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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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先人の知恵と工夫に感銘を…松前~福島~知内~函館~北斗市

2008年10月06日 22時03分59秒 | Weblog
今日は来社された網走のファース工務店社長、山内政光さんを伴って10年ぶりに松前城(築城当時は福山城と言った)に行ってきました。写真は江戸時代に建築された大手門の前で山内社長と撮ったものですが、大きな石を寸分の狂いもなく切り込んで積んでいます。
この作業は、現在のように石を切る機械など全く存在しない時代の作品です。鏨(タガネ)とハンマーを使って石を切り、綱と滑車と丸太を使って積み上げたのです。

石積みに限らず、丸太を手ノコで角材、板材に引き、木材として使用した事を考えれば、先人達の根気、耐力、知恵、工夫の凄さに感銘を覚えるのです。
現在の住宅業界では、海外輸入木材、集成木材などが主流となり、無垢の木材が使用される割合が少なくなりました。何とも情けなく嘆かわしい事に思えてなりません。

木の無垢材は、収縮性があるため、無機質な新建材と組み合わせると、合わせ目に隙間などが発生してクレームとなり、ハウスメーカーや施工工務店側が使用しなくなったからです。
しかし、日本の木造建築物は、木材の狂いを上手に生かして、継ぎ手を絡め、剛性を増すように工夫され建築されておりました。

打ち込んだ釘も、木材の微量な水分で酸化し、木材の中で膨らんで抜けなくなり、引き抜き強度を増す事になります。
無垢の木材は、自然乾燥で28%くらい、人口乾燥で約15%くらいに含水量を下げますが、通常で推移すると8%まで乾燥して当然ながら収縮してしまいます。

集成木材は細かい木材を接着剤で固め収縮がなく、まさに新建材の一種と言えるでしょう。
その中でも間伐材の地場産材を上手に接着した集成材が注目を浴びています。
同じ、集成材を使用するなら国産の地場産材を採用する事で、地場経済の活性化、運送CO2軽減、自然林保護などにも貢献出来るような使用法を考慮すべきでしょう。

無垢の木材で造った和室の柱や鴨居、敷居、長押などにも多少なりとも隙間が憑物ですが、この隙間が季節ごと、年ごとに微かに表情を変えて無垢材が生き物である事を感じますが、それも無垢木材で家をつくる醍醐味なのです。木造住宅に住む価値観を見直して見ても良さそうです。

今日は道東、網走の山内さんと松前城の視察に行く機会に恵まれました。
写真に写った石積みだけでなく、大手門に掛かる屋根の大梁などにも、匠の技を生かした先人達の苦労の後を伺う事が出来ました。
山内社長とともに、吾日本の伝統的な匠の技を伝承する必要性を強く再認識した一日でした。

ついでに北海道最南端の松前郡福島町の白神岬と行きましたが、本州北端の竜飛半島が、直ぐ目の前に見える岬です。
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