カンボジア経済

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グローバル競争に打ち勝つ低所得国 カンボジア

2011年02月11日 | 経済
 アジア経済研究所が最近出版した書籍「グローバル競争に打ち勝つ低所得国:新時代の輸出志向開発戦略」を読みました。カンボジア、バングラデシュ、ケニア等の低所得国が、縫製業のような輸出志向型労働集約的産業によって発展に成功し、貧困を削減したことを理論面、実証面から明らかにしています。
 カンボジアについては、衣料品の貿易自由化による競争と低価格化の中で、生産性を向上させる努力によって、未熟練労働者の給与を向上させたことが示されています。
 また、中間財生産によるフラグメンテーションも貧困層(未熟練労働者)の所得向上に寄与する、マレーシアのように海外直接投資が貧困削減に大きく寄与した例もあると言った重要な指摘も含まれています。
 以下は編著者の山形辰史先生の文章からの抜粋です。
「本書で労働集約的開発のモデルとしてとりあげたカンボジアにも、グローバル競争に打ち勝ち、先進国の消費者に向けて生産できる縫製企業が少なからずある、というのが、我々執筆者の認識である。一次産品でなくとも、また、先進国消費者の特別の温情を前提にしたフェア・トレードでなくとも、現在の低所得国が先進国市場に、先進国からの特恵を得なくとも競争に打ち勝てる分野があり、そしてそれに従事している貧困層も、雇用増や賃金上昇といった形で利益を受けるケースがある。それが本書で最も強調したい観察事実である。」
 一般の方には難解な数式も並ぶ論文も含まれていますが、ぜひ読んでいただきたい本です。

アジア経済研究所「グローバル競争に打ち勝つ低所得国:新時代の輸出志向開発戦略」
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Sousho/592.html?utm_source=feedburner&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+Ide_Jetro+%28%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%29


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コメント (3)
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