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2009年の日本社会を予言する本(その3)京都議定書も達成可能 ― 石井彰『天然ガスが日本を救う』

2009-01-23 | こんな本を読んでいます
この本は、日本のエネルギー政策を変えるかもしれません。
それだけの価値を持った一冊です。

京都議定書の厳しいハードルを日本がクリアできるかもしれない、
唯一と言ってよい方法が紹介されているのです。

天然ガスであれば本当にマイナス6%を実現できる、
「コロンブスの卵」的ですが極めて現実的な発想です。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構の石井彰エコノミストによれば、
日本の天然ガス利用は1次エネルギー需要の14~15%程度で、
欧州諸国と比較して半分程度に過ぎないこと、
天然ガスの二酸化炭素排出量は石油の70%、石炭の55%と
環境対策において圧倒的に有利なエネルギー源であり
現在の石炭火力発電を新型のガス発電に置き換えるだけで
5割以上の二酸化炭素が削減される(!)

のだそうです。
ぜひぜひマスコミや官僚、政界の方々に
一読して頂きたいものです。





『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』(石井彰,日経BP社)


その便利な天然ガスの利用が今まで進んでいなかったのは、
日本の近隣に天然ガスの産出地が少なかったためであり、
そうした状況も一気に変わりつつあります。

豪州・東南アジア・パプアニューギニア等で
続々と新たな天然ガス鉱床が発見されているだけでなく、
アラスカ周辺海域も有望視されており、
サハリンも含め日本は豊富な天然ガス資源に囲まれていて、
利用しやすい資源になっているというのです。

(おまけに南海トラフにメタンの氷が大量に眠っている!)

最も驚いたのは、EUにとってロシアは(ソ連時代から)
「最も信頼できるガス供給者」であり続けたということです。
「相互確証破壊的」(相手を裏切ると自分も滅ぶ)
という言葉で筆者は説明されていますが、尤もです。

札幌や仙台は、サハリンの安いガス資源を
存分に享受できるようになるかもしれませんね。





『世界を動かす石油戦略』(石井彰/藤和彦,筑摩書房)

△ このような著書もあるようです。
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