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個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

電力会社の原子力マネー、経団連企業に約2兆円流入 - 送電網売却にも脱原発にも反対する明確な理由

2011-09-05 | いとすぎから見るこの社会-全般
経済界の脱原発に対する意見は実際には割れている。
声の大きい企業が騒いでいるから反対に見えるだけだ。

原発マネーを貰っている企業が必死に電力会社を擁護するのは
滑稽だというだけでなく、公益を損なう可能性すらある。

柏崎の時点で既に、原発の電力供給リスクが高いのは明らかだった。
真面目にリスク分散してガスや木質バイオマスのコージェネ、
風力や太陽光発電を伸ばしておかなかったから今日のような醜態を晒すのだ。

省エネ・再生可能エネルギー分野が伸びるなら
経済界は雪崩をうって脱原発に賛成するだろう。
企業というものは本来、そうしたものだ。

大手メディアは、経団連企業のコメントを報じる際に、
電力会社とどれだけの取引があるか
正確な額を言わせる必要があると考える。

どこの企業とは言わないがカネのために雁首揃えて
「送電網売却反対」「電力自由化反対」「原発維持」
を叫ぶのは目に余る。

まるで経済界の一部が共産党一党独裁体制のようだ!


▽ 原子力ムラは昔からカネまみれ

『原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて』(飯田哲也/宮台真司)


▽ 官庁と電力会社の「不適切な関係」

『週刊ダイヤモンド』2011年 8/27号


米倉経団連会長の「高飛車」語録 「首から上の質違う」「国破れてソーラーあり」…(j-cast)
http://www.j-cast.com/2011/09/04106162.html

”「財界の総理」ともいわれる、日本経済団体連合会の米倉弘昌会長(住友化学会長)
 の「高飛車」「上から目線」発言が続いている。
 野田佳彦・新代表が決定した2011年8月29日には記者団に菅直人前代表との違いを
 質問され、「要するに首から上の質が違う」と言い放った。菅前首相は頭が悪い、
 バカといわんばかりだ。拍手喝采する向きもあるが、いくらなんでも、という声も
 ある。
 〔中略〕
 米倉会長は、菅前首相就任当初も政策対話を進めようとしていた。それがほころび
 始めたのが2月。環太平洋戦力的経済連携協定(TPP)推進に政府が腰砕けになっ
 たからだ。TPPが進展しないことへの苛立ちがあってか、3月初めには与野党議員に
 対して「給与泥棒のようだ」との発言が飛び出した。
 両者の亀裂が決定的になったのが東日本大震災への対応だ。米倉会長は、震災後3
 か月経っても成立しない復興基本法に「なんと悠長なことをやっているのか」と嘆
 き、政府の原発対応をめぐっては政権批判をくり返した。政府の新成長戦略実現会
 議も欠席し続けている。
 その言動は痛烈だ。たとえば、4月の東京電力・福島原発事故の賠償問題への対応
 では、「間違った陣頭指揮は混乱を起こすもとだ。(大型連休中の菅首相の外国訪
 問について)そういう(誤った指揮を執る)人は(外国に)行っていただいてかま
 わない」と、まるで邪魔者扱いだ。
  東電擁護では猛反発も
 歯に衣着せないというか、なりふり構わぬ「米倉語録」は枚挙に暇がない。東日本
 大震災直後には、「日本の原発は1000年に1度の大津波によく耐えた。日本の原子
 力政策は胸を張っていい」、「東電の技術力の高さ、モラルの高さは世界最高」
 どと発言。これらが、「反原発」「脱原発」支持者から猛反発を受けた。
 菅前首相の再生可能エネルギー政策をめぐっては、「このままでは『国破れてソー
 ラーあり』になりかねない」と揶揄した。
 こうした、あまりの原発擁護姿勢に、さまざまな憶測も飛び出す。2011年8月7日
 付のしんぶん赤旗(日曜版)が「原発マネーに群がる面々」で、こう報じている。
 電力会社の原発関係支出、いわゆる原発マネーは約2兆1353億円(2009年度)。
 これを受け取っている企業はどれも経団連の中枢企業で、たとえば三菱重工や日立
 製作所、東芝などの原子炉メーカーへは6300億円が、新日鉄などの鉄鋼には3200
 億円が流れている。米倉会長の住友化学も核燃料の再処理にかかわっていて、化学
 業界全体で約5億4500万円が渡っている。

 だから原発擁護にならざるをえない、という論理だ。”

 → 最近かなり鋭くなっているj-castの報道。
   こともあろうに経団連がしんぶん赤旗から
   痛恨の一撃を食らっています。(自業自得ですが)

   ……尚、あるフランスの原子力専門家は、
   「日本の原子力技術は二流、人は三流」と言っているのですが。

▽ 原子力関連の膨大なカネの威力(メディアも今まで黙っていた)

『週刊ダイヤモンド』2011年 5/21号


経団連、民間版の成長戦略を今秋にも策定へ(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22334220110722

”日本経団連は21日から長野県軽井沢町で開催していた夏季フォーラムの全日程を
 終え、期間中に議論した内容を「アピール2011」として取りまとめた。
 同日会見した米倉弘昌会長(住友化学会長)は「政府は復興への取り組みが非常に
 遅い。われわれと同じような緊迫感をもって取り組んでもらいたい」と注文をつけ
 るとともに、エネルギー・環境技術の開発、農林水産業の強化、未来都市プロジェ
 クトの推進などを柱とする民間版の成長戦略を「今秋にも策定していく」と語った。
 「アピール2011」では、震災からの早期復興に向け「復興庁」や「復興特区制
 度」の導入を政府に要請。また、原子力発電に対する信頼を回復させ、中長期的視
 野に立ったエネルギーのベストミックスを模索する
ことや、TPP(環太平洋連携
 協定)への交渉に早期に参加することなどを盛り込んだ。
 原発への信頼回復については、「福島原発の事故の徹底的な原因究明と安全基準の
 見直しなどを通じて、二度と事故の起こらない対策をとることによって国民の信頼
 は回復できると思う」
と語った。「時間はかかると思うが、これからの経済の成長
 を考えたときに、そういった努力は避けて通れない」と述べた。”

電力会社を擁護したい強い思いが裏に透けて見えるようだ。
再生可能エネルギー投資で大きく欧米に出遅れている日本の大企業に
ベストミックスを判断する能力などあるのだろうか。

原子力発電に対する信頼など、永遠に戻らないし、
「二度と事故の起こらない体制」など現実にあり得ない。
これはまるで太平洋戦争時の軍部のような甘い見通しである。
(次は新興国で深刻な原発事故が起きるだろう)

省エネルギーと低コストの再生可能エネルギーへの
賢明なシフトなしには今の日本に経済成長はあり得ない。

デンマークやスウェーデンの現実を見れば明らかだが、
目先のカネに目が眩んでいる者には事実は見えないのだ。
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