カンボジア経済

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国際通貨基金 巨額の特別引出権を配分 カンボジアには約260億円相当

2021年08月18日 | 経済
 8月2日、国際通貨基金(IMF)は、国際的な流動性を促進するために、約4560億SDR(約71兆円)の特別引出権(Special Drawing Right: SDR)の配分を承認しました。SDRは、IMFにより創出された国際準備資産で、現在は、ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元の5通貨のバスケットで構成されています。SDRは、これまでの累計で2042億SDRしか配分されていませんでしたので、今回の配分で一気に3倍以上に増加しました。
 今回の配分により、新型コロナの影響で国際収支赤字や財政赤字に苦しむ途上国に、余裕と強靭性を与えることができるものと見られます。新しく創出されたSDRは、各国の既存IMFクォータ(出資割当額)に応じて各加盟国に割り当てられることとなっており、カンボジアへの配分額は、約260億円相当になるものと見られます。なお、今回のSDR一般配分は2021年8月23日に発効する予定です。
 ゲオルギエバIMF専務理事は「IMF史上最大となるSDR配分は、この未曾有の危機において世界経済にとってのカンフル剤となります。SDRの配分によって全加盟国が恩恵を受けることになり、長期的かつ世界的な準備資産の必要性に対処が行われ、信頼が構築され、世界経済の強靭性と安定性が促進されることになります。とりわけ、加盟国の中でも、コロナ禍がもたらした影響の対処に苦慮している最脆弱国にとって助けとなります」と述べました。
 SDRは、国・国際機関等のみが利用可能な準備資産で、通常は通貨危機等の際に外貨準備を補完する働きがあります。今回の配分では、配分されたSDRを他国に売って得た資金を、新型コロナ対策等に利用することも可能です。カンボジアは、財政、国際収支、対外債務、外貨準備等、いずれも今のところは大きな問題がないことに加え、日本、世界銀行、アジア開発銀行、EU等から十分な財政支援も得ており、マクロ経済は安定的な状況ですが、準備資産が積み増しされることにより、信頼性、安定性、強靭性が補完されるものと期待されます。
(写真は、IMFの総務会)

国際通貨基金の発表
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2021/07/30/pr21235-imf-governors-approve-a-historic-us-650-billion-sdr-allocation-of-special-drawing-rights


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