ダイヤモンドのリニア特集は決して景気良い内容ではないが重要。
まずメイン特集では目立たない64頁が秀逸で、
池上氏がリニア路線上に活断層が7つもあること、
深い地下だけに事故での避難が非常に難しいことを指摘している。
一応、海外への輸出も狙えるとは書いているが軍配は明白である。
(先週、当ウェブログが「世紀の大失敗になりかねない案件」と書いた。。)
実は他にも採算性が良くない、災害対策としては北陸新幹線延伸の方が安い、
といった問題もあるのだが概ね妥当な結論である。
典型的なポピュリズム・メディアであるみんかぶマガジンあたりは
静岡県知事を執拗にバッシングする近視眼な記事を出しているが、
静岡知事がゴネたことが後世で高く評価されることもあろう。
保守政権のビッグプロジェクトがどのような末路をたどったか、
光速で物忘れする衆愚論者の頭を冷やさせねばならない。
サブの百貨店特集もなかなか良いし(地方はオンライン充実しかないと思う。。)、
18頁の「サラリーマン社長でも成長する欧州企業」もそれ以上に良記事だ。
ただ、国境を越えたM&Aで成長した欧州企業を東アジアで真似できるかな。。
最も宜しくないのは今週も佐藤優氏の連載。
イスラエル軍は弾薬が足りないから長く戦えないという説で、やれやれという感じ。
ロシア軍と違いイスラエル軍の消費弾薬は多くない。(戦線がごく短いからである)
イスラエル軍は動員数を減らしているが、生産活動への影響が理由と発表しており、
氏の見解は信頼するに足らない。
そもそも氏はかつて対ヒズボラで最悪の事態では核兵器の可能性と書いていたが
一向にそのような気配はない。情勢判断に的確さがないのである。
見事に外れた「北朝鮮からロシアへの弾薬提供はない」説の二の舞になりかねない。
今週の書評では、本の内容から逸脱して人文の知が必要と得々と語っているが
寧ろ氏は科学的な分析を学んで精確さを心掛けた方が良いのではないか。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の介護特集はかなり良い。
ただ、人手不足は自民党政権の少子化への無策がもたらしたもので、
かつ「年収の壁」の制度改革は殆ど進んでいないし
介護士保育士への負の所得税も適用する気配がゼロだから
完全に政策の失敗による惨状である。
「ケアサービス労働者を安くこき使って来た日本社会、経済低迷は自業自得である」
と先週に書いた通りの内容だったのではなかろうか。
特集にあるようにカスハラ・セクハラの多い分野だし、
金銭絡みで捕まる介護士が時折いるのも事実であり、
ICT投資ぐらい政府が行うべきではないか。
佐藤優氏の連載は、ゴルバチョフに仕えた官僚を批判して
バルト三国の民族文化を理解していなかったと後講釈気味の内容だが、
ウクライナについて同様のことをプーチンとシロビキに言うべきだろう。
ロシア・ウクライナ両国の無数の人命と甚大な国富が失われた理由がそれなのだから。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは絶妙のタイミングでの暗号通貨特集。
「暗号資産は米ETFの件で目下の焦点だが、個人的には税務面でETF以外はあり得ないと思う」
と先週に書いた通りであろう。
個人的には税務面の不利をもっときちんと書くべきだと思うし、
米国でETF認めるなら日本でも認めざるを得まいと考える。
本源的価値がない資産なのにどうしてこんなチャートになるか不可解だが。。
ゴールドの特集は重要であると当ウェブログは繰り返してきた訳だが、
市岡繁男氏の連載を見ればそれがよく理解頂けるものと思う。
2018年からの円建てゴールドの上昇っぷりは強烈である。
ドル円チャートが先行するゴールドと相似形になっているとの指摘も不気味だ。。
(個人的には「不況の金」がこれだけ対円で上昇していることが恐ろしい)
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、「主役はGAFAからMATANAへ」がまさにその通り。
▽ NTTの新技術について「最終目標はTSMCやサムスンへの採用」とあるが絶対、前者の方が良い
▽ 東洋経済特集は分野による、「ネットで激変広告モデル」「補完財プラットフォーム」が重要か
他には久々のユニクロとZARAの比較は見ておきたい。(利益率でも人件費でも後者の完勝だろう)
まずメイン特集では目立たない64頁が秀逸で、
池上氏がリニア路線上に活断層が7つもあること、
深い地下だけに事故での避難が非常に難しいことを指摘している。
一応、海外への輸出も狙えるとは書いているが軍配は明白である。
(先週、当ウェブログが「世紀の大失敗になりかねない案件」と書いた。。)
実は他にも採算性が良くない、災害対策としては北陸新幹線延伸の方が安い、
といった問題もあるのだが概ね妥当な結論である。
典型的なポピュリズム・メディアであるみんかぶマガジンあたりは
静岡県知事を執拗にバッシングする近視眼な記事を出しているが、
静岡知事がゴネたことが後世で高く評価されることもあろう。
保守政権のビッグプロジェクトがどのような末路をたどったか、
光速で物忘れする衆愚論者の頭を冷やさせねばならない。
サブの百貨店特集もなかなか良いし(地方はオンライン充実しかないと思う。。)、
18頁の「サラリーマン社長でも成長する欧州企業」もそれ以上に良記事だ。
ただ、国境を越えたM&Aで成長した欧州企業を東アジアで真似できるかな。。
『週刊ダイヤモンド』2024年 2/17号 (識学大全) |
最も宜しくないのは今週も佐藤優氏の連載。
イスラエル軍は弾薬が足りないから長く戦えないという説で、やれやれという感じ。
ロシア軍と違いイスラエル軍の消費弾薬は多くない。(戦線がごく短いからである)
イスラエル軍は動員数を減らしているが、生産活動への影響が理由と発表しており、
氏の見解は信頼するに足らない。
そもそも氏はかつて対ヒズボラで最悪の事態では核兵器の可能性と書いていたが
一向にそのような気配はない。情勢判断に的確さがないのである。
見事に外れた「北朝鮮からロシアへの弾薬提供はない」説の二の舞になりかねない。
今週の書評では、本の内容から逸脱して人文の知が必要と得々と語っているが
寧ろ氏は科学的な分析を学んで精確さを心掛けた方が良いのではないか。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の介護特集はかなり良い。
ただ、人手不足は自民党政権の少子化への無策がもたらしたもので、
かつ「年収の壁」の制度改革は殆ど進んでいないし
介護士保育士への負の所得税も適用する気配がゼロだから
完全に政策の失敗による惨状である。
「ケアサービス労働者を安くこき使って来た日本社会、経済低迷は自業自得である」
と先週に書いた通りの内容だったのではなかろうか。
特集にあるようにカスハラ・セクハラの多い分野だし、
金銭絡みで捕まる介護士が時折いるのも事実であり、
ICT投資ぐらい政府が行うべきではないか。
『週刊東洋経済』2024/2/17号 (介護 異次元崩壊) |
佐藤優氏の連載は、ゴルバチョフに仕えた官僚を批判して
バルト三国の民族文化を理解していなかったと後講釈気味の内容だが、
ウクライナについて同様のことをプーチンとシロビキに言うべきだろう。
ロシア・ウクライナ両国の無数の人命と甚大な国富が失われた理由がそれなのだから。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは絶妙のタイミングでの暗号通貨特集。
「暗号資産は米ETFの件で目下の焦点だが、個人的には税務面でETF以外はあり得ないと思う」
と先週に書いた通りであろう。
個人的には税務面の不利をもっときちんと書くべきだと思うし、
米国でETF認めるなら日本でも認めざるを得まいと考える。
本源的価値がない資産なのにどうしてこんなチャートになるか不可解だが。。
『週刊エコノミスト』2024年2/20・27合併号【特集:金&暗号資産】 |
ゴールドの特集は重要であると当ウェブログは繰り返してきた訳だが、
市岡繁男氏の連載を見ればそれがよく理解頂けるものと思う。
2018年からの円建てゴールドの上昇っぷりは強烈である。
ドル円チャートが先行するゴールドと相似形になっているとの指摘も不気味だ。。
(個人的には「不況の金」がこれだけ対円で上昇していることが恐ろしい)
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、「主役はGAFAからMATANAへ」がまさにその通り。
▽ NTTの新技術について「最終目標はTSMCやサムスンへの採用」とあるが絶対、前者の方が良い
『週刊ダイヤモンド』2024年2/24号 (丸ごと一冊「半導体」) |
▽ 東洋経済特集は分野による、「ネットで激変広告モデル」「補完財プラットフォーム」が重要か
『週刊東洋経済』2024年2/24特大号 (もうけの仕組み ─2024年版─) |
他には久々のユニクロとZARAの比較は見ておきたい。(利益率でも人件費でも後者の完勝だろう)