
一つだけ残念なのは、終楽章のコーダで金管が1楽章と4楽章の主題を高らかに吹く場面で急にテンポを上げてしまっていて、盛り上がりに欠けてしまうところです。以前、コリン・デイビスがACOと録音したとき(ロンドン響との録音は聴いたことがないのでわかりませんが)もこのような解釈をしていました。
なお、この録音は最近、1枚もので発売されました。