みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

不動産がセクターとして買われる時代の終わり - 本格的な投資対象選別の時期へ

2007-03-23 | 注目投資対象・株価の推移
今週は質の高いリリースが相次ぎました。

公示地価の全国平均が16年ぶりに上昇(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703220098.html

” 株式市場では、公示地価発表に対する期待感が先行し、三井不動産
 <8801.T>、三菱地所<8802.T>などの不動産株が軒並み上昇して
 きた。三菱倉庫<9301.T>、住友倉庫<9303.T>など含み資産の増
 加が見込める倉庫株や、担保価値上昇が期待できる都銀・地銀株に
 まで波及していた。不動産株の上昇ぶりは、TOPIXの年初から
 の上昇率が3%に対し、業種別の不動産株指数<.IRLTY.T>の上昇
 率が17%に達していることが象徴している。
 「現在の不動産株の水準を考えれば、材料出尽くしになりやすい。
 三井不などはすでに上値を切り下げる形であり、チャートの形状は
 悪い」(水戸証券投資情報部長の阿部進氏)との指摘も出ている。
 不動産関連株の一段の上値追いは厳しそうだ。”

 → 市場の現状を非常にうまくまとめている分析です。
   東証一部の不動産銘柄は、もう明らかに割高なものが
   この指摘通りいくつも出ています。

   マーケットは既にもう景気後退を織り込みつつある
   のではないでしょうか。
   新興マンションディベロッパーの株価低迷と
   その業績の伸び悩みを見ると、特にそう思います。

地方や中小物件保有のREITに成長余地か(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703220079.html

” 好調に推移してきた不動産ファンドも競争激化で今後は曲がり角に
 さしかかるとの見方も浮上し始めた。不動産投資信託(J-REIT)で
 は、保有不動産の収益力向上(内部成長)を進めやすい中小物件保
 有のファンドや、まだ地価が上昇していない地方都市などの物件取
 得に力を入れるファンドに成長の中心が移るとの指摘も出ており、
 今後、銘柄選別の動きが加速しそうだ。”

 → ここには今後の投資のヒントも出ています。
   不動産セクターが何でもかんでも買われる時代が終わり、
   投資対象選別の優劣が問われるようになりつつあります。

   いとすぎがダヴィンチの件のエントリー
   書いたのと近い方向性ではないかと思います。

   ただ、中小物件でも地方でも決してパイは大きくなく、
   過当競争に突入してしまう危険性もあるでしょう。

   ◇     ◇     ◇     ◇

ヘッジファンド関連、今週もまた続報です。

2006年のヘッジファンド資産、24%の増加(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703200040.html

” インスティチューショナル・インベスター・ニュースとヘッジファ
 ンド・ドットネットが19日発表したリポート「ヘッジファンド・
 アセット・フローズ&トレンズ・リポート 2006─2007’」
 によると、ヘッジファンド業界の資産は、新規資金流入と運用益に
 よって2006年に24%拡大して1兆8900億ドルとなった。
 株式に集中投資するヘッジファンドの資産は2006年に1730
 億ドル(30%)増加し、7430億ドルとなった。増加額のうち
 約70%は新規の資産流入によるもの。”

 → いよいよ資金の動きがボーダーレスかつ急激になり、
   市場がそれに振り回されるようになるに違いありません。

   個人的にはCTAのような先物に特化したファンドの
   資金力・資産増加率を知りたいところです。

   最近思うのですが、ヘッジファンドは呼称を改めて
   「レバレッジ・ファンド」とした方が適切かもしれません。
   その方がより実態に近い気がします。

   ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。持ち直していますが、明らかに弱いです。

  【日立建機(東証一部 6305)の株価推移】

 [9月4日]    [3月23日]
 2,715円 → 3,260円 △ 545(+20.07%)

  【トーセイ(東証二部 8923)の株価推移】

  [9月4日]    [3月23日]
 112,000円 → 122,000円 △ 10,000(+8.93%)

  【シーズクリエイト(東証一部 8921)の株価推移】 ※ 一昨年から継続

 [11月22日]  [3月23日]
 74,500円 → 69,900円 ▼ 4,600(-6.17%)

  【オークマ(東証一部 6103)の株価推移】

 [6月7日]    [3月23日]
 1,202円 → 1,378円 △ 176(+14.64%)

  【丸紅(東証一部 8002)の株価推移】

 [6月7日] [3月23日]
  573円 → 731円 △ 158(+27.57%)

  【新日本建物(JASDAQ 8893)の株価推移】

 [1月12日] [3月23日]
  679円 → 822円 △ 143(+21.06%)

※ 投資判断は投資家各位で行って頂けますようお願い致します。

首都圏のマンション発売戸数、5,000戸を割り込む(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2007/03/15/20070316k0000m020028000c.html

” 民間の調査会社、不動産経済研究所が15日に発表した首都圏マン
 ション市場動向によると、2月のマンション発売戸数は前年同月比
 19.4%減の4804戸で、13年ぶりに5000戸を割り込ん
 だ。〔中略〕
 都内の市町村部が同48.2%減と半減するなど、東京、神奈川、
 千葉、埼玉の1都3県全域で減少した。一方、1戸当たりの販売価
 格は4,621万円で同15.7%(627万円)上昇した。埼玉、千葉
 両県の郊外部などでは、価格上昇のために購入をあきらめるケース
 が出始めているという。契約率は同3.7ポイント減の77.5%
 に下がり、2月末の在庫物件も同27.9%増の7388戸と増え
 た。”

 → 個人投資家はマンションディベロッパーが好きな方が多いので、
   参考までに取り上げてみました。

   これは一時的な現象との声も聞こえてくるのですが、
   千葉・埼玉で在庫が増えているのは決して楽観視できません。
   「千葉・埼玉でマンション供給が増えるのは良くない前兆」
   というのが業界の経験則なのだそうです。

   千葉・埼玉を主力展開エリアとしており、
   しかも差別化しにくいビジネスモデルの場合、
   特に苦戦が予想されます。
   (既に下方修正を出したところがあるようですね)


~~~~~~~~(2006年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【三菱商事(東証一部 8058)】 [6月7日]  [1月12日]
                 2,220円 → 2,140円 ▼ 80(-3.60%)

【新日本建物(JASDAQ 8893)】[2月7日]  [9月1日]
                1,200円 → 645円 ▼ 555(-46.25%)
               [4月14日] [9月1日]
                 985円 → 645円 ▼ 340(-34.52%)

~~~~~~~~(2005年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【クリード(東証一部 8888)】[12月15日] [9月1日]
                578,000円 → 408,000円 ▼ 170,000(-29.41%)

【東誠不動産(JASDAQ 8923)】[12月9日]  [2月6日]
                 105,000円 → 157,000円 △ 52,000(+49.52%)

【オークマ(東証一部 6103)】[11月2日]  [4月7日]
                 1,000円 → 1,631円 △ 631(+63.10%)

【丸紅(東証一部 8002)】  [10月24日] [4月14日]
                507円 → 631円 △ 124(+24.46%)

【三菱商事(東証一部 8058)】[10月24日] [4月14日]
                2,065円 → 2,740円 △ 675(+32.69%)


※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  譲渡益税の分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする