英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』 第3話

2011-07-28 18:14:51 | ドラマ・映画
 「継続捜査」の前シリーズは、その性質上、当初の捜査が杜撰(ずさん)であった等、無理なドラマ展開があった。
 「過去」にこだわった前シリーズに対し、今シリーズは「現在」を強調、起こりつつある犯罪を未然に防ぐという、現実社会にとって有り難い捜査である。ただ、タイトルに「潜入」とあるので大いに不安を抱えての視聴となった。
 潜入捜査は大変スリルがある。気の弱い?私は、ばれやしないかとドキドキいてしまう。これも「たまに」ならいいが、毎回となると、ちょっとウンザリしてしまう。
 それに、「潜入」は人を騙すことが必須、その上、盗聴・盗撮もつきまとう。桜木刑事(上戸彩)でなくても、気が滅入ってしまう。

 今回は、新薬開発の国家プロジェクト内で起こった事件の捜査。
 国家プロジェクトと言うだけで、正攻法の捜査ができないという設定に大きな疑問。国のトップが関わる何か大きな陰謀が関与しているのならともかく、そういう匂いはしない。それなら、正面から捜査できないというのはおかしい。警察がそんなことでどうするのと思ってしまう。せめて、後で明らかになった公安の内偵捜査の邪魔はできないということなら理解できるが…。
 潜入捜査、尾行、接触捜査、画像捜査、聞き込み捜査、さらにTV取材に乗じた偽装潜入捜査?など、めまぐるしい進展。さらに、捜査会議?での一人一事象ずつの台詞回し。情報に私の頭がついていかない。
 「立ち止まるな」という信念?もあるみたいだが、立ち止まって熟慮する場面もほしい。

 つまり、詰め込み過ぎなのだ。そして、その原因が桜木にある。製作サイドの意向だと思うが、上戸彩を起用したからには、彼女最優先のシナリオになってしまうということなのだろう。
 治験者として潜入、テレビスタッフとして潜入、野田(情報漏洩者…実は告発者、今回の被害者)の生前の行動、野田の元友人の三木との接触・説得、さらに、未熟な桜木の悩みと成長?
 これだけ活躍?すれば、シナリオが中途半端になるのは必然なのかもしれない。

このドラマの見どころの一つの「桜木の悩みと成長」での、
瀧河(桐谷健太)と長嶋室長(北大路欣也)の語録

長嶋「大事なのは、騙す相手に誠意を尽くすことだ」
瀧河「原因は、お前の中途半端な優しさだ。中途半端な優しさが、捜査の目を曇らせたんじゃないのか?関係者を騙すのは、真実をつかむためだろ。冷静さを失ってミスを犯せば、俺達の捜査は、ただの嘘になる」

 瀧河の言葉は一貫性があるが、長嶋の言葉は、今回のエピソードに合う、都合のよい教訓にしか思えない。前回の時は、そんなことを挟む余地は全くなかったように思う。


最後の決着のつけ方への不満
 データの改ざんを問い詰める長嶋たちに対し、MNP所長の東海林(小木茂光)は
「入力ミスだ。
 認識の違いだ。この新薬は6割のSLE患者に劇的な効果があり、発ガンする可能性は1割にも満たない。この程度の危険なら、患者たちは間違いなく6割の奇跡にすがる」
 なかなか、説得力のある理論武装だ。それでも、データ改ざんしていいはずはなく、その点について言及するのかと思ったら、告発を止めようとしてもみ合っている東海林と野田を止めようとして、その巻き添えを食った警備員の死に関する殺人罪の逮捕状を突きつける。
 多少、前振りはあったが、いきなりそれ?
 データ改ざんや告発を封じようとした行為を糾弾したわけではなく、何かスッキリしない。
 一応、長嶋が「患者さんの願いを捻り潰したのは、あなた自身です」と締めくくってはいたが、う~ん。
 もちろん、ドラマ的には、殺人を明らかにして、ビシッと決まってはいるが、う~ん。

その他の突っ込み
①リアリティ、ハラハラ感を出すために、潜入捜査中、尻尾を掴まれそうになるが、あの程度のごまかしで、所員たちが納得してしまうのだろうか?特に、所員に問い詰められ、オタオタする桜木の様は、情けなさすぎ。見つかった場合の言い訳ぐらい、用意して欲しい。

②先週も感じたが、あの捜査会議、落ちこぼれ気味の桜木が発するには不自然な台詞で、無理やり桜木を詰め込まなくても良いんじゃないだろうか。

③医者を目指す予備校生が、やる気なさ過ぎ。


 人それぞれの評価はあると思いますが、このドラマを観るより、他のことをしていた方がよいと思ってしまいました。
コメント
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