英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

科捜研の女15 正月スペシャル 【追記あり】

2016-01-04 12:27:01 | ドラマ・映画
活劇としては面白いが、ドラマ『科捜研の女』としては行き詰まりを感じる

 科学捜査があまりにもハイパーで万能になり過ぎたので、その障害物として、第13シリーズでの藤倉鑑識課長(金田明夫)、さらに、第14シリーズではさらにパワーアップした藤倉警刑事部長を立ちはだかった。そして、今シリーズでは組織犯罪対策第三課の落合刑事(池上季実子)。
 この落合刑事、番組サイトのイントロダクションの言葉を借りると
「その手腕から“銃器薬物のクイーン”の異名を誇るほど、やり手の佐妃子。ところが、彼女は事件解決のためならどんな犠牲を払ってもかまわないという歪んだ正義感の持ち主で、内部協力者を見殺しにしたり、同僚の刑事を裏切ったりすることも厭わない人物だったのです。彼女の行くところ、草木1本残らない――。そんな冷徹な彼女は“死神”という悪名でもよばれていたのです」
 つまり、自己中心で傲慢で強引な女に振り回されることで、ドラマを盛り上げようとしているのである。私は、純粋に事件の謎(アリバイ、密室など)や、犯人の動機や関係者の行動理由などの解明を期待しているのだが……
 落合刑事が出てくると、彼女の横槍やりに時間を取られ、捜査がスピーディになり過ぎて(科学捜査がハイパーになったこともある)、土門刑事などはマリコの“パシリ”にしか見えないこともある。

 しかも、藤倉刑事部長の前で「銃器薬物のクイーン・死神」対「科捜研の女+土門」の議論において、藤倉は落合の方を持つので、観ている方はストレスが溜まる
 今回の場合、空港での土門の殺人容疑者逮捕と落合の薬物取締が鉢合わせ、その挙句、向精神薬の半分を堀之内華(小沢真珠)に持ち逃げされてしまう。
 この件は、藤倉に報告を怠った土門の落ち度と決めつけられてしまった。しかし、責任はともかく、">密輸の荷物が2つある情報をつかんでおきながら、その荷物から目を離してしまった組対三課の失態ではなかったのだろうか。

 また、落合と土門の捜査とハイパーな科捜研の入り混じりに終始したため、堀之内華(小沢真珠)の心情の描写が疎かになってしまった。
 違法ドラッグのサンプルを川田勝(伊武雅刀)銃改造マニアに渡したり、ドラッグ製造小屋を爆破したりと彼女の行動は不自然で、彼女が一体何をしたかったのか、理解不能。2度も銃改造マニアに会いに行くのも、意味不明だ。

 違法に薬物を売りさばいていた川田親子。≪親子で違法薬物販売!≫という突っ込みもしたいが、その割には、携帯電話の通話料も滞納するほど困窮していたのは、不思議。


 科学捜査の為なら努力を全く惜しまないマリコ、その姿勢は他の科捜研メンバーに対しても同様で、所長が一番の被害者。
 面白かったのは、3D認証の為の3Dの作成を頼まれた相馬君。
相馬「爆破現場の鑑定しているんですけど」
マリコ「もちろん、それもやって。でも、その前に、3Dをやって」(データを渡す)
相馬「俺の仕事量、半端ないっすねえ」(苦笑い)
マリコ「その意気よっ、頑張って」(相馬の肩をがっしり掴む)
相馬「……別に闘志を燃やしたわけでは…」(遠い目をしながら苦笑い)



【追記】
①そもそも、あの危険ドラッグって……
 幻覚、恐怖で拳銃を打つ(殺傷行為に及ぶ)……これって、何が良いのだろうか?(気分がハイになり、その禁断症状で殺傷行為を行うのならまだ理解できるが)
②池上季実子さんに顔面をグーで殴られた内藤剛志さんて……
 薬物の入ったバッグを二つともしっかり目を離さずにいれば、堀之内華を取り逃がすことはなかったのに。
 冷静に分析すれば、組対三課の非の方が大きいのに、自分らのミスを棚に上げた(しかも自覚なし)落合刑事に顔面をグーで殴られた土門さんが気の毒。
③殺人を犯してしまったというのに、違法薬物の取引に加わる川田息子(石垣佑磨)って……
 組対三課が目を見張らせている危険性のある現場に、殺人を犯した川田息子がのこのこ現れるって、馬鹿ではないのだろうか?
④科捜研に頼り過ぎの捜査陣
 すべての宅配物に対して捜査令状が取れないからと言って、科捜研に頼り過ぎ。堀之内華の顔写真があるのだから、宅配業者に聞き込んで絞り込むくらいしてもいいのでは。華(小沢真珠)の顔とライダースーツってインパクト抜群だと思うが……



【ストーリー】番組サイトより
 京都府警捜査一課刑事・土門薫(内藤剛志)と蒲原勇樹(石井一彰)は、京都市内のハーブ販売店で、店主の刺殺死体を発見する。実は、組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)から、その店で集団窃盗事件が起きるはずだと蒲原に電話が入り、彼女がどういう魂胆で自分たちに連絡してきたのか、いぶかしみながら駆けつけたところだった。
 店内の防犯カメラは犯人によって映像が削除されていたが、榊マリコ(沢口靖子)ら科捜研が復元した結果、指定薬物所持で前歴のある川田修斗(石垣佑磨)の犯行であることが判明。
 川田の自宅に向かうと、すでに佐妃子が捜索をはじめており、土門はがく然! 実は修斗の父・勝(伊武雅刀)は薬物の密売人であり、佐妃子らは半年にわたって彼の内偵を進めていたのだ。
 そんな中、科捜研の調査により、修斗が関西国際空港に現れる可能性が浮上。土門とマリコは関西国際空港に急行するが、またしてもそこには佐妃子の姿が――。佐妃子は薬物の密輸現場を抑えるために麻薬犬と共に張り込んでいたのだ。
 そこへ、勝と修斗の父子が姿を現し、土門とマリコは確保に向かう。修斗と勝の身柄は確保できたものの、騒動の隙に薬物が入ったバッグを謎の女が持ち去ってしまった。
 女を取り逃がしたことで、藤倉刑事部長(金田明夫)や佐伯本部長(西田健)から厳しい追及を受けたマリコは、指紋から、女の正体が麻薬取締法違反で前歴のある堀之内華(小沢真珠)であることを突き止め、彼女の足跡を必死に追う。
 やがて、華が持ち去ったバッグに入っていた薬物は、ハーブ店店主の遺体の指先に付着していた新種の危険ドラッグの材料のひとつであることが判明。華は密輸で手に入れた薬物をほかの成分と混ぜ、新手の危険ドラッグに作り変えていたとわかり…!?

脚本:櫻井武晴
監督:濱龍也
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする