カンボジア経済

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世界銀行 東アジア・大洋州地域 半期経済報告2020年春 新型肺炎で暗雲

2020年04月07日 | 経済
 3月30日に世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2020年春)を発表しました。この報告書は、年2回春と秋に発行されています。
 カンボジアの2020年のGDP成長率については、これまでの予測(6.8%)から、新型肺炎の影響で、基本シナリオで2.5%、低成長シナリオでは1.0%に引き下げました。今後についても影響は続くとして、基本シナリオで2021年の成長率は5.9%、2022年は6.3%としています。低成長シナリオでは、2021年の成長率は3.9%に留まります。観光がまず最大の影響を受けており、2020年1~2月のアンコール遺跡入場者数はマイナス37.2%と大幅減少しています。建設セクターも、2020年1月の鉄鋼輸入量が41.3%減少となっており、大きな影響を受けていると見られます。縫製業もEUの特恵関税制度EBAの資格停止に加えて、新型肺炎の影響により世界的に需要が減退に直面しています。
 物価上昇率は、2020年2.3%(前回3.1%)、2021年2.0%(前回3.0%)、2022年2.1%と安定的と見ています。経常収支の赤字(対GDP比)は、輸出が落ち込むものの、オートバイ、携帯電話等の内需向け輸入が減退することもあり、2020年は10.8%にとどまると見ています。しかし、外貨準備は2019年末時点で187億ドル(輸入の7カ月分以上)と、非常に潤沢で安定的な水準です。
 今後のリスクとしては、観光客の継続的減少、世界経済の回復の遅れ、直接投資の大幅減少等を挙げています。他方、最近導入された政府の対策、具体的には、影響を強く受けている産業への税免除、農村開発銀行を通じた支援等に期待を示しています。中小企業銀行による支援策については、実施までにまだ時間を要すると見ています。
(写真は、新聞発表より)

世界銀行の新聞発表(和文)  
https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2020/03/30/east-asia-and-pacific-countries-must-act-now-to-mitigate-economic-shock-of-covid-19


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