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『週刊ダイヤモンド』12月23日合併号-日本の実質賃金は既に韓国以下、24年もマイナス続き生産性低迷

2023-12-22 | 『週刊ダイヤモンド』より
今年も特集内容としてはダイヤモンドに軍配を上げる。
「例年の傾向として東洋経済より鋭い記事が多い印象」
「焦点は「もしトラ」だろう、トッドより精度が数段勝るイアン・ブレマーの見解が重要」
と書いた通りで、円高予想が優勢なのを明記しているのも評価できる。
EU悲観論が外れ続けているトッドのウクライナ分析が当てにならないのは当然だが
対照的にイアンブレマーは分析が緻密で的確だ。

エントリーのサブタイトルは60頁から。
2024年の日本経済の沈滞を予言する記事があり、
山田久氏の分析が非常に優れている。
日本では2000~2010年代前半までは一人当たり生産性の伸びが
欧米よりも伸びていたが(アベノミクス以前である!)
現在では欧米を下回るようになった。(アベノミクス以後である)
氏はコロナ禍での大盤振る舞いを原因としているが、
アベノミクス以降に伸びが鈍ったのだから元凶は安倍政権だ。
平均成長率を見ても同様だから深層は明らかである。
事実、アベノミクス開始後に購買力平価の実質賃金で韓国に抜かれている

氏の「根拠のある価格値上げ」も踏み込み不足だろう、
社会保険料負担の上昇が消費を減らす事実が実証されているので
「年収の壁」をなくして労働投入と有効需要を増やす方が合理的だ。
(スウェーデンの女性就労や積極的労働市場政策と比較すれば明白だ)


「数字は語る」の榎並氏のコラムも素晴らしい。
マイナカード、マイナ保険証に批判が集中した理由として
トラブル発生よりも必要なパスワードが四つもあるなど
複雑な仕組だったからで、根本的な精度の見直しが必要としている。
(全く以て同感である、明らかに制度設計がお粗末で国民無視だったからだ)

『週刊ダイヤモンド』2023年12/23・30合併号 (総予測2024)


最も宜しくないのは佐藤優氏による創価学会についての寄稿。
氏によれば創価学会は衰退しない、だそうだ。
信者の少子高齢化が進み選挙での投票パワーが落ちているのに
深刻な現実を無視して空虚な楽観論を振りまくのは理解不能だ。
氏のウクライナ分析と同様に、結果は逆に出るであろう。

はっきり言って、創価学会の分析ではプレジデント・オンラインに
先月載った『宗教問題』編集長の小川氏の考察の方が数段上である。
編集部の方はそちらを熟読して反省し、来年は改めて欲しい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

「意外なことにインドもウクライナ関連も出てなさそう」と先週書いたが、
エコノミストの世界経済特集は例年よりもやや落ちる。
いつもは何か一つキラリと光る記事があるのだが、
今回はなかなか見当たらない。
(強いて一つ挙げるなら「全員が円高予想」としている点か)

そうそう、推薦書に『教養としての財政問題』が含まれているのは評価できる。
ザイム真理教などと中傷する悪質なアジテーターが跋扈する今、教養の欠如こそ問題だ!

『週刊エコノミスト』2023年 12/26・2024年1/2 合併号【特集:世界経済総予測2024】


市岡繁男氏は日本の輸入原油の中東依存度が過去最高になったと懸念。
ただNY原油はガザ問題があっても既にピークをつけたと見られるし
天然ガスを含めると中東依存度はかなり下がる。
来年は原油高より米国発のダウンサイドを警戒した方が良いのでは。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済を取り上げる予定、良い記事もそうでない記事もあった。

▽ 予想通りインタビュー依存の東洋経済、バイアスで歪むのは避けられない

『週刊東洋経済』2023年12/23・12/30新春合併特大号 (2024大予測)

矢張り「ザイム真理教」と煽動する勢力はリフレ派の二の舞、論理的にも実証的にも甚だお粗末だった。。
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