2013/01/20 タイトル訂正「岩手の秘湯」は間違いでした。間違いに気付いたので訂正しました
一関市の方から入って、栗駒国定公園で無線でヨーロッパと交信した翌朝、少し遠くなるけど久しぶりに山形経由で帰る事にした。
東北の主要道路は南北に向いているので、東西に移動する時はあまり素直では無いのが普通だ。今回も県道282号を西に向かって走り、国道359号に行き着き、これを北上して、県道51号を左折、再び西に向かうと桁倉沼の先から進路が北西へと変わっていく、最終的には国道13号線で南へ向かうのだからあまり北へは向かいたくない。ゴリラの画面を突っついてみたがこのまま行くと、湯沢市相川でR13と交差する様だ。可成り北寄りになるので、どうも具合が悪い。ゴリラの画面を見ると桁倉沼の先で左に分かれる道があるので辿ってみるといったんR108に入って少し北に進むと相川より可成り南側でR13にたどり着く事がわかった。
その道がR108号に達する地点を目的地としてゴリラに入力、距離優先でルートガイドを設定したら、何と、県道を北西に進んで相川でR108に入って南下するルートが出てきた。何たることだ、桁倉沼を左折するルートは「拒絶ルート」?
ままよ、ゴリラと喧嘩するか! 迷わず左に曲がって突き進んだ。
暫く走ったところで、突然目の前に異様な風景が!
辺りに硫黄の臭いが漂い、道路の直ぐ脇からガスと湯気が立ち上っているのだ。
道路脇に塩ビパイプが立っている。多聞、硫黄ガスが路面に漂うと危険なのである程度の高さで空中に放出させてガスを分散させる為なのだろう。
そして、噴出したお湯が煮えたぎっている。
画面の左側にこの場所が見えている。南側には10軒に満たないほどの小さな集落が建っていた。
泥油温泉だ。
一番端の宿の前が広く空いていたので車を留めて玄関を開けると可成りなおばあさんが出てきた。言われるままに300円を渡すと、マッチをくれた。「今時マッチは珍しいね」「皆さん珍しがって、貰って帰ると言いなさる」・・「それから着ているものを脱ぐ前に風呂場に入って、手を入れて、熱かったら水道から水を入れると良いよ」って言ってくれた。
お風呂は、素朴さに於いては天下一品だ。板敷きの床、湯船も木だ。湯船の床は、細木が桟の様に間を空けて並んで入るのはどうしてなのか、嘗て何十年も昔だが、十和田の蔦温泉の旧館の湯船の底がこの様に桟状になっていたが、ここはその桟の間から温泉が噴き出していた。しかし、ここの湯は、縁から湯元から伸びたパイプが見えている。
そんなことはさておき、少しうめたら程々になったので、入浴。 細かい湯ノ華が浮いていて、硫黄の臭いがしているが、硫黄泉なので当然だ。とっても良い湯だった。外の気温も高かったので汗が引くのに時間が掛かったが、程々に疲れもとれて、再びドライブ開始だ。
泥湯温泉の南側から見た集落の様子だが、他に近くの集落が無い様なので、昔は本当に秘境だったのだろう。
泥湯から南へ進み、道なりに尾根を越した先で下り始めて二度目の驚きに直面した。
異様な白い世界が展開していた。
河原毛地獄と書いてある。昔、下北半島の恐山に行った事があったが、更に強い凄まじさを感じる様相だ。
土器(かわらけ)原始的な素焼きの土器の事を言うのだが、古い昔京都のお公家さんたちが、縁起担ぎなどで、土器の皿を谷間に投げた「土器投げ」を行った記録がある。想像するに、この土器の破片が散らばって積み重なった有り様に一種異様な世界を感じたのだろう。
その異様さから河原毛と言う言葉に成ったのだろうと思う。「毛」には「身の毛がよだつ」などが有るが、背筋がゾーとするなどの気に繋がっているのだろう。
辺り一面が白い死の世界を思わせる異様な風景と硫黄の臭いが鼻を突く、可成りな量の硫化ガスが吹き出しているのだろう、画面中央の赤い文字の立て看板には、「これより先 危険につき立ち入り禁止」だ。
噴気口周辺には黄色く凝固した硫黄が見られる。看板を読むと過去には近くで硫黄を採掘した事も有ったもようだ。
立て看板のところまで行ったが、その先には行けないので引き返した。案内板の絵を見ると、そこから谷を下り裏側に回り込むと更に見るべき所がある様だったが、これから250kmあまり走らねばならないので、帰路を急ぐこととした。
思わぬところで、希少な世界に巡り会えた。これも旅の面白さだ。旅の終わりで帰路を急がねば為らず、ゆっくりと探索出来なかったのは残念だが、以上の範囲でも充分に楽しめたと思って満足を味わった次第だ。
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一関市の方から入って、栗駒国定公園で無線でヨーロッパと交信した翌朝、少し遠くなるけど久しぶりに山形経由で帰る事にした。
東北の主要道路は南北に向いているので、東西に移動する時はあまり素直では無いのが普通だ。今回も県道282号を西に向かって走り、国道359号に行き着き、これを北上して、県道51号を左折、再び西に向かうと桁倉沼の先から進路が北西へと変わっていく、最終的には国道13号線で南へ向かうのだからあまり北へは向かいたくない。ゴリラの画面を突っついてみたがこのまま行くと、湯沢市相川でR13と交差する様だ。可成り北寄りになるので、どうも具合が悪い。ゴリラの画面を見ると桁倉沼の先で左に分かれる道があるので辿ってみるといったんR108に入って少し北に進むと相川より可成り南側でR13にたどり着く事がわかった。
その道がR108号に達する地点を目的地としてゴリラに入力、距離優先でルートガイドを設定したら、何と、県道を北西に進んで相川でR108に入って南下するルートが出てきた。何たることだ、桁倉沼を左折するルートは「拒絶ルート」?
ままよ、ゴリラと喧嘩するか! 迷わず左に曲がって突き進んだ。
暫く走ったところで、突然目の前に異様な風景が!
辺りに硫黄の臭いが漂い、道路の直ぐ脇からガスと湯気が立ち上っているのだ。
道路脇に塩ビパイプが立っている。多聞、硫黄ガスが路面に漂うと危険なのである程度の高さで空中に放出させてガスを分散させる為なのだろう。
そして、噴出したお湯が煮えたぎっている。
画面の左側にこの場所が見えている。南側には10軒に満たないほどの小さな集落が建っていた。
泥油温泉だ。
一番端の宿の前が広く空いていたので車を留めて玄関を開けると可成りなおばあさんが出てきた。言われるままに300円を渡すと、マッチをくれた。「今時マッチは珍しいね」「皆さん珍しがって、貰って帰ると言いなさる」・・「それから着ているものを脱ぐ前に風呂場に入って、手を入れて、熱かったら水道から水を入れると良いよ」って言ってくれた。
お風呂は、素朴さに於いては天下一品だ。板敷きの床、湯船も木だ。湯船の床は、細木が桟の様に間を空けて並んで入るのはどうしてなのか、嘗て何十年も昔だが、十和田の蔦温泉の旧館の湯船の底がこの様に桟状になっていたが、ここはその桟の間から温泉が噴き出していた。しかし、ここの湯は、縁から湯元から伸びたパイプが見えている。
そんなことはさておき、少しうめたら程々になったので、入浴。 細かい湯ノ華が浮いていて、硫黄の臭いがしているが、硫黄泉なので当然だ。とっても良い湯だった。外の気温も高かったので汗が引くのに時間が掛かったが、程々に疲れもとれて、再びドライブ開始だ。
泥湯温泉の南側から見た集落の様子だが、他に近くの集落が無い様なので、昔は本当に秘境だったのだろう。
泥湯から南へ進み、道なりに尾根を越した先で下り始めて二度目の驚きに直面した。
異様な白い世界が展開していた。
河原毛地獄と書いてある。昔、下北半島の恐山に行った事があったが、更に強い凄まじさを感じる様相だ。
土器(かわらけ)原始的な素焼きの土器の事を言うのだが、古い昔京都のお公家さんたちが、縁起担ぎなどで、土器の皿を谷間に投げた「土器投げ」を行った記録がある。想像するに、この土器の破片が散らばって積み重なった有り様に一種異様な世界を感じたのだろう。
その異様さから河原毛と言う言葉に成ったのだろうと思う。「毛」には「身の毛がよだつ」などが有るが、背筋がゾーとするなどの気に繋がっているのだろう。
辺り一面が白い死の世界を思わせる異様な風景と硫黄の臭いが鼻を突く、可成りな量の硫化ガスが吹き出しているのだろう、画面中央の赤い文字の立て看板には、「これより先 危険につき立ち入り禁止」だ。
噴気口周辺には黄色く凝固した硫黄が見られる。看板を読むと過去には近くで硫黄を採掘した事も有ったもようだ。
立て看板のところまで行ったが、その先には行けないので引き返した。案内板の絵を見ると、そこから谷を下り裏側に回り込むと更に見るべき所がある様だったが、これから250kmあまり走らねばならないので、帰路を急ぐこととした。
思わぬところで、希少な世界に巡り会えた。これも旅の面白さだ。旅の終わりで帰路を急がねば為らず、ゆっくりと探索出来なかったのは残念だが、以上の範囲でも充分に楽しめたと思って満足を味わった次第だ。
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