みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』4月3日号 - 企業年金連合会の矢野朝水 理事「日本企業の利益率は低過ぎる」

2007-03-29 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「景気と株価」でした。
『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
但し、定期購読してもディスカウントされません。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/

巻頭特集「景気と株価」は素晴らしい寄稿が多く、
諸官庁の役付きの方々や日本企業の経営層だけでなく
経済に関心のある一般の読者にとっても非常に有益な内容です。

P26以降、三菱総研の後藤康雄 主席研究員の分析は鋭く、
日本が製造業と輸出で生きる時代から、金融収入で生きる時代に
今まさに転換しつつあることを、かつて「世界の工場」だった
英国の変貌を例に挙げて論じられています。

投資家の方にとって必見なのはP30で、
ファンドクリエーションの木下晃伸アナリストの寄稿です。

” 投機マネーによる過剰流動性相場の怖いところは、
 企業業績がいくら好調でも下がる時は下がる、とい
 うことである。”

” 世界のマネーがリスク回避に動くと、日本の株式市
 場もその影響を受けざるを得ない。相場を底上げし
 ているM&A期待も、実際は5月に予定されている
 「三角合併」解禁を先取りして、加熱している側面
 がある。”

いとすぎは、木下氏とは違い自民党が参院選に負けたところで
東証に大した影響は出ないと思っているのですが、
(安倍政権が、いかなる面から見ても明らかに経済に弱いため)
それ以外の点では完全に同意できる分析です。

他にも、P32の「従業員への利益分配の後回しは市場原理の必然」
とするクレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストの記事、
(白川氏には、このテーマでぜひ一冊書いて欲しいところです)
P36の「山手線ターミナル駅から10キロ圏、20キロ圏、30キロ圏」
と分類した三菱総研の酒井博司 主席研究員の首都圏の地価分析、
この二箇所は見逃せません。

ちょっと毛色の変わったところでは、P42も面白いです。
ちばぎん総合研究所の額賀信 社長の寄稿「人口減少社会」論で、
過疎地の鉄道会社の没落と廃線化を例に挙げて

人口減少社会では良いとこ取りはできず、ほとんど
常にお金の問題が発生する

と巷で無責任に言われている「人口減少で通勤地獄解消」説を
痛烈に批判されています。
(全くその通りで、なぜ大勢の人がこれを理解できないのか不思議)

記事では輸出製造業と国際観光に活路を見出せと論じられていますが、
ここに金融業とコンテンツビジネスを付け加えるべきでしょう。

ちなみに大前研一氏は「少子化対策は既にもう手遅れになっており、
毎年数万人単位で外国人を日本国内に受け入れる必要がある」と
主張されていることを付言します。

   ◇     ◇     ◇     ◇

今回のエントリーのサブタイトルに挙げたのはP30で、
今年2月に「ROE8%以下の企業」に警告をつきつけた
企業年金連合会の矢野理事へのインタビューが掲載されています。

「日本企業のROE(株主資本利益率)は低過ぎる」
「買収防衛策の王道は企業価値を高めること」

という堂々の主張です。

これは言わば「企業年金連合会のカルパース化」であり、
勿論いとすぎもこの潮流に賛成です。

   ◇     ◇     ◇     ◇

最後になりますが、P62には有機ELの第一人者である
山形大学の城戸淳二 教授へのインタビューが掲載されています。

「有機ELでは必ず世界ナンバーワンを取れます」

と断言されておりますので、こちらもお読み下さい。
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