英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season14 第13話「伊丹刑事の失職」

2016-01-27 23:14:42 | ドラマ・映画
「“情報源を明かせない”っていう…あんたらの理屈は分からないではない。
 しかし、それで、殺された被害者はどうなるんです!
 俺たちは1日も早く犯人を捕まえて、被害者の無念を晴らしてやらなきゃならないんですよ!
 そのためには、犯人が書いた手記がどうしても必要なんです。
 どうか…お願いします。手記を出してください」


 伊丹、格好良かったぞ!

 しかし、よくよく考えると、伊丹は自 殺偽装に引っ掛かり、さらに利用されてしまっていたのだが…。
 犯人・今井記者は、自 殺偽装に関しては、伊丹をターゲットにしたわけではなかったが、その後、手記を伊丹らに渡して、峰岸社長の詐欺行為を暴かせた。
 しかも、伊丹は“被害者の無念”と力説したが、被害者の加納美咲は相当な悪女。詐欺の罪に対する呵責もなく、今井に問い詰められても、今井のカメラを壊し証拠隠滅を計ろうとした。その時、今井ともみ合って、転落死。自業自得であろう。
 格好良かったが、犯人に良いように踊らされたうえ、被害者の本性を思うと格好悪かったかも……



「確かに、きっかけは正義感だったのでしょう。手記を送ったことも、記者としての責任感だったのかもしれません。
 しかしあなたは、自らが犯した罪を隠ぺいし、いやそれどころか、事実を捻じ曲げ、峰岸圭一を殺人犯に仕立て上げ、その記事を書いたんですよ。大勢の人を騙す記事を、あなたは書いたんですよ。
 今、記者として、“自分が正しいことをやった”と言えますか?言えますかっ!」


 右京の糾弾の言葉も、犯人・今井の心に突き刺さった。
 加納美咲を転落させた時点で、救急車を呼んで警察に事情を話せば、峰岸の詐欺も明らかになったはず。真面目で正義感もあり、残念な判断の誤りだった。

 しかし、詐欺の被害者家族・大庭に対する言葉は、少々疑問。
「お母様の仇が取れましたね。
 今回のことで、人がひとり死に、新たに犯罪者が出ました。
 それで、あなたの心は晴れましたか?
 復讐で、心の平穏を手に入れることなど、決してできないと思いますよ」


 今井に対する申し訳ない気持ちを抱えていた大庭は、とどめを刺され、泣き崩れる。
「どうしたら、よかったんだ…どうしたら…くっ、どうしたら……

 黙って膝が折れ崩れていく大庭を観る右京だが、“どうしたらよかったのか”教えてあげたら?(“復讐で心の平穏を手に入れることはできない”というのは支持するが)

「右京さん、ほんと冷たいんですからねえ!」(by 冠城)の言葉は的を射ている。
 今井に告白された時(加納美咲を転落させたこと)、
 峰岸の悪事を追及できないという今井に対して
「母のことは、もういいんです」と大庭は言っていたのに。
(バイク便の配達人に扮する協力はしたが)



 今回の脚本は、私が危惧する“要注意脚本家”のひとり、金井寛氏だったが、面白かった



【感想・気になった細かいこと】
・自 殺工作の際、手すりに靴を履いたまま乗ったが、これだと跡が残るのでは?
・カメラワーク……部屋の床ギリギリ→ベランダ→墜落現場……は、ドローン使用?
・伊丹が自 殺と判断したのかもしれないが、伊丹だけ責任を追及されるのは変?
・詐欺の報酬の受け渡し方法も記事に乗せたのは、今井らしくない失策だった
・新聞社と手記の主とのやり取りに関する右京の推理には唸らされた
・詐欺を追求する記者の名前が「今井」って、意図的?
・手記による偽装工作で峰岸追及しようとしたが、有能な右京や正義感に燃える伊丹がいないと、実現し難い気も
・峰岸役の志村東吾さんはゲスト扱い(ホームページ)にならないの?(相棒 season 9(2010年) 第9話「予兆」にも出演、この時はゲスト扱い)
・存在しないバイク便を探して、徹夜でモニターをチェックした米沢さんたちが気の毒



【ストーリー】番組サイトより
事件の真相を綴った犯人の手記を新聞がスクープ
殺人を自 殺と見誤った伊丹が刑事クビの危機に!

 1か月前、伊丹(川原和久)が自 殺として処理した女性の転落死が、『実は殺人だった』と告白する犯人の手記が新聞にスクープされた。そこには、犯行動機や偽装の経緯、さらには犯人しか知りえない情報も書かれていた。
 責任を問われた伊丹は、新聞社に手記の現物提出を要求するも拒否されてしまい、はずみで柏田編集長(野仲イサオ)を突き飛ばしてしまう。そのころ、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、被害者の女性が半年前まで勤めていた旅行会社を訪れていた。応対に出た社長が、遺書と思われるメールを受け取った人物だったが、彼女が会社を辞めてから個人的な繋がりはなかったという。
 そんな中、問題の新聞に、『刑事が編集長に暴行をはたらいた』という記事が掲載される。それを問題視した内村刑事部長(片桐竜次)は、伊丹から警察手帳を取り上げ、自宅謹慎を命じる。進退窮まり、自分にとってこれが“最後の事件”だと腹をくくった伊丹は、謹慎処分を無視して特命係と捜査を続行。すると、スクープを飛ばした今井(大場泰正)という記者から、思わぬ手掛かりがもたらされる。

女性を突き落とし、殺人手記を綴った犯人は誰なのか?
刑事として“最後の事件”に挑む覚悟を決めた伊丹の運命は!?
右京と伊丹、相容れないはずの2人が、難解な事件に挑む!

ゲスト:大場泰正 野仲イサオ 丹羽貞仁

脚本:金井寛
監督:東伸児
コメント (2)
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