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『週刊東洋経済』12月19日号 - 公共事業バラ撒きは成長率を悪化させる、日本の教訓から誰も学ばない

2020-12-18 | 『週刊 東洋経済』より
今週の東洋経済は珍しいMR特集。接待だらけの特殊な職種だったのが
業界状況が激変し苦しいとは聞いていたが「聞きしに勝る」状況だ。
「ワタナギ」もバリキャリがリストラされナギサさんに頼るという続編が出せるだろう。

先週「「ワタナギ」とは全く違うMRの実情、注目はエムスリーか?」と書いたが
矢張りエムスリーはクレバーで時流を上手く捉えた会社だと思った。
医療関係で何か調べると必ずと言って良いほどエムスリーとの接点がある程だ。


ただ日本経済の喫緊の問題としては「間違いだらけの改革論議」の方が良かった。
原英史氏が議論をミスリードしてしまう理由は、どうやら「改革」原理主義と言うか
取り敢えず「改革」であれば深く考えず事後検証も充分に行わず肯定するマインドセットにあるようだ。

加計獣医の問題はその典型で、そもそも自民党の文教政策がもたらした日本の研究力の低下を無視、
加計の薬学部の惨状も無視しているだから法科大学院と同様に惨憺たる失敗に終わるのは明白だ。

腐敗した安倍の口だけ「改革」で明らかに日本経済の成長率と実質賃金が悪化したのだから
今のインチキ「改革」を擁護すること自体が反経済と呼ぶべきであろう。

『週刊東洋経済』2020年12/19号 (製薬 大リストラ)


エントリーのサブタイトルは11頁「日本問題をめぐる数々の誤解」より。
元日銀の早川英男氏が極めて的確な指摘を行っており、
欧米が日本に求めた金融緩和で日本の経済成長率は高まらず
(資産価格が上昇して格差が拡大、全体として貧困化しただけ)
コロナ禍では逆に90年代後半の日本の停滞から学ばない欧米
巨額の財政出動を行おうとして欧米の「日本化」を進めかねないとの趣旨だ。

氏は超金融緩和の長期化は企業の新陳代謝の遅延や所得格差の拡大を通じて
潜在成長率の低下・自然利子率の低下をもたらしたのではないか
としている。
まさに「安倍の失われた7年」のもたらした病巣を鋭く抉った論考だ!

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊エコノミストの特集はこの次期恒例の日本経済分析。
「まずいなこれ、逆指標の予感が急上昇。。」と先週書いたが、
東証の推移はまさにその悪い予感通りだったのではないだろうか?

ただ内容としては良い記事もあり、河野龍太郎氏による
「株高の先にある低成長社会」がお薦めである。

日本企業は「安倍の失われた7年」で利益剰余金を貯蓄し続け、
一貫して投資抑制を続けてきた。氏はこれこそ潜在成長率と
自然利子率を低下させた「日本化」の主因であるとしている。
コロナ禍でこの贅肉が偶々役立ったが、コロナ禍が過ぎる頃には
また企業は貯め込みを再開し日本経済の成長率を悪化させる新常態に戻るであろう。

『週刊エコノミスト』2020年 12/22号


市岡繁男氏の連載コラムによれば、日本経済は米国とは全く異なり、
労働生産性はこの30年間漸増しているのに(第二次安倍政権で低迷しているが)
実質賃金は90年代半ばからじりじり下がり、第二次安倍政権で悪化が顕著になった。
矢張り安倍が日本経済を衰退させ、労働者を貧しくしたのは明白であると言えよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンド特集は意外に良い内容だった。
迂闊にサラリーマン大家を薦めていないのが素晴らしく、
「寧ろREITは好機なのだと思う」と当ウェブログが書いた通り
アイビー総研の関大介氏が完璧な分析を行っていて本当に良質な特集である。

個人的には、2021年はコロナ禍の終わりが見えて
この記事とは逆に観光関連がアウトパフォームすると思うのだが。。

『週刊ダイヤモンド』2020年12/19号 (高利回り商品 総点検)


逆に、今更アメリカ株というのはお薦めできない。
バフェット指数から見て明白な割高であり、
高田創氏が指摘している通り今年の市場はコロナに助けられた。
偶然によるバブルだということを寸時も忘れてはならない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目は東洋経済、リスクシナリオに目を配っている点で評価できる。

▽ 但し最大のリスクは特集にはない「コロナ収束で政策支援の打ち止め」だと思うが。。

『週刊東洋経済』2020年12/26-2021年1/2新春合併特大号 (アフターコロナへの活路を探る 2021年 大予測)


▽ 楽観的過ぎて逆に不吉な予感もするダイヤモンド、「全国なんでもランキング」は面白そうだが。。

『週刊ダイヤモンド』2020年12/26・21年1/2合併号 (総予測2021 株価・景気・企業業績)


▽ 「ダウ3万5000ドル」という狸の皮算用も、業績相場へ移行ならという条件付きのエコノミスト

『週刊エコノミスト』2020年12/29・2021年1/5合併号

勿論「ドル安・円高で100円割れも」ともしっかり書いてある。
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