個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!
環境問題が人々の目前に迫ってきています。
地球温暖化で海外移住を考えるツバル住民(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070219k0000m030084000c.html
” 約1万人が住む平均海抜約2メートルの国土は、サンゴ礁の上に砂
が堆積(たいせき)してできた。海水は、海岸を越えてくるだけで
なく、地盤にある無数の穴を通って地上にあふれる。
「遅くとも10年後までに家族とニュージーランドに移住するつも
りだ」。トマルさん(32)は国営電話会社に勤務するエンジニア。
05年には衛星通信技術の研修で日本にも行った。
同僚も多くが移住を考えている。この時期の浸水被害はもちろん、
海岸線が削られてヤシの木が根元から波にさらわれたり、小さな島
が消滅したりする現実を、誰もが目の当たりにしているからだ。
「他の国の二酸化炭素が原因で島がなくなる。怒りを感じるが、だ
からといってどうしようもないだろう」。トマルさんはため息をつ
いた。”
故国が消えてしまうツバル住民の嘆きです。
地球温暖化にとどまらず、環境問題において顕著な特徴は、
「被害がたやすく国境を越えてしまう」ことです。
これは日本と中国とにも言えることですが、
「ほぼ100%他国のせいで自国に被害を受ける」
という現象が生じるのです。
「他の国の二酸化炭素が原因で島がなくなる」
とのトマル氏の発言が象徴的です。
記事中にはありませんが、インド洋に浮かぶ美しいサンゴ礁の島、
モルディブ共和国も危機を迎えており、
今後の海面上昇に備えて人工島を造成中です。
政府や日本経団連等は相変わらず動きが遅いですが、
地球温暖化問題の深刻さを直視し、ドイツなど欧州諸国のように
「環境問題を政策と経済のコントロールによって解決する」
「環境問題を改善・解決するための産業を育成する」
スタンスに完全に転換すべきだと思います。
以前コメントを頂きましたvb さんのエントリーに触発され、
最近思うところを綴ってみました。
注意 : このエントリーは、個人の率直な意見です。
事実認識に誤りがありましたら、具体的に御教示下さい。
どうか宜しくお願い致します。
少子化の問題については様々に語られていますが、
最も重大な誤りは、「他人のせいにする」ことです。
2002年10月の「パラサイトシングル実態調査」(福井県商工会)
http://www.fcci.or.jp/chousa/totteoki/parasaito/index.htm
” 本人が支払うべきものを親が支払ってもらっているものがあるかどう
か聞いたところ、6割があると回答。内容は、「自動車に関する支払」
でローンや税金、保険等が最も多かった。このほか、生命保険や携帯
電話代、中には遊び代や習い事代を支払ってもらっている人もいた。
これも、直接的金銭援助と同様に、男性よりも女性の方が援助を受け
ている人が多く、娘には甘い親が浮かびあがる。”
もし親世代の方が本気で自分の子を結婚させたかったら、
実家から追い出していっさいの経済的援助を断つべきです。
実家にいるのが快適で得だから、それよりも不利になる結婚生活に
踏み出す人が少なくなるのです。
(論より証拠、この調査では実家暮らしの満足度は極めて高いです)
非婚化は快適な実家暮らしを許容する親によって支えられており、
このように子をスポイルしている先進国は日本だけです。
しかも、最大の問題はこれです。
結婚後、親と同居したくない → 47%
自分の親となら同居したい → 33%
「自分の親とだけの同居」が簡単に実現する筈はありません。
明らかに、自ら進んで育児負担を重くしているのです。
問題は企業にだけあるのではありません。
自ら進んで親との同居を拒否し、「夫婦だけで育児」を選択すると
この日本では極めて苦しい立場に追い込まれます。
下記のデータが、「夫に育児参加を」と唱える国が
(その主張が正しいだけに尚更に始末が悪い)
こっそりと隠している事実を明らかにしています。
日本の子育て費用負担、OECD諸国との比較(内閣府)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa16/hiyo/chap2_6.html
これは何度か取り上げているデータで、インターネット上で公開されています。
この明々白々な事実を無視した論者が多いのには本当に呆れます。
このデータを見たらどうして「少子化は解決不可能」などと言えるでしょう。
単なる無知か、「例え社会福祉のためでも税負担したくない」との意見なのか、
どちらかしかあり得ません。
このふたつの調査を併せて考えると、
国民自身が目を背けている「隠れた事実」が浮き上がってきます。
それは、
自由気ままに生活するのには結婚も育児も邪魔である。
他人の子供のために税負担する意思はない。
子供を持ちたい者は勝手に産んで育てれば良い。
未婚者は自分の財布にしか関心がない。
上の世代は社会保障制度の受益しか関心がない。
という今の日本社会の現実です。
「政府の負担」とは即ち国民の税負担を意味します。
… 周知の通り、日本よりも出生率の高い欧州諸国は、
大概が10%を超える高い間接税を支払っています。
子供を持つ持たないは個人の価値観次第でどうしようもありませんが、
「子供を持つ人々を社会全体で支える」ことは可能なはずです。
(事実、「理想の子供数」は合計特殊出生率よりもかなり上です)
なぜそのことを皆が黙っているのでしょうか。
◇ ◇ ◇ ◇
さて、それでは税負担以外で少子化を抑止できる方策、
つまり「非婚化」「未婚化」が抑止できるか見てみましょう。
『結婚しない女たち』の年の差恋愛(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/travel/hitou/etc/01.html
” 「話を聞くと、みんな自分に還元する恋愛だったんです。30歳前後
になって、男を見る目も肥えてきて、たまたま同世代でいいなと思
った人も結婚してたりする。そんな時、いろいろな事でもがいてい
たりする時、年上の男性から経験してきたことを話してもらってプ
ラスになったとか。社会でもまれて数年経って、あかが付き始めた
なと思った時、学生のピュアな心に感激したとか。」”
→ 冷静に言うと、残ってしまった人の多くは、
「市場価値」が低いのだと思います。
他人だけはシビアに判定しているようですが、
自分自身を見る目は「肥えて」いるのでしょうか。
” 「私たちの世代は、高校生の頃に男女雇用機会均等法が施行され、
バブルの頃は女性誌やファッション誌を読むと、『働く女はかっ
こいい』という記事が多く、働かなければ人にあらず、というよ
うなメディアの刷り込みがあった。私たちの世代より下は『別に
働かなくても楽しく生きていけばいいじゃん』という感じがある
と思うんですけどね。私たちは肩ひじ張って生きていかなくちゃ
と刷り込まれ、でもみんなやりたいことが明確にあるわけでなく、
明確にないことがいけないような気になっている。自分は何をし
ていくんだろうと、妙に葛藤している人が多いんですよ。この世
代の特徴だと思う。“自分探し”をしていたら30歳になって、いい
オトコがいなかったということでしょうか」”
正直に言うと、普通は「みんなやりたいことが明確にあるわけでない」
のであって、世の大多数の人は大した能力も才能も持たないのです。
(いとすぎ自身もそうです)
"自分探し"というのは単なるマーケティング用語で、
明確な個性も特徴も持たないが、そうした「贅沢品」を求める
平均的で雑多な消費者を顧客とするためのキーワードに過ぎません。
実際、それで上手に部数を稼いでいる雑誌がいくつもありますよね。
デフレ下で変わる若者の生活「結婚の条件」(国民生活白書)
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h15/honbun/html/15f32040.html
性別による差が興味深いです。
男性の方が明確に比率の高い結婚条件は「容姿」と「家事」。
女性の方が明確に比率の高い結婚条件は「安定収入」と「束縛しない」。
はっきり言ってどっちもどっちではないのでしょうか。
私生活における現代人の強欲さが見えてきます。
(私自身もこの点については反省するところが多々……)
自己正当化の強い方が表面上「正しそうに見える」だけの話です。
欲望の肯定と社会的規範の形骸化が目立つ現代社会で、
非婚化をとどめることは極めて難しいと言えます。
先月26日の報道ですが、実に予言的でした。
先月末の時点で、いとすぎが最も冷静だと思った分析です。
カリヨン証券「日本株上昇余地は限定的」(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200702260101.html
” 企業収益予想を考慮した日本株の適正水準は東証株価指数(TOPIX)
ベースで1850。26日の終値である1816.97と比べると
上値余地は2%弱にとどまる。
ただ、国内投資家の間では、高い利回りを求めて投資対象を選択す
る動きが強まっており、配当利回りが相対的に高い不動産や上場不
動産投信(REIT)の物色が続いているという。同氏は不動産セ
クターは今後も基本的には上昇基調を維持するとみているが、最近
の上昇ピッチが速かったため「いったん利食いをするのも一つの手
だろう」と語った。”
→ これを読んだ時に「今週末のウェブログタイトルはこれにしよう」
と思っていたのですが、すぐに急落が来てしまいました。
カリヨン証券はSBの件で騒がれていますが、
こちらの方は極めて正確な見方だと思います。
有望セクターは「自動車」とのことですが、
個人的には建機の方が勝るような気がします。
(来年にはどうなっているでしょう?)
外国人の日本株売り懸念が消えず(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703160072.html
” 2月27日の世界同時株安以降、日本株の売り主体が外国人である
ことは明白だ。取引所発表のデータを集計すると、2月第4週は現物
・先物(日経平均、TOPIX、日経300の合計)合わせて約9500
億円の売り越し、3月第1週は約8700億円の売り越しとなった。
わずか2週間で1兆8200億円を売り越したことになる。
もっとも、年初から2月第3週までの外国人の買いは空前の規模だっ
た。現物・先物の買い越し額は4兆円弱に達する。2006年の年
間買い越し額が約5兆5000億円であるから、その7割を2カ月
足らずで買ったことになる。〔中略〕
バブル的な株高を演出したのが外国人なら、潰したのも外国人とい
う構図だ。 ”
→ 主要部を引用致しました。
このような時にはさすがロイターです。
個人のブログだとここまで整理できないことが多いですから。
海外投資家のリスク許容度の低下、
クレジットリスクの深刻さなど、
じっくりと記事を通読されることをお薦めします。
残念ですが、いとすぎの「日経平均高値1万8200円」説が
現実味を強めている様相です。
◇ ◇ ◇ ◇
ヘッジファンド関連の続報です。
ヘッジファンド、一部に大幅損失の声(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703150094.html
” ファンドによって成績はまちまちだ。2月26日から足元にかけて
の株式相場の下落で、各地域で5%以上の調整が起きている。加え
て為替が115円―122円の間で急激に動いたこともあり、個別
にみると、その影響を被ったファンドも多いという。直近のわずか
2週間で10%近く損益をぶらせているファンドもあり、中期のトレ
ンドフォローで動いているCTA(Commodity Trading Advisor、
商品投資顧問)は大幅な損失を計上している可能性が高いとの指摘
もある。”
→ 報道によればやはりCTAに損失の懸念が強いようですね。
(これだけの突発的な急変動ですから、当然でしょう)
情勢はまだはっきりしていませんが、
傷を抱えた投資家は少なくないと見ています。
◇ ◇ ◇ ◇
注目銘柄はじりじり下落。
おいしそうなイチゴの表紙の『日経会社情報』2007年 春号を見る限り、
(いとすぎは『日経会社情報』の表紙が結構好きです)
かなりPERが低下している銘柄がいくつもあります。
【日立建機(東証一部 6305)の株価推移】
[9月4日] [3月16日]
2,715円 → 3,200円 △ 485(+17.86%)
【トーセイ(東証二部 8923)の株価推移】
[9月4日] [3月16日]
112,000円 → 124,000円 △ 12,000(+10.71%)
【シーズクリエイト(東証一部 8921)の株価推移】 ※ 一昨年から継続
[11月22日] [3月16日]
74,500円 → 69,300円 ▼ 5,200(-6.98%)
【オークマ(東証一部 6103)の株価推移】
[6月7日] [3月16日]
1,202円 → 1,303円 △ 101(+8.40%)
【丸紅(東証一部 8002)の株価推移】
[6月7日] [3月16日]
573円 → 710円 △ 137(+23.91%)
【新日本建物(JASDAQ 8893)の株価推移】
[1月12日] [3月16日]
679円 → 805円 △ 126(+18.56%)
※ 投資判断は投資家各位で行って頂けますようお願い致します。
下げ局面で目立つ個人投資家の買い(ロイター)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-251479.html
” 市場では「過去の経験則では、急落相場で個人は2度の突っ込みま
では耐えるが、3度目から投げが目立つようになる」(岡地証券の
森氏)、「パフォーマンスの悪化が決定的となる日経平均の5日安
値1万6532円を割り込むと、押し目で買った個人はすべて評価
損となるため、その場合は下支え役から売りを主導する可能性も出
てくる」(中堅証券幹部)などの声が出ていた。”
→ これは極めて重要な指摘です。
個人が市場を買い支えているとは言え、
レバレッジを使っている個人も多いです。
下落が続いた場合、どこまでも踏ん張れるとは思えません。
~~~~~~~~(2006年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【三菱商事(東証一部 8058)】 [6月7日] [1月12日]
2,220円 → 2,140円 ▼ 80(-3.60%)
【新日本建物(JASDAQ 8893)】[2月7日] [9月1日]
1,200円 → 645円 ▼ 555(-46.25%)
[4月14日] [9月1日]
985円 → 645円 ▼ 340(-34.52%)
~~~~~~~~(2005年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【クリード(東証一部 8888)】[12月15日] [9月1日]
578,000円 → 408,000円 ▼ 170,000(-29.41%)
【東誠不動産(JASDAQ 8923)】[12月9日] [2月6日]
105,000円 → 157,000円 △ 52,000(+49.52%)
【オークマ(東証一部 6103)】[11月2日] [4月7日]
1,000円 → 1,631円 △ 631(+63.10%)
【丸紅(東証一部 8002)】 [10月24日] [4月14日]
507円 → 631円 △ 124(+24.46%)
【三菱商事(東証一部 8058)】[10月24日] [4月14日]
2,065円 → 2,740円 △ 675(+32.69%)
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
譲渡益税の分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
(当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
今日はこちらを御覧下さい。
アパート12室をホームレスに、格安賃貸で自立支援(西日本新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/nation/20070306_local_FG_002-nnp.html?C=S
” 下川さんのアパートは木造2階建てで、管理人室を除き12室ある。
約40年前、企業に貸し出す寮として建てて、夫と2人で賃貸で経営
してきた。
転機は2002年。ホームレスを支援する福岡市の特定非営利活動
法人(NPO法人)「福岡すまいの会」の活動を紹介した新聞記事
だった。住居が定まらないホームレスは生活の実態が分かりにくく、
生活保護の受給が難しい。日々の暮らしに苦しむ姿を知り、「家さ
えあれば生活保護をもらえるはず。長生きさせてもらい、何か社会
に貢献したかった」。〔中略〕
2003年4月から一部屋を月3万円前後で貸し出している。ひと
部屋は6畳1間で風呂とトイレは共用。月に一度、すまいの会の会
員が入居者に健康診断を行い、医療面のサポートも担う。
昨年10月に入居した男性(71)は「雨露をしのげるのが、どれ
だけありがたいことか。ここがなければ野垂れ死にしていた」と振
り返る。現在は生活保護を受けている。
福岡すまいの会の後田直聖副理事長は「本来は行政が公的施設を設
けるのが理想。現状では、私たちが部屋を借りようとしても、ホー
ムレスに貸すと話せば、不動産会社から門前払いにされる。下川さ
んのような協力があれば、ホームレスの自立にもつながるから、助
かる」と語る。
エイさんには入居者からお礼の年賀状も届く。「すまいの会の人か
ら『よぼよぼになったホームレスが、お風呂に入って見違えるほど
元気になりました』と聞くと、貸して本当によかったと思う。私が
元気なうちは続けたい」と話している。”
長々と引用させて頂きました。
「本来は行政が担当すべき」との主張も理解できますが、
公務員の方々には大変申し訳ないことながら、
一般に政府や公共自治体の支援は機械的なもので
予算や名目、形態にこだわり過ぎることが多く、
「本当は何をしたいのか」「どのような思いを抱いて行動しているか」
極めて曖昧模糊として分かりにくい、という傾向があります。
… 志ある公務員の方なら、幾分同意して頂けるものと思います。
先駆的な活動、意欲的な活動、そして旺盛な活力は、
民間からの動きなくして生まれるものではない、そう私は考えます。
山本七平 氏はかつて著作で、
“ 「上からの押しつけの思想」は消える。だが本当に庶民
のなかから出てきた思想は消えない。それは、その国の
社会構造に深く根ざし、権力の交代に関係なく存続し、
しまいには逆に新権力をも教化していくからである。”
と記しています。
奥深く心に残るメッセージで、
「誰かが早く問題を解決してくれないか」と
無意識に望んでしまう私たちに訴えかけてくるものがあります。
毎度のことながら、日本はまたしても遅れをとっています。
エコファンド、欧州で人気高まる(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070313AT2M0300913032007.html
” 2006年に欧州でエコファンドに流入した資金は31億7000万ユーロ
(約5,000億円)と前年のほぼ5倍に膨らんだ。欧州では欧州連合
(EU)が主要国に先行して環境規制を強化。関連ビジネスも成長
しており、マネーも「環境シフト」が鮮明になっている。〔中略〕
米運用会社ブラックロックは、再生可能エネルギーの風力発電ベン
チャー株などに投資する株式投信を運用。欧州の個人向け販売が伸
び、1月末の残高が25億ユーロと1年間で3倍弱になった。”
記事の半分ほどを抜粋致しました。
この運用会社「ブラックロック」は、トーセイの大株主として
名前が出てくるので個人的にも興味の尽きないところです。
さて、この環境関連企業に投資するエコファンドですが、
いとすぎはそれほど賛成の立場ではありません。
投資家としては忸怩たる思いですが、
イノベーションを生み出すのは投資家自身ではありません。
イノベーションを生み出すのは、事業者の日々の営みです。
もちろん投資家は時代の革新における「2級市民」であり、
どれほど多額のマネーもそれだけでは何も生まないこと、
投資家は補完的な役割しか果たせないことを自覚すべきでしょう。
「投資が環境問題の解決に役立つ」とする言説に対して、
頭脳停止的な安直さを感じるのは私だけではないと思います。
エコファンドとは投資収益追求と環境問題解決という両面作戦です。
マーケティング的優位は間違いなく存在するものの、
初めから戦略的困難が約束されています。
その選択肢はもちろん素晴らしい価値あるものですが、
エンジェル、株式、債券、消費行動など幾多のオプションの中の
ひとつに過ぎないという慎ましい認識は忘れてはならないでしょう。
いとすぎは正直に言うと、株式で企業を応援するよりも
出資や債券において長期的にコミットメントを行うこと、
大規模な運動を展開して消費行動を変える方がより効果的と見ています。
(例えば、日本は電力消費においてドイツの環境意識に完全に負けています)
エコファンドは、決して良心への手頃なアリバイであってはいけません。
投資家は収益率を上げてから社会貢献するのが本筋だと私は考えます。
※ 念のためですが、私はエコファンドの存在価値は肯定しております。
最近ちょっとした衝撃を受けたのは、
環境問題解決における日本の優位性は脆弱である
ということに気づいたからです。
確かにハイブリッド車や低燃費、省エネにおいては世界一でしょう。
しかし、太陽光発電においては公的補助の手厚いドイツに抜かれつつあります。
また、『未来を変える80人』(日経BP)を読んで感じたのですが、
日本は環境技術では世界最高水準にあるものの、
マネジメントとマーケティングでは劣っていると思えてなりません。
アメリカや欧州ではクリエイティブで影響力の強い環境起業家が幾人も現れ、
日本には見られない先駆的な試みを成功させつつあるからです。