英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

5手詰【道草編3】 合駒Xはお前だ!

2009-10-16 23:08:12 | 詰将棋


 ▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
 というのが、現在のテーマです。前回は桂合いまで検証し、今のところ最有力容疑者は歩です。
 その手順は、△2三歩に▲2二歩△1一玉▲1二歩△同玉▲2三香成(▲2三とでもよい)△1一玉▲2一歩成△同玉▲2二成香(▲2二と)で詰み、歩は2枚必要でした。

 さて、銀合ですが、途中まで歩合と同様に進みます。
 そこで、歩合図4をご覧ください。(△2三歩に▲2二歩△1一玉▲1二歩となった局面です)



 2三の駒が歩なので△1二同玉と取る一手ですが、初手の合駒が銀だと△1二銀不成と取ることができます。
 初手からの手順は、△2三銀▲2二歩△1一玉▲1二歩△同銀(銀合図1)。



 1二の歩を銀で取られて、玉を引っ張り出すのに失敗した銀合図1。
 ここから継続する手段は▲2一歩成しかありません。この時、1二の駒が金だったら▲2一歩成までの詰みですが、銀なのでしぶとく2一に利いています。
 それでも、王手は▲2一歩成しかないので(持ち駒は歩しか認められません)、とにかく成ってみます。
 それに対しては△2一同銀(銀合図2)の一手。



 ここで目に付くのは、▲2一香成△同玉▲2二銀(銀合図3)ですが、



 しかし、△1二玉と逃げられ、▲1三歩(銀合図4)が打ち歩詰めとなってしまい失敗です。



 もう一度、銀合図2に戻りましょう。



 銀の特性によって、しぶとくしのがれてきたのですが、逆に銀の弱点を突く手があるのです。


 それが、▲1二歩(銀合図5)です。



 これに対し、△1二同銀ですと2二の地点に銀が利かなくなるので、▲2二香成(銀合図6)で詰みます(▲2二とでもよい)。


(「杏」は成香)

 そこで、銀合図5の▲1二歩には△1二同玉と取ります。これに対して▲2三香成△1一玉(銀合図7)と玉を追い詰めます。


(「杏」は成香)

 そこで再度、▲1二歩と銀の弱点を突きます。今度は成香が利いていますから、玉では取れず、△1二同銀とするしかありません。
 そしてついに、▲2二と(銀合図8)で詰みです(▲2二成香でもよい)



 歩は最初に2二に打った歩と、1二に叩いたのが3回ありましたので、計4枚使いました。
 これで、銀が最有力の容疑者となりました。

 さて、残る容疑者は角。(ごめんなさい。飛車と金は省略させてください)
 角も、銀と同様に斜め後ろに利く駒です。

 初図(合駒X図)より、△2三角▲2二歩△1一玉▲1二歩(角合図1)と進みます。



 これに対し、銀と同じように△1二同角と取ると、やはり銀合のときと同様の攻めで▲2一歩成△同角(角合図2)



となった時、角の頭が丸い(前に利かない)ので、▲2二とで詰んでしまいます(2二香成でもよい)。

 また、角合図1に戻って、



 角でなく、△1二玉と玉で取ると、▲2三香成(▲2三とでもよい)△1一玉▲2一歩成(角合図3)


(「杏」は成香です)

 △同玉▲2二とで詰みます(▲2二成香でもよい)。
 角合図1で同角と取った時より2手延命できますが、攻め方(詰め方)の持ち駒に角が余ります。

 角合の場合も歩は2枚しか要りませんでした。

 よって、「合駒Xは銀で、歩は4枚必要」が正解でした。


 おまけ問題です。



 片方は詰んで、もう一方は詰みません。どちらが詰むでしょうか?
 わかりますよね。
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