IMF 中国の貿易構造変化とCLMV諸国への影響に関する報告書

　9月1日、国際通貨基金(IMF)は、「変化する中国の貿易構造とCLMV諸国への影響（China's Changing Trade and the Implications for the CLMV）」と題する報告書を発表しました。この報告書では、中国の貿易構造が、労働集約的軽工業製品の輸出から、高付加価値製品の輸出へと変化していると指摘しています。これは、これまでにも、日本、台湾、韓国等でも見られた現象ですが、中国の場合、国内（地方部）にまだ大量の低賃金労働者層を抱えていることもあり、変化のスピードはゆっくりしているとのことです。
　カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム（CLMV諸国）は、いずれも中国との貿易が重要な役割を果たしており、中国の貿易構造の変化は、CLMV諸国に大きな影響を与えるものと見られます。中国の賃金の上昇に伴う輸出競争力の減退及び中国の所得上昇に伴う輸入の増加は、これら諸国の低賃金を梃とした労働集約的産業に大きなチャンスを与えるものと見ています。
　カンボジアについては、中国からの援助だけでなく、直接投資、借款、観光客、縫製原材料の輸入に大きく依存していると分析しています。この状況下で、製品や生産プロセスの改善により輸出競争力を強化し、国際的バリューチェーンに更に食い込んでいくためには、生産性を向上させる努力と、輸出先の多様化が重要であると指摘しています。

IMFの新聞発表（英文です）
https://www.imf.org/external/pubs/cat/longres.aspx?sk=43679.0


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