みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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カゴメ・カルビー・ロート製薬が震災遺児に教育支援40億円を目指す - その他イケアなどの社会貢献活動

2011-09-23 | CSR(企業の社会的責任)関連
連休にはいい話を、ということで。
企業のCSR関連の報道のまとめ。

Facebook創業者マーク・ザッカーバーグは、現代は企業が
正しい行いをしなければならない時代なのだと認識している。
彼はフィランソロピーに強い関心を抱いていることでも知られる。

ライブドアの堀江元社長がメディア旧勢力に目的不明な挑発を行い
M&Aという保守的な道具を振り回して軋轢を増やしている間に、
フェイスブックはひたすらユーザーの利便と関心に集中し、
何億人ものソーシャル・プラットフォームとなったのだ。

両者間に到底追いつけない差がつくのは当然ではないだろうか。

▽ 日米の起業家の圧倒的な力量差が分かる本

『フェイスブック 若き天才の野望』


ザッカーバーグほどの巨額ではなくとも
勿論のこと日本でも注目すべき動きはある。


震災遺児の進学費用給付=高校生対象、カゴメなど3社が基金(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011092100611

”カゴメ、カルビー、ロート製薬は21日、東日本大震災で親を亡くした高校生の
 進学を支援する「みちのく未来基金」を10月をめどに設立すると発表した。
 大学などの入学金や授業料を年300万円を上限に全額給付する。返済は不要。
 生活のための資金は支援しないが、他の奨学金との併用受給は認める。25年間
 で40億円の支援を目指す。

 給付対象は2012年3月以降に高校を卒業し、大学、短期大学、専門学校など
 への進学が決まっている震災遺児。初年度は50人程度の利用を見込んでいるが、
 上限は設けない。既に大学などに在籍している遺児についても給付対象とするか
 検討する。
 基金には3社が毎年3000万円ずつ拠出し、寄付も募る。不足分があれば拠出
 額を増やす。発表の記者会見で、カゴメの喜岡浩二会長は「遺児の進学の夢がか
 ない、東北の復興の一助になればと思っている」と語った。”

 → この基金は今年最大のヒットだろう。
   コマツが被災地の高専の生徒を支援することを決めているが
   それはどちらかと言えば人材獲得戦略に近い。

   こちらの3社は一般個人を顧客としていることもあり
   規模も金額も支援範囲もより大きい。
   被災地の人々は決してこの支援を忘れないだろう。
   何時間CMを流してもこれほどのインパクトは与えられない。

▽ もはやCSRは経営戦略と一体化している

『LOVE ME COMPANY! 愛される会社の条件―新しいCSRの考え方―バイ・ミー!からラブ・ミー!へ』


欧州セレブ「我々に課税を」庶民の矛先避ける?(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110918-OYT1T00420.htm

”【パリ=三井美奈】財政赤字が深刻化する欧州各国で、大企業トップや富豪が相次
 いで「我々にもっと課税を」と訴えている。
 緊縮財政が続く中、庶民の不満の矛先が自分たちに向くのを避ける狙いがありそう
 だ。
 フランスでは8月下旬、「国内で最も裕福な女性」と呼ばれる化粧品会社ロレアル
 の大株主リリアーヌ・ベタンクールさんや石油大手トタルのクリストフ・ドマルジ
 ュリ最高経営責任者(CEO)ら16人が「国の将来が財政赤字に脅かされている
 今、我々は貢献の用意がある」という書簡を連名で雑誌に発表
。続いて、イタリア
 を代表する「セレブ」で高級車フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモロ会長が地元
 紙で「中産階級への(増税)要求はけしからぬ。まず金持ちに求めよ」と訴えた。
 ドイツでは「課税を求める富裕層」というグループが、資産家への新たな課税を求
 めている。”

 → 「庶民の矛先を避けるため」というせこい見方が
   日本の大手紙のひとつの限界を示している。

   欧州経済が深刻な停滞に陥れば企業収益に大打撃が与えられる。
   企業経営層の立場で言えば、少々税が重くなっても
   経済成長軌道に復帰できればよいとの賢明な判断に過ぎない。


現代自動車会長、私財355億円寄付 背景に物価高騰(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0829/TKY201108290520.html

”韓国の現代自動車グループは28日、鄭夢九(チョン・モング)グループ会長が、
 低所得家庭の子どもの教育のために、私財5千億ウォン(約355億円)を寄付す
 ると発表した。鄭会長が所有する系列会社の株を財団に寄付する。5千億ウォンは
 個人の寄付としては韓国で史上最高額という。

 鄭会長は、一代で財閥、現代グループを築いた故・鄭周永(チョン・ジュヨン)氏
 の次男。6男の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏が筆頭株主を務める現代重工業な
 どが16日、5千億ウォン規模の社会福祉財団創設を発表したばかり。現代が社会
 貢献に1兆ウォンあてる決定を半月のうちに下したと話題になっている。
 韓国では通貨ウォン安を背景に輸出産業が好調な半面、物価は高騰し、庶民を直撃。
 政権や与党の不人気につながっており、業績好調な企業に利潤の還元を求める政権
 と経済界との関係もぎくしゃくしている。
韓国メディアは、鄭会長の寄付などが他
 の大企業の社会貢献を促す可能性を指摘する。(ソウル=箱田哲也)”

 → フィランソロピーでも韓国企業が一人前になりつつある。
   韓国は日本よりも労働者間の格差が大きく
   通貨危機以降に企業規模が大きくなったため、
   成功した経営層の社会的責任が重くなっているのだ。


家具大手イケア、48億円寄付 ソマリア難民支援(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/0831/TKY201108310116.html

”国連は30日、スウェーデンの家具大手「IKEA(イケア)」が、飢饉(ききん)
 に苦しむソマリア難民支援に6200万ドル(48億円)を寄付すると発表した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、民間企業の1回の難民支援向
 け寄付としては、過去最高額。

 イケアが出資するイケア財団が国連に寄付する。今後3年間かけ、ケニアにあり、
 ソマリア難民ら40万人超が暮らす世界最大のダダブ難民キャンプの支援にあてる
 方針。国連はソマリア飢饉に対する国際緊急支援の必要額を24億ドル(1840
 億円)としているが、約6割しか集まっていない。(前川浩之)”

 → 金額で言えばこの数字が凄い。
   ソマリアは強奪や横流しで支援効率が著しく悪い。
   イケアとしてはそれを覚悟の寄付だろう。


被災地応援ファンド:個人が出資、1口1万円…中小企業に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110915k0000m020164000c.html

”東日本大震災の復興に向け、個人投資家から資金を募って被災した中小・零細企業
 に直接出資する復興支援が広がっている。1口1万円と手軽に参加でき、投資金額
 のうち半分は事業主に寄付される。市中銀行が融資に二の足を踏まざるを得ない中、
 個人の判断で被災企業を救済できる新たな資金の流れと言えそうだ。

 ファンドの名称は「被災地応援ファンド」で、プロデビュー前の音楽家を支援する
 「ミュージックセキュリティーズ」(東京都千代田区)が運営。もとはミュージシ
 ャンのCD発売などを後押しするためファンから資金を広く集めるファンドを手が
 けていたが、大震災後、同じ手法を被災企業向けにも使えると考えた。
 ファンドは資金が必要な被災企業ごとに設定。募集金額や資金使途、再建計画など
 をミュージック社のホームページに掲載し、資金を募る。1口1万円のうち半額は
 企業に寄付され、残りが出資金に回る仕組み。企業は年間売上高の1~6%程度を
 ファンドに配当として回し、7~10年かけ出資金の完済を目指す。

 復興支援ファンドの中には、手数料の一部を義援金に回すものもあるが、被災企業
 の事業再建に向け個人が直接出資するケースは珍しい。投資から得られるリターン
 の期待は薄い
が、企業から取扱商品が贈られる特典もある。
 三陸地方の水産加工業や酒造業など食品関連が大半で、12ファンドが設立。合計
 募集額4億2510万円に対して14日現在で計約3億円が集まり、7ファンドで
 募集枠がいっぱいとなった。新たに5ファンドの設立準備が進む。
 4月下旬に募集を始めた宮城県南三陸町の水産加工「ヤマウチ」は今月上旬に募集
 枠(5000万円)の上限に達した。出資金は、津波で流された焼き魚製造工場の
 設備資金に充てる。山内正文社長(63)は「新たな資金調達の道がつき、ありが
 たい。出資者とつながりができることは心の支えになる」と話す。
 自治体の復興計画策定で今後、被災地では資金需要が膨らむが、「既存債務に加え
 震災前と同じ水準の売り上げを確保できるかという問題もあり、銀行が安易に融資
 に応じることは難しい」
(東北地方の地銀)のが実情。被災地からは既存の金融機
 関だけでなく、草の根レベルでの金融支援への期待も高まっている。【大久保渉】”

最後に取材が丁寧な毎日新聞の良質記事。
個人でもできることは色々あるということ。

気になるのは「リターンの期待は薄い」というところで、
リターンを出そうとして努力し成長するのだから
安易に妥協するのは長期的には被災地のためにならないだろう。

貸し倒れを減らすには日本経済全体の成長も欠かせない。
…それは政策と個々の企業、我々個人の力量にもかかっている。

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