3月13日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、マイクロファイナンス機関の貸付上限金利を18%/年とする新規制を4月1日から導入することを定める省令B7-017-109PK号を発布しました。
カンボジアのマイクロファイナンス機関の貸付金利は、通常、月利2%~2.5%程度のところが多く、年率で24~30%となっていました。突然の上限金利導入は、野党救国党が政権を取った際には「徳政令」(借金を全面的に棒引きにする命令)を出すという噂が広まり、与党としてもこれに対抗する必要があったためと言われます。
マイクロファイナンス機関の貸付金利は、これまで高止まりしており、各機関は比較的良好な利益を上げてきていました。突然の上限金利導入により、貸付金利が大幅に低下することにより、大きな影響があるものと見られます。金利低下により、借入の需要は大きく伸びるものと見られます。他方、農村部に多くの支店を展開しているマイクロファイナンス機関では、農村部向けの貸付、特に遠隔地への貸付については、様々なコストがかかることから、これまでのような積極的な展開が難しくなるものと見られます。また、貸付金利と連動する形で預金金利も低下するものと見られ、これまでのような預金残高の伸び、ひいては貸付資金が確保できるかも不透明となります。このため、農村部や貧困層への貸付について、いわゆる「貸し渋り」が起きるのではないかと懸念されます。
上限金利による直接的な金利統制は、これまでの他国の例を見ても、金融政策の中でも最も難しい部類の政策手段と見られています。カンボジア政府とマイクロファイナンス機関がコミュニケーションを十分とりつつ、政策目標に向かって努力することが期待されます。
中央銀行の省令(英文です)
https://www.nbc.org.kh/download_files/legislation/prakas_eng/Prakas-on-Interest-Rate-Cap-Eng.pdf
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カンボジアのマイクロファイナンス機関の貸付金利は、通常、月利2%~2.5%程度のところが多く、年率で24~30%となっていました。突然の上限金利導入は、野党救国党が政権を取った際には「徳政令」(借金を全面的に棒引きにする命令)を出すという噂が広まり、与党としてもこれに対抗する必要があったためと言われます。
マイクロファイナンス機関の貸付金利は、これまで高止まりしており、各機関は比較的良好な利益を上げてきていました。突然の上限金利導入により、貸付金利が大幅に低下することにより、大きな影響があるものと見られます。金利低下により、借入の需要は大きく伸びるものと見られます。他方、農村部に多くの支店を展開しているマイクロファイナンス機関では、農村部向けの貸付、特に遠隔地への貸付については、様々なコストがかかることから、これまでのような積極的な展開が難しくなるものと見られます。また、貸付金利と連動する形で預金金利も低下するものと見られ、これまでのような預金残高の伸び、ひいては貸付資金が確保できるかも不透明となります。このため、農村部や貧困層への貸付について、いわゆる「貸し渋り」が起きるのではないかと懸念されます。
上限金利による直接的な金利統制は、これまでの他国の例を見ても、金融政策の中でも最も難しい部類の政策手段と見られています。カンボジア政府とマイクロファイナンス機関がコミュニケーションを十分とりつつ、政策目標に向かって努力することが期待されます。
中央銀行の省令(英文です)
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