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『週刊東洋経済』5月25日 - 円安は長過ぎた異次元緩和のせい、日本の賃金は既に米国の半分以下に

2024-05-23 | 『週刊 東洋経済』より
今週の東洋経済は予想よりも良かった。
何よりアベクロの異次元緩和策が現在の異常な円安をもたらしたと
はっきり言い切っている元財務官のインタビュー記事が良い。
(これで日本経済を衰退させたB層有権者も少しは反省するだろう)
現下の円安が明らかなオーバーシュートであると示している点も高評価。

また、メイン特集で安倍・菅の経済政策が日本を衰退させたことも分かる。
「少子高齢化と円安のダブルパンチで苦境の中小企業」
「М&Aでやはりトラブル多発なのか。。」

と先週書いた通りの深刻な内容だった。

輸出で活路を切り開く企業もなくはないが、
そうした企業は小粒でかつ少数派に見える。。

『週刊東洋経済』2024年5/25号 (中小企業 大廃業時代の処方箋)


佐藤優氏の連載は相変わらずラトビアの話で、
ラトビアを民族主義として批判する声を伝えるだけで
プーチンのロシアの民族主義には触れないというダブスタである。
また、ラトビアの民族主義は元はと言えばロシアの帝国主義の反動なので
天に唾するに等しい言動と言えるのではないか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの富裕層特集も良かった。
今週の経済三誌のメイン特集の中でベストかもしれない。
「「「給料高過ぎ」「公私混同」オーナー企業」は少なからず実在する!」
と先週書いたがまさにその通りの内容だと言えよう。

案の定だが富裕層はしっかり倹約していることが多く
いくら株価が上がっても日本経済のへの貢献度は低く、
せいぜいバーキンを買いまくって外商の売上に貢献する程度だ。

また、匿名座談会で開業医が軽井沢に別荘を持つ理由として
週末には仕事を忘れたいという露骨な本音が出ており
これこそ勤務医に負担が集中して過労に陥る根本原因であり
地域別に診療報酬を変える案に対し強硬に反対する理由でもあるのだ。。


今週のダイヤモンドは、日本を大好きな中国富裕層が統制が強まる中国から
続々と脱出してきているとのWSJ記事も転載されており大変参考になる。

『週刊ダイヤモンド』2024年5/25号 (億万長者)


最も宜しくないのは矢張り佐藤優氏の連載。
「ロシア大統領筋」からの情報を鵜呑みにして
北朝鮮が孤立から脱したなどと書いており、
それなのに日本政府の対北交渉に見込みがあるかのような
相変わらずの論調だが、北朝鮮の立場が強くなるのなら結論は逆の筈だ。
かつて氏は北方領土交渉でも似たような楽観論を主張していた。
過去の言説と事実を付き合わせれば、信頼に足るかどうか明白であろう。

なお海外メディアではプーチンが停戦を図っているとの報道が出ており、
ウクライナが弾薬不足なのにロシア軍が甚大な損害を受けているのは明白だ。
ロシア側の情報に依存すると情勢判断を誤ると考えるのが至当ではないか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの医薬特集はやや先走りの内容が多い。
「最前線」だから致し方ないだろうが
大きな材料になりそうなものはまだないような印象である。

『週刊エコノミスト』2024年5/28号【特集:肥満・がん・認知症 バイオ製薬最前線】


市岡繁男氏の連載が最も良い。
アベクロの愚行によってもたらされた異常な円安が
日本経済にとっていかに有害であるかが分かる。

安倍が異次元緩和策を始めて以来、日本の労働者の賃金は
どんどん米国の労働者の賃金より安くなっていく一方。
時給ベースで試算すると日本は米国の半分以下の賃金という悲惨な状況だ。
(エントリーのサブタイトルはこの数字に基づいている)
日米の時給単価が同等になるのは1ドル70円でなければならないそうで、
矢張り成長率から考えても為替のフェアバリューはドル110円程度だろう。
それで購買力平価から見た妥当な数値とほぼ一致する。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、「調剤の時給2000円切り時代到来?」となると矢張り自民党政権の大学政策の失敗ということだろう。

▽ 「薬学部淘汰危険度ランキング」には、自治体にゴネている加計学園の千葉科学も入るのでは

『週刊ダイヤモンド』2024年6/1号 (薬局・薬剤師 勢力激変)


▽ 漁業生産量は激減し海外に買い負けという日本漁業の惨状、「魚の獲りすぎ」を指摘したダイヤモンド特集は正しい

『週刊東洋経済』2024年6/1号 (全解剖 日本の魚ビジネス)


▽ エコノミストは珍しく学校教育特集、「大学まで私立で2500万円」だと米国型の階級社会へとまっしぐらだ。。

『週刊エコノミスト』2024年6/4号【特集:学校激変 暗記から探究へ】

「探求学習」は聞こえは良いものの中から下の階層では「猫に小判」みたいなもの、商魂たくましい私立校が儲かるだけだぞ。
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