……チグハグな犯行の痕跡……
一刻も早く現場から逃げたいはずの犯人が
何故、衣服を奪ったか?
何故、フロートカプセルの中に遺体を隠したか?
何故、わざわざ髭を剃ったのか?
事件のポイント
・死亡推定時刻は金曜日午後11時~深夜2時
・鈍器で頭部を滅多打ち
・リビングで殺害された後、フロートカプセルに入れられた
・髭を剃られていた
・下着だけ残され、その他の衣服や靴もなし(自宅なのに?)
・金品が奪われた形跡なく、社長・秀一に深い恨みを持つ犯人と思われる
・弟の堂条秀二と吉住則夫、秘書の鷺尾優子、デザイナーの長池伸介、皆、アリバイはない
吉住の告白
・社長にデザインのことで叱責され、フロートカプセルに入り、出てくると、自分の衣服が血だらけになっており、リビングに社長が殺害されていた。
・疑われると思い、社長の衣服を脱がせそれを着て、自分が来た痕跡(指紋など)を消した。フロートカプセルに社長を入れたのは、自分が入った痕跡を消すため。
鍋島刑事「俄かには信じ難い」
小野刑事「いい加減な言い逃れにしか聞こえない」
しかし、吉住の言葉は、冒頭のチグハグさの謎のうちの2つに説明がつく
凶器の発見
・現場から500mの地点で、凶器と2足の靴が発見された
・その凶器は、社員旅行(鳥羽)で長池が買った女神像と同種のものだった。
長池への聴取
・女神像は長池が所持しており、凶器の女神像は別のモノだった(瞳の部分の真珠の形が違う、後に女神像は2作しか作られていないことが判明)
・吉住の小細工だと主張し、吉住には芸術センスがなく、今回もデザインをベースの色からやり直すことになったとぼやく
今週の大家・時絵のヒントタイム
「ふたりともいつもと全然違いますやん。
いつもの挨拶がない、いつもの返事がない、いつもの反応がない
ずっと一緒に居てたら、そんなん、すぐ気づきます。
「いつもないもんがあるんと同じぐらい、いつもあるもんがないのも違うて見えるんです」
ぴ~ん!ぱ~ぱらぱ~♪…これまでの映像や台詞がフラッシュバック……
………「この犯罪は美しくない」
「時絵さん、ありがとう」
火村、時絵をがっしりとハグ。
「わお~」
「いつもないこともありました」
推理のピースがすべて揃った
女神像が凶器に使用された
↓
女神像を購入した者が犯人
↓
購入時に変装 ← 社長の髭が剃られていた(実は、自ら剃った)
↓
≪秀一の計画≫
社長が自宅で長池を殺害し、後に長池家に遺体を運び、長池家にあった女神像を回収すれば、犯行現場は長池家ということになる。アリバイ証言に利用するため吉住を呼んだ。
社長のターゲットは長池(吉住がデザインのダメ出しを知っていた)
≪秀一、返り討ちに遭う≫
長池が逆襲し、社長を殺害。何度も殴打していたので殺意は否定できない
逃げる時間を稼ぐため、吉住の服を汚し、凶器と靴を持ち去り処分。社長の付け髭はもみ合ううちに服に付き、処分。
「楽しいですか?あなたの推理で、彼と私の人生は大きく変わってしまった。
いつもそんなことして、楽しいですか?」(優子)
「こうするしかないんです」(火村)
「悲しい生き方ですね」(優子)
悲しみの淵に沈む優子を、懸命に救い上げようとする有栖川に
「有栖川さんは優しい人ですね」
このシーンは疑問。
鷺尾有栖川の切ない恋を重ねていて、それの着地点となっていたが、優子が火村をなじるのは逆恨み近い(推理ショーみたいなことをした火村にも原因があるが)。
火村と有栖川の対比という意味もあるが、今回の殺人は、社長の嫉妬心と長池の優子への思いの強さが招いた悲劇で、過去3話とは異常性は低い。そのため、火村が「悲しい生き方ですね」となじられるシーンが欲しかったのかもしれない。
火村と有栖川にとっての繭
高校時代の苦い恋の想い出が、有栖川が小説の世界に没頭するきっかけになった……小説が有栖川を守ってくれる繭となった。
「おまえにもそんな繭、あるか?」(有栖川)
「ある。学問にかこつけて、人を狩ることだ」(←「こうするしかないんです」「悲しい生き方ですね」)
今週の火村&有栖川漫才
【その1】
「あのカナリヤ、どうした?」
「ああ、とっくに返したでぇ。ほんで、返すときなぁ、お隣さんがもみじまんじゅ…」
「分かった!少し黙ってくれ。
すべてがチグハグだ…………
……何か言いたそうだな……黙ってないで、何か言ってみたらどうだ。
いつものように、デタラメに思ったことを」
「言う気なくすわ」
「早く言え!」
「遺産が目的なら、犯人は弟の秀二か吉住。ただ、俺は吉住はウソついてへんと思う。
そして、小町(小野刑事)さんが言っていたことが本当なら……鷺尾さんもいる。
社長とデザイナー・長池の諍い。ただ、仮にそうやったとしても、鷺尾さんは全く悪くな…」
「分かった!少し黙ってくれ」
「“おまえが言え”言うたんやろぉ」
【その2】
翌朝、火村が準備した朝食を見つめ
「まるで新婚家庭の朝食やないか」(有栖川)
「俺も新妻になったような気がしている」(火村)
グッと顔を近づけ、見つめ合う
「なんだ?あんまり見つめるな。新婚ごっこはお終いだ」(火村)
「あほか」
「冷める前に食え」
「知っとるかぁ……俺なあ……」≪暗転≫
今週のどうでもいい感想
不憫な岩城滉一
ふざけた髭を付けさせられて、マザコンで、嫉妬心に駆られて殺害計画を立て、返り討ちに遭い、頭を滅多打ちに殴られ、裸にされて変な浴槽に入れられてしまう……
不憫その2・難波検事
毎回、シャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈恵を賺し脅すが、ほとんど無視。
今回は頭突きを食らい「あふぅ~」と悲鳴
不憫その3・女神像
あまり魅力を感じない女神像だった。
2体しか作られず、ようやく売れたと思ったら、凶器に使用されてしまった。
【ストーリー】番組サイトより
火村(斎藤工)とアリス(窪田正孝)は、宝石商の堂条秀一がレストランで女性と一緒にいるところを見かける。 画家のダリを思わせる個性的なヒゲを生やす秀一は、テレビ等に出演して名の知られる存在だった。連れの女性を見た火村は、彼女がアリスの理想のタイプに違いないと言い出す。火村に胸の内を言い当てられて動揺するアリス。確かにアリスは、その女性に自分の思い出を重ねていた。
数日後、秀一が殺害される。火村とアリスは、事件現場である秀一の自宅へ向かった。遺体の第一発見者は秀一の弟・堂条秀二と、秀一の秘書・鷺尾優子。優子は、火村とアリスがレストランで見た、秀一の連れの女性だった。
秀一の遺体は、彼が“繭”と呼んで愛用するフロートカプセルの中に入れられていた。そのカプセルには特殊な液体が満たされ、秀一はしばしば中に入ってリラックスしていたという。金品が盗まれた形跡はなく、犯人は秀一に強い恨みを持つ人間か知人とみられた。火村は、秀一の遺体が裸にされてヒゲを剃られた状態だったことに違和感を覚える。
火村は、秀一が優子に特別な感情を抱いていたのではないかと推測。しかし優子は、秀一とは仕事上の関係しかなかったと主張する。彼女は、宝飾デザイナー・長池伸介との関係も噂になっていた。
秀一には秀二の他に、吉住則夫という弟がいた。吉住は、火村とアリスの大学時代の同級生で、アリスの友人でもあった。吉住にも容疑がかかるが、吉住は無実を訴える。火村は吉住に「本当に何もやっていないのなら、すべてを話した方がいい」と告げる。
事件を追う一方、優子のことが気にかかるアリス。火村の差し金で優子と二人きりになったアリスは、今まで誰にも話していなかった自分の過去を語るのだった。
そんな中、アリスは、吉住に呼び出される。火村とともに吉住のもとへ駆け付けたアリスは、秀一の血が付いた服を見せられる。決定的な証拠が見つかり、吉住が犯人と思われたが…。
原作:「ダリの繭(KADOKAWA)1993年」
脚本:佐藤友治
演出:浅見真史
一刻も早く現場から逃げたいはずの犯人が
何故、衣服を奪ったか?
何故、フロートカプセルの中に遺体を隠したか?
何故、わざわざ髭を剃ったのか?
事件のポイント
・死亡推定時刻は金曜日午後11時~深夜2時
・鈍器で頭部を滅多打ち
・リビングで殺害された後、フロートカプセルに入れられた
・髭を剃られていた
・下着だけ残され、その他の衣服や靴もなし(自宅なのに?)
・金品が奪われた形跡なく、社長・秀一に深い恨みを持つ犯人と思われる
・弟の堂条秀二と吉住則夫、秘書の鷺尾優子、デザイナーの長池伸介、皆、アリバイはない
吉住の告白
・社長にデザインのことで叱責され、フロートカプセルに入り、出てくると、自分の衣服が血だらけになっており、リビングに社長が殺害されていた。
・疑われると思い、社長の衣服を脱がせそれを着て、自分が来た痕跡(指紋など)を消した。フロートカプセルに社長を入れたのは、自分が入った痕跡を消すため。
鍋島刑事「俄かには信じ難い」
小野刑事「いい加減な言い逃れにしか聞こえない」
しかし、吉住の言葉は、冒頭のチグハグさの謎のうちの2つに説明がつく
凶器の発見
・現場から500mの地点で、凶器と2足の靴が発見された
・その凶器は、社員旅行(鳥羽)で長池が買った女神像と同種のものだった。
長池への聴取
・女神像は長池が所持しており、凶器の女神像は別のモノだった(瞳の部分の真珠の形が違う、後に女神像は2作しか作られていないことが判明)
・吉住の小細工だと主張し、吉住には芸術センスがなく、今回もデザインをベースの色からやり直すことになったとぼやく
今週の大家・時絵のヒントタイム
「ふたりともいつもと全然違いますやん。
いつもの挨拶がない、いつもの返事がない、いつもの反応がない
ずっと一緒に居てたら、そんなん、すぐ気づきます。
「いつもないもんがあるんと同じぐらい、いつもあるもんがないのも違うて見えるんです」
ぴ~ん!ぱ~ぱらぱ~♪…これまでの映像や台詞がフラッシュバック……
………「この犯罪は美しくない」
「時絵さん、ありがとう」
火村、時絵をがっしりとハグ。
「わお~」
「いつもないこともありました」
推理のピースがすべて揃った
女神像が凶器に使用された
↓
女神像を購入した者が犯人
↓
購入時に変装 ← 社長の髭が剃られていた(実は、自ら剃った)
↓
≪秀一の計画≫
社長が自宅で長池を殺害し、後に長池家に遺体を運び、長池家にあった女神像を回収すれば、犯行現場は長池家ということになる。アリバイ証言に利用するため吉住を呼んだ。
社長のターゲットは長池(吉住がデザインのダメ出しを知っていた)
≪秀一、返り討ちに遭う≫
長池が逆襲し、社長を殺害。何度も殴打していたので殺意は否定できない
逃げる時間を稼ぐため、吉住の服を汚し、凶器と靴を持ち去り処分。社長の付け髭はもみ合ううちに服に付き、処分。
「楽しいですか?あなたの推理で、彼と私の人生は大きく変わってしまった。
いつもそんなことして、楽しいですか?」(優子)
「こうするしかないんです」(火村)
「悲しい生き方ですね」(優子)
悲しみの淵に沈む優子を、懸命に救い上げようとする有栖川に
「有栖川さんは優しい人ですね」
このシーンは疑問。
鷺尾有栖川の切ない恋を重ねていて、それの着地点となっていたが、優子が火村をなじるのは逆恨み近い(推理ショーみたいなことをした火村にも原因があるが)。
火村と有栖川の対比という意味もあるが、今回の殺人は、社長の嫉妬心と長池の優子への思いの強さが招いた悲劇で、過去3話とは異常性は低い。そのため、火村が「悲しい生き方ですね」となじられるシーンが欲しかったのかもしれない。
火村と有栖川にとっての繭
高校時代の苦い恋の想い出が、有栖川が小説の世界に没頭するきっかけになった……小説が有栖川を守ってくれる繭となった。
「おまえにもそんな繭、あるか?」(有栖川)
「ある。学問にかこつけて、人を狩ることだ」(←「こうするしかないんです」「悲しい生き方ですね」)
今週の火村&有栖川漫才
【その1】
「あのカナリヤ、どうした?」
「ああ、とっくに返したでぇ。ほんで、返すときなぁ、お隣さんがもみじまんじゅ…」
「分かった!少し黙ってくれ。
すべてがチグハグだ…………
……何か言いたそうだな……黙ってないで、何か言ってみたらどうだ。
いつものように、デタラメに思ったことを」
「言う気なくすわ」
「早く言え!」
「遺産が目的なら、犯人は弟の秀二か吉住。ただ、俺は吉住はウソついてへんと思う。
そして、小町(小野刑事)さんが言っていたことが本当なら……鷺尾さんもいる。
社長とデザイナー・長池の諍い。ただ、仮にそうやったとしても、鷺尾さんは全く悪くな…」
「分かった!少し黙ってくれ」
「“おまえが言え”言うたんやろぉ」
【その2】
翌朝、火村が準備した朝食を見つめ
「まるで新婚家庭の朝食やないか」(有栖川)
「俺も新妻になったような気がしている」(火村)
グッと顔を近づけ、見つめ合う
「なんだ?あんまり見つめるな。新婚ごっこはお終いだ」(火村)
「あほか」
「冷める前に食え」
「知っとるかぁ……俺なあ……」≪暗転≫
今週のどうでもいい感想
不憫な岩城滉一
ふざけた髭を付けさせられて、マザコンで、嫉妬心に駆られて殺害計画を立て、返り討ちに遭い、頭を滅多打ちに殴られ、裸にされて変な浴槽に入れられてしまう……
不憫その2・難波検事
毎回、シャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈恵を賺し脅すが、ほとんど無視。
今回は頭突きを食らい「あふぅ~」と悲鳴
不憫その3・女神像
あまり魅力を感じない女神像だった。
2体しか作られず、ようやく売れたと思ったら、凶器に使用されてしまった。
【ストーリー】番組サイトより
火村(斎藤工)とアリス(窪田正孝)は、宝石商の堂条秀一がレストランで女性と一緒にいるところを見かける。 画家のダリを思わせる個性的なヒゲを生やす秀一は、テレビ等に出演して名の知られる存在だった。連れの女性を見た火村は、彼女がアリスの理想のタイプに違いないと言い出す。火村に胸の内を言い当てられて動揺するアリス。確かにアリスは、その女性に自分の思い出を重ねていた。
数日後、秀一が殺害される。火村とアリスは、事件現場である秀一の自宅へ向かった。遺体の第一発見者は秀一の弟・堂条秀二と、秀一の秘書・鷺尾優子。優子は、火村とアリスがレストランで見た、秀一の連れの女性だった。
秀一の遺体は、彼が“繭”と呼んで愛用するフロートカプセルの中に入れられていた。そのカプセルには特殊な液体が満たされ、秀一はしばしば中に入ってリラックスしていたという。金品が盗まれた形跡はなく、犯人は秀一に強い恨みを持つ人間か知人とみられた。火村は、秀一の遺体が裸にされてヒゲを剃られた状態だったことに違和感を覚える。
火村は、秀一が優子に特別な感情を抱いていたのではないかと推測。しかし優子は、秀一とは仕事上の関係しかなかったと主張する。彼女は、宝飾デザイナー・長池伸介との関係も噂になっていた。
秀一には秀二の他に、吉住則夫という弟がいた。吉住は、火村とアリスの大学時代の同級生で、アリスの友人でもあった。吉住にも容疑がかかるが、吉住は無実を訴える。火村は吉住に「本当に何もやっていないのなら、すべてを話した方がいい」と告げる。
事件を追う一方、優子のことが気にかかるアリス。火村の差し金で優子と二人きりになったアリスは、今まで誰にも話していなかった自分の過去を語るのだった。
そんな中、アリスは、吉住に呼び出される。火村とともに吉住のもとへ駆け付けたアリスは、秀一の血が付いた服を見せられる。決定的な証拠が見つかり、吉住が犯人と思われたが…。
原作:「ダリの繭(KADOKAWA)1993年」
脚本:佐藤友治
演出:浅見真史
どうでもいい感想も面白ーい♪
女神像の
>ようやく売れたと思ったら、凶器に使用されてしまった。
確かに!!
不憫です(笑)
推理ドラマとしても楽しめますが、火村と有栖川のコンビや時絵さんが面白いです。
ただ、シャングリラ十字軍や謎の少年、夕焼け恐怖症の場面はマイナスです。
「どうでもいい感想」、喜んでいただけて、うれしいです。