今週の東洋経済はほぼ想定内の内容だろう。
地政学では新しいネタは乏しかろうと見ていたが
当たらずと言えども遠からず、というところ。
期待した亀山氏はロシア側からの視点だけでがっかり。
せめてホロモドールにおけるウクライナ側の怨念とか、
ブラッドランド(東欧の平原地帯)は歴史的に侵入側の敗北が多いとか
(北方戦争、ナポレオン戦争、バルバロッサ、全てそうなった)
工夫して欲しかったところだが、地政学限定だとそうなるのか。。
その点、慶大の鶴岡准教授の現状分析の方が遥かに的確だった。
ウクライナ侵攻で却ってNATOを拡大させたロシアはオウンゴール、
欧州は疲れがあってもウクライナを支え続ける、との見解である。
ただ個人的には、長期化するという見通しは必ずしも正しくないと考える。
キーウ進撃の際には短期でゼレンスキー政権崩壊を狙っていたプーチンは
戦略でも戦術でも歴史的な大失敗、多大な損害を出した。
カフカスや中央アジアでのロシアのプレゼンスは大きく低下している。
プーチンはかつてのソ連のアフガン侵攻と酷似した罠に嵌ったのであり、
ゼレンスキー退陣、NATO加盟せず程度の条件で停戦を選ぶ可能性がある。
さてエントリーのサブタイトルは9頁より。
一橋院の佐藤教授の冷徹な分析であり、
事実上アベノミクスの失敗と日本経済低迷という結論だ。
「成熟した債権国」という暢気な話ではなく、
日本はサービス収支におけるデジタル赤字が増加して5兆円超、
企業の海外直接投資による収益20兆円は半分程度しか国内還流せず、
円安なのに電気機器は輸入超過に転落してしまった。
「海外での収益が国内の成長機会に繋がらない」という指摘は
まさに日本経済の病弊、つまり日本企業の競争力は低下して
海外収益が経済成長に繋がらないという経済政策の失敗を示すものだ。
佐藤優氏の連載はラトビアの話が続いている。
ロシアの保守主義者がラトビアの民族主義への懸念を示いたとの内容、
そっくりそのまま同じことをプーチンの民族主義に言うべきだろう。
プーチンの民族主義こそが、戦略判断を誤らせてウクライナ侵攻で
多くのロシアの若者を死なせ、多くの海外逃亡者を生んだ元凶だからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドの半導体特集は悪くないが、
SCREENやディスコのバブルは明白であり、
本家エヌビディアの株価と比較しても危なっかしい。
先週、「まさに「まだはもうなり」の典型になりそう」と書いたが
この特集が出る前から市況は崩れ始めており、
結果的に逆指標となってしまう恐れもあろう。
市況としては慎重に見ておいた方が良いのではないか。
佐藤優氏の書評は今週は左程危なっかしくないが、
書評よりも自分の主張の宣伝に走る癖は相変わらずだ。
AERAでは沖縄に米軍基地が集中するのは差別であり
それを意識していないのは問題だという主張を展開しているが
論理としては尤もであるがそう主張するのは氏以外にも多数おり、
かつその同じ論理で氏の対ウクライナの言説も差別として指弾されよう。
自説に適合するかどうかで論理を使い分けるのは筋が通らない話である。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、個人的にはサブ特集の「岐路に立つNHK」に期待している。
▽ 特集「保険vs新NISA」はランキング多数掲載のようだ
▽ バブルも崩壊かと思わせる東洋経済特集、不動産や暗号資産にも触れるらしい
▽ 質は最も高いと思われるエコノミスト、「コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平」がまさに的確
中国人投資家は日本への関心を高めているとか。これも東証バブルの一因である。
地政学では新しいネタは乏しかろうと見ていたが
当たらずと言えども遠からず、というところ。
期待した亀山氏はロシア側からの視点だけでがっかり。
せめてホロモドールにおけるウクライナ側の怨念とか、
ブラッドランド(東欧の平原地帯)は歴史的に侵入側の敗北が多いとか
(北方戦争、ナポレオン戦争、バルバロッサ、全てそうなった)
工夫して欲しかったところだが、地政学限定だとそうなるのか。。
その点、慶大の鶴岡准教授の現状分析の方が遥かに的確だった。
ウクライナ侵攻で却ってNATOを拡大させたロシアはオウンゴール、
欧州は疲れがあってもウクライナを支え続ける、との見解である。
ただ個人的には、長期化するという見通しは必ずしも正しくないと考える。
キーウ進撃の際には短期でゼレンスキー政権崩壊を狙っていたプーチンは
戦略でも戦術でも歴史的な大失敗、多大な損害を出した。
カフカスや中央アジアでのロシアのプレゼンスは大きく低下している。
プーチンはかつてのソ連のアフガン侵攻と酷似した罠に嵌ったのであり、
ゼレンスキー退陣、NATO加盟せず程度の条件で停戦を選ぶ可能性がある。
さてエントリーのサブタイトルは9頁より。
一橋院の佐藤教授の冷徹な分析であり、
事実上アベノミクスの失敗と日本経済低迷という結論だ。
「成熟した債権国」という暢気な話ではなく、
日本はサービス収支におけるデジタル赤字が増加して5兆円超、
企業の海外直接投資による収益20兆円は半分程度しか国内還流せず、
円安なのに電気機器は輸入超過に転落してしまった。
「海外での収益が国内の成長機会に繋がらない」という指摘は
まさに日本経済の病弊、つまり日本企業の競争力は低下して
海外収益が経済成長に繋がらないという経済政策の失敗を示すものだ。
![]() | 『週刊東洋経済』2024/4/20号 (わかる!地政学) |
佐藤優氏の連載はラトビアの話が続いている。
ロシアの保守主義者がラトビアの民族主義への懸念を示いたとの内容、
そっくりそのまま同じことをプーチンの民族主義に言うべきだろう。
プーチンの民族主義こそが、戦略判断を誤らせてウクライナ侵攻で
多くのロシアの若者を死なせ、多くの海外逃亡者を生んだ元凶だからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドの半導体特集は悪くないが、
SCREENやディスコのバブルは明白であり、
本家エヌビディアの株価と比較しても危なっかしい。
先週、「まさに「まだはもうなり」の典型になりそう」と書いたが
この特集が出る前から市況は崩れ始めており、
結果的に逆指標となってしまう恐れもあろう。
市況としては慎重に見ておいた方が良いのではないか。
![]() | 『週刊ダイヤモンド』2024年4/20号 (半導体160社図鑑) |
佐藤優氏の書評は今週は左程危なっかしくないが、
書評よりも自分の主張の宣伝に走る癖は相変わらずだ。
AERAでは沖縄に米軍基地が集中するのは差別であり
それを意識していないのは問題だという主張を展開しているが
論理としては尤もであるがそう主張するのは氏以外にも多数おり、
かつその同じ論理で氏の対ウクライナの言説も差別として指弾されよう。
自説に適合するかどうかで論理を使い分けるのは筋が通らない話である。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、個人的にはサブ特集の「岐路に立つNHK」に期待している。
▽ 特集「保険vs新NISA」はランキング多数掲載のようだ
![]() | 『週刊ダイヤモンド』2024年4/27・5/4合併特大号 (保険 VS 新NISA) |
▽ バブルも崩壊かと思わせる東洋経済特集、不動産や暗号資産にも触れるらしい
![]() | 『週刊東洋経済 2024年4/27・5/4合併号』 (1億円を目指す資産運用大全) |
▽ 質は最も高いと思われるエコノミスト、「コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平」がまさに的確
![]() | 『週刊エコノミスト 2024年4/30・5/7合併号【特集:崖っぷち中国】』 |
中国人投資家は日本への関心を高めているとか。これも東証バブルの一因である。