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『週刊ダイヤモンド』12月9日号 - インバウンド消費は実質減少、コロナ前より大幅円安なのに

2023-12-09 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンドの理系エリート特集は大袈裟だが
待望された内容と言って良いだろう。

但し「エリート」は言い過ぎ。
日本の理系人材はよく言われるように蛸壺で
政策やマネジメントが不得手なケースが多い。
(デジタル競争力に劣りGAFAMに日本勢が大敗なのがその証左)
16頁で唐鎌氏が指摘しているように日本のデジタル赤字は急増中。。
文系理系で分ける日本特有の発想や制度面にも根深い問題があろう。


エントリーのサブタイトルは21頁より。
みずほ証券の小林氏の分析である。
コロナ後の経済再開で観光は盛況と思いきや、
2019年よりも35%も円安になっている割に
インバウンド一人当たりで30%未満、
1泊当たりでは20%強しか観光消費が増えていない

つまり実質観光消費は減っているのだ!

これは安倍や菅による日本安売りの売国観光政策の報いであり、
単価の安い観光客は抑制してターゲティング強化が益々重要になった。

『週刊ダイヤモンド』 2023年12/9号 (新・理系エリート)


今週も最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
ガザ侵攻はイスラエルにとって対テロ戦争であると決めつけ、
ハマスが盾にしている民間人の被害を完全黙殺している。

この民間人の犠牲が重大な国際問題になりつつあり
日本企業の対イスラエル関係にも影響が及んでいるのに
暢気なものである。氏は何も言及していないが
イスラエルの強硬姿勢は国際世論を二分して強硬な対立を生み出し、
日本にとって何年も厄介な問題として残るのは間違いない。

しかも氏は根拠もなしに収まるまで半年と言い切っている。
イスラエル軍が今月中には地上を掌握するのは間違いなく、
(ロシアとウクライナ以上に戦力差が大きいからだ)
問題はハマスの地下トンネルを攻略して人質を奪還できるかどうか。
それによって終結は大きく左右されるから半年などと言い切れる訳がない。
来月もあり得るし、長期戦になって1年近くかかることもあり得る。


氏は今週の書評でも奇妙なことを記しており、
与党、つまり政治権力を支える創価学会を称賛したその直後に
日本のメディアは権力に取り込まれていると批判している。
全く自らの言説を検証されず責任も取らない、そう評価されることとなろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の新幹線特集は可もなく不可もなく、読みどころが少ないという印象。。
先週、「いつも通りの大袈裟(海外で新幹線は決して無敵ではない)」と書いた通りだろう。

はっきり言って敦賀延伸は金沢と全く違うから
(寧ろ地元の福井から東京への若年人口の流出が増えるだろう)
波及効果に期待するのは間違っていると思うが。

リニアの孕む複数の重大な欠点にも口を噤んだままで
あたかも夢の未来のように語るのは暢気過ぎる。

『週刊東洋経済』2023年12/9号 (無敵の新幹線)


佐藤優氏の連載は昔話だが悪くない。
精度が高いとはとても言えないウクライナやガザの分析より
過去の回想に力を入れた方が良いのではないだろうか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目もダイヤモンド、影のテーマは日の丸EV特集である。

▽ 見逃せないのは「EV時代の存亡ランキング」、ソニーの部門別分析も見ておこう

『週刊ダイヤモンド』2023年12/16号 ( ソニー・ホンダの逆襲)


▽ 東洋経済の四季報特集、今週の円高ショックで早くも逆指標になる気配濃厚だ。。

『週刊東洋経済』2023年12/16特大号 (株の道場 新NISA時代に勝てる株)


▽ 例年、次号の世界経済特集の方が精度の高いエコノミスト日本経済特集。。

『週刊エコノミスト』2023年 12/19号【特集:日本経済総予測2024】

そもそも2040年は「円高」必至だし、「アベノミクス総括」での「雇用は回復」と書いているのも不正確。。
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