6月9日、愛知県美術館で「若冲と江戸絵画」見ました。3月に九州国立博物館で見て以来3ヶ月ぶり。感動が甦りました。
まずは、タイトルにも掲げられている伊藤若冲。
私がはじめて生若冲見たのは、2005年、広島県立美術館の「ニューヨークバークコレクション」の「月下白梅図」。
きらきらしい月明かりに白梅が匂うように白く咲き零れている絵でとても印象的だった。
そして今回プライスコレクションで美しいだけじゃない伊藤若冲のいろんな魅力に触れることが出来た。
「鳥獣花木図屏風」最近超人気の絵。紀里谷和明もファンらしく宇多田ヒカルのSAKURAドロップスのPVにも使われててびっくりだった。テレビのCMでも見たような気がするし、日本画としては異例の露出度ではないでしょうか。
桝目描という技法で、12mm四方の桝目、1隻で約43,000個。それは気が遠くなるほど緻密に描かれてます。京都のボンボンだった若冲が西陣織の下絵にヒントを得て完成させたというのがまたスゴイよね。
まあるくデフォルメされた動物たち鳥たちがまた可愛らしい。
「旭日雄鶏図」赤い朝日に向かって雄鶏が雄々しく声をはる、まさにその瞬間。雄鶏がホントに凛々しく描かれている。朝日と鶏冠の赤い色も心惹かれます。
「紫陽花双鶏図」油断ならない目をした鶏が紫陽花の下に2羽。何やら一触即発の緊迫感が。鶏ってただの鶏のはずなのに、どこか神々しく鳳凰でも見てるようなありがたみすら感じてしまう。
「花鳥人物図屏風」水墨画で抜け感が魅力である。
「鶴図屏風」これも水墨画。まあるいフォルムが鶴の体温をも感じさせるようだ。
「芭蕉雄鶏図」筋目描を駆使した作品。構図も余白の取り方も何とも言えません。
「万福寺境内図」福岡で見たときはさっぱり印象に残らなかったが、今回は演出が凝っていて光の当たり方による絵の見え方の変化を楽しめるようになっていた。
光の演出はもうひとつ「簗図屏風」(誰?)にもなされていて。
美術館によって演出が異なるというのも面白いことである。
そして、長沢芦雪!
私の今回のお気に入り。
福岡で私の心を捉えて離さなかったのは、「白象黒牛図屏風」
1隻の屏風の中に体を縮めた白い象と黒い牛が、その甲斐虚しく、牛は今にもはみ出しそうに、象は残念ながらはみ出して描かれている実にユーモラスな作品。しかも黒牛の前には白い子犬、白象の背中には烏。白黒大小の対比も練りに練ってあって降参脱帽、なのに笑える。今一番のお気に入りです。
「幽霊図」流し目の女性の幽霊。琳派のおどろおどろしい幽霊とは違って、なんて艶めかしいの。芦雪!
「軍鶏図」軍鶏がまるで、言葉は悪すぎますが、ごろつきのように、歩きながら見るものにガン飛ばしてます。芦雪!
「神仙亀図」何か対話するかのような神仙と亀。どちらもありがたいモチーフなんだけど見てるとついつい微笑が…。芦雪!
「牡丹孔雀図屏風」もう、描けるんじゃん、精緻で美しい絵。円山応挙の弟子っぽい。芦雪ぅ。
「猛虎図」これも孔雀同様主役を対角線に伸びやかに配した作品。岩に爪を立て、毛を逆立て、いかにも勇ましい虎なんだけど。絵の前でつい笑ってしまうのは何だろう。芦雪ぅ!
芦雪の作品の前をニヤニヤしながら往復する私。
芦雪!芦雪!あなたは何故芦雪なの。
すっかり虜になってしまいました。
その他にも円山応挙、曽我蕭白、酒井抱一、日本画をよく知らない私でも知ってるようなそうそうたるメンバー。
河鍋暁斎
「達磨図」「閻魔と地獄太夫図」。達磨や閻魔がキュートでかわいい。
「妓楼酒宴図」酒宴の部屋に置かれた衝立の達磨さんがユーモラスで笑える。
酒井抱一
「十二ヶ月花鳥図」日本の四季は美しいですね。
「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」四季の花々の移り変わりに三十六歌仙の色紙がリズムよく並べられ、うきうきしてしまう。藤原公任の三十六歌仙勢ぞろい。せめて百人一首を読み返してみたくなる。
「源氏物語図屏風」花宴の朧月夜と光源氏の出逢いのシーンと秋好中宮が六条院で紫の上に歌の挨拶を届けるシーン。(と思われる)。源氏物語好きには堪らない屏風です。
百人一首は読み返せてもこの五十四帖にはなかなか手は出せない。
中野其玉
「杜若白鷺図」杜若と一緒に描かれているのは、お馴染みフトイ。杜若の姿も一種生の
参考になりそうで心惹かれました。
日本画は生け花の基本の宝庫かもしれません。
ああ、もうきりがありません。
惜しむらくはすべてがこの名古屋を最後に国外に帰ってしまうってこと。
2度見れてラッキーでした。
ジョープライスさん、ありがとうございました。
まずは、タイトルにも掲げられている伊藤若冲。
私がはじめて生若冲見たのは、2005年、広島県立美術館の「ニューヨークバークコレクション」の「月下白梅図」。
きらきらしい月明かりに白梅が匂うように白く咲き零れている絵でとても印象的だった。
そして今回プライスコレクションで美しいだけじゃない伊藤若冲のいろんな魅力に触れることが出来た。
「鳥獣花木図屏風」最近超人気の絵。紀里谷和明もファンらしく宇多田ヒカルのSAKURAドロップスのPVにも使われててびっくりだった。テレビのCMでも見たような気がするし、日本画としては異例の露出度ではないでしょうか。
桝目描という技法で、12mm四方の桝目、1隻で約43,000個。それは気が遠くなるほど緻密に描かれてます。京都のボンボンだった若冲が西陣織の下絵にヒントを得て完成させたというのがまたスゴイよね。
まあるくデフォルメされた動物たち鳥たちがまた可愛らしい。
「旭日雄鶏図」赤い朝日に向かって雄鶏が雄々しく声をはる、まさにその瞬間。雄鶏がホントに凛々しく描かれている。朝日と鶏冠の赤い色も心惹かれます。
「紫陽花双鶏図」油断ならない目をした鶏が紫陽花の下に2羽。何やら一触即発の緊迫感が。鶏ってただの鶏のはずなのに、どこか神々しく鳳凰でも見てるようなありがたみすら感じてしまう。
「花鳥人物図屏風」水墨画で抜け感が魅力である。
「鶴図屏風」これも水墨画。まあるいフォルムが鶴の体温をも感じさせるようだ。
「芭蕉雄鶏図」筋目描を駆使した作品。構図も余白の取り方も何とも言えません。
「万福寺境内図」福岡で見たときはさっぱり印象に残らなかったが、今回は演出が凝っていて光の当たり方による絵の見え方の変化を楽しめるようになっていた。
光の演出はもうひとつ「簗図屏風」(誰?)にもなされていて。
美術館によって演出が異なるというのも面白いことである。
そして、長沢芦雪!
私の今回のお気に入り。
福岡で私の心を捉えて離さなかったのは、「白象黒牛図屏風」
1隻の屏風の中に体を縮めた白い象と黒い牛が、その甲斐虚しく、牛は今にもはみ出しそうに、象は残念ながらはみ出して描かれている実にユーモラスな作品。しかも黒牛の前には白い子犬、白象の背中には烏。白黒大小の対比も練りに練ってあって降参脱帽、なのに笑える。今一番のお気に入りです。
「幽霊図」流し目の女性の幽霊。琳派のおどろおどろしい幽霊とは違って、なんて艶めかしいの。芦雪!
「軍鶏図」軍鶏がまるで、言葉は悪すぎますが、ごろつきのように、歩きながら見るものにガン飛ばしてます。芦雪!
「神仙亀図」何か対話するかのような神仙と亀。どちらもありがたいモチーフなんだけど見てるとついつい微笑が…。芦雪!
「牡丹孔雀図屏風」もう、描けるんじゃん、精緻で美しい絵。円山応挙の弟子っぽい。芦雪ぅ。
「猛虎図」これも孔雀同様主役を対角線に伸びやかに配した作品。岩に爪を立て、毛を逆立て、いかにも勇ましい虎なんだけど。絵の前でつい笑ってしまうのは何だろう。芦雪ぅ!
芦雪の作品の前をニヤニヤしながら往復する私。
芦雪!芦雪!あなたは何故芦雪なの。
すっかり虜になってしまいました。
その他にも円山応挙、曽我蕭白、酒井抱一、日本画をよく知らない私でも知ってるようなそうそうたるメンバー。
河鍋暁斎
「達磨図」「閻魔と地獄太夫図」。達磨や閻魔がキュートでかわいい。
「妓楼酒宴図」酒宴の部屋に置かれた衝立の達磨さんがユーモラスで笑える。
酒井抱一
「十二ヶ月花鳥図」日本の四季は美しいですね。
「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」四季の花々の移り変わりに三十六歌仙の色紙がリズムよく並べられ、うきうきしてしまう。藤原公任の三十六歌仙勢ぞろい。せめて百人一首を読み返してみたくなる。
「源氏物語図屏風」花宴の朧月夜と光源氏の出逢いのシーンと秋好中宮が六条院で紫の上に歌の挨拶を届けるシーン。(と思われる)。源氏物語好きには堪らない屏風です。
百人一首は読み返せてもこの五十四帖にはなかなか手は出せない。
中野其玉
「杜若白鷺図」杜若と一緒に描かれているのは、お馴染みフトイ。杜若の姿も一種生の
参考になりそうで心惹かれました。
日本画は生け花の基本の宝庫かもしれません。
ああ、もうきりがありません。
惜しむらくはすべてがこの名古屋を最後に国外に帰ってしまうってこと。
2度見れてラッキーでした。
ジョープライスさん、ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます