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『週刊ダイヤモンド』7月6日号 - 投機筋の円売りがなくなると1ドル140円へ、超円安のピークは近い

2024-07-04 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンドのメイン特集は今一つかなと思っていたが、
サブの決算特集が意外と良かった(先週の東洋経済特集より鋭い)。
新日鐵とJFEで差がついた理由など見ておきたい。
但し、いまSMBCとMUFJでモメンタムが違うのは
単純に、より市場評価が高い方が先行しキャッチアップしただけでは?
(市場ではよくあるパターンで、自動車や商社セクターでも似た現象あり)

「ダイヤモンドは「5年後の業界地図」特集、業界は兎も角として
 日経平均と為替の予想はまず当たらない」

と先週に書いたが、為替については今後の円高を予想する
田中泰輔氏の見解には注意を払っておきたい。

エントリーのサブタイトルは20頁の市場分析より。
SMBC日興の野地氏の優れた分析で、シカゴIMM投機ポジションと
円安の不気味な相関度がよく分かる。氏はダウ平均の調整も
警戒しており全く以て同意見である(東証もNYも明白な割高である)。

『週刊ダイヤモンド』2024年7/6号 (5年後の業界地図)


「今週も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
 来週の池上氏の連載にもう既に負けている気がする」

と先週に書いた通り、池上氏の連載が良い。
欧州で極右政党が大躍進しているのはソフト路線に転換したからと分析し、
フランスの貧民街出身の住民が治安を憂慮し反移民の立場であるのが印象的だ。
元のルーツは移民なのに新たな移民に反対している訳で、そういえば
米国でも日本でも同じような現象が起きているなと思った。。
この池上氏の連載は毎回、目を通しておきたい。

他方、佐藤優氏は書評で「キリスト教の正義」を批判しておきながら
自分自身には同じ論理を適用しないダブスタは相変わらず。
氏は今週のAERAで北とロシアの関係は軍事面での強化ではなさそうとしているが
これも「北はロシアに弾薬を送っていない」説と同様に厳しく検証した方が良い。
氏はロシアが対北で不利な関係になっていることは認めているが、
それなら「ロシアが対ウクライナ戦争で苦境にあり、日本には対中交渉の好機」と
判断するのが理の当然ではないかと思うのだが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの特集は非常に良かった。
インドにココイチが進出したのは話題になったが
今度は「信州そば」がインド進出だそうだ!

急激に増えているミャンマーからの日本留学生は、
ミャンマーが民主化路線に戻る際に日本企業にとって
貴重な人材となるであろう。
現下、韓国に時給で負けているという情けない有様だが
(アベクロコンビの大失政のせいである)
アジア市場強化を狙う日本企業は彼らを優遇すべきである。

意外にうまくいっていないのがタイとフィリピンで、
前者は政治と人口動態の問題、後者は直接投資不足のようだ。
直接投資不足はアベノミクスの失敗要因のひとつで、
日本もフィリピンも同じ陥穽に陥っている。。


今週のエコノミストは「健康経営」リポートも優れていて見所が多かった。
費用対効果の不明確さなど課題はかなり多そうだ。。

『週刊エコノミスト 』2024年7/9号【特集:沸騰!インド・東南アジア】


市岡繁男氏の連載は今週も興味深い。
東証はMACDでは夏まで上向きなのだが
仮需(信用残+裁定残)が歴史的なピーク水準で
伸び切った状態にあるとのことだ。
なお氏は戦火拡大をリスク要因として見ているが、
個人的には弱音が漏れてきたロシアがウクライナと停戦し
物価と金利が急低下することが寧ろ東証のリスク要因と見ている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の医療情報特集は頑張って取材されているが
問題が複雑すぎて眼目が乏しい印象。
コロナワクチンの後遺症で苦しむ患者の話が出なかったのも吃驚。

ただ子宮頸癌ワクチンの件で推進派の居丈高な姿勢を
問題視しているのは正しい。推進派と反対派が互いに
人格攻撃するような状況になっているのは異常である。

あと医師が受け取る製薬マネーの膨張が不気味で
後々大問題に繋がりそうな気がしてならない。。

『週刊東洋経済』 2024年7/6号 (不安につけ込む「医療情報」の罠)


今週の東洋経済には非常に良い記事がある。
それは編集部の野村氏による「資産運用立国への違和感」で、
証券投資ばかりではGDPが伸びないことを理路整然と論じている。
(実証研究でもかつてのバブル期における「資産効果」は乏しかった)
欲望に目の眩んだ輩にはこのことをよくよく言い効かせたいものだ!

また、サブの渋沢栄一特集がかなり本格的で、
東洋経済らしくない(爆)と思っていたら
相当部分がエコノミスト誌で活躍していた黒崎氏の執筆だった。
東洋経済の読者層だと理解が難しい内容では、と余計なことを思いつつ
賢明で良識的な読者には強くお勧めしたい内容である!
(日銀が預金封鎖し新円に切り替えたあの激動期を扱っている)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、実用性の高い「これから大変! マンション管理&空き家」特集!

▽ 「東京も間もなく「衰退」予測 タワマンの厳しすぎる未来」が特に重要

『週刊エコノミスト』 2024年7/16・23合併号


▽ ダイヤモンドは読者層の高齢化を窺わせる特集、空き家関連をエコノミストと比較したい

『週刊ダイヤモンド』2024年7/13・20合併特大号 (相続・生前贈与・実家)


▽ 東洋経済はターゲットを絞った漫画ビジネス特集、日本経済低迷の現実が透けて見える

『週刊東洋経済』 2024年7/13号 (アニメ・エンタメ帝国の覇者 集英社、講談社、小学館の野望)

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