メトロポリタン・オペラ
トマ《ハムレット》
指揮:ルイ・ラングレ
演出:パトリース・コリエ
モーシュ・ライザー
ハムレット:サイモン・キーンリサイド
オフィーリア:マルリース・ペテルセン
王妃ガートルード: ジェニファー・ラーモア
新王クローディアス:ジェイム ズ・モリス
レアティーズ:トービー・スペンス
2010年3月27日
メトロポリタン歌劇場
観始めて、まず思った。
ハムレット…英語じゃないんだ
フランス語なので正確にいうと
ジェルトリュードがクロードと再婚し
アムレがオフェリに尼寺へ行けと言うお話な訳なんだけど
(↑ん?これ正確?)
そうなるとdolce-vitaには誰が誰だかさっぱりわからなくなるので
登場人物は原作のまま表記します。
…ハムレットです。
第2幕が終わってキーンリサイドがインタビューに応えて
「原作の先入観を持たずに観てほしい」と語ってました。
…観始める前に聞きたかったよ、その言葉( ̄▽ ̄;)
dolce-vita、ここまでがっつり先入観で観てました。
(しかもハムレットといえば藤原竜也)
dolce-vita混乱必至ですが
いっそ、「アムレ」だと思って観た方がいいのかも?
(ハムレットばりに苦悩するdolce-vita〓)
しかし比較的、第3幕以降は「ハムレットとは別物」と認識しやすかった。
クローディアスとポローニアスの会話を聞いて
ハムレットはポローニアスも父王殺しの共犯と知り
オフィーリアに「尼寺へ行け」と八つ当たり。
(尼寺は当時売春が行われていたらしく
世を捨てて清廉に生きろと言ったわけではなく
売春婦になれと罵倒したのだと
何かで読みました。)
オフィーリアはショックのあまり発狂して死んじゃう。
オフィーリアの死を知らず墓地に佇んでいた(あれ?何で?)ハムレットの所に
レアティーズが現れて決闘。
レアティーズがハムレットの刃に倒れた所に
オフィーリアの葬列が来る。
父王の亡霊に今こそ復讐を!と唆され
葬列にいたクローディアスを殺し
ハムレット「オフィーリア、君のそばへ行くよ」。
このエンディングにはパターンがいくつかあるらしく
1ハムレット「おれが新しい王だ!」宣言(→大ブーイング)
2ハムレット「オフィーリア、君のそばへ行くよ」(ハムレットも死んじゃう)
3オフィーリアが生き返ってハムレットと結婚(…うーん)
シェイクスピア原作のえっ?えっ?えっ?えっ?という結末に
負けず劣らずの展開デス
見所は第4幕のオフィーリアの狂乱の場と
ハムレットの「酒は悲しみを忘れさせる」
まず「酒は悲しみを忘れさせる」
このオペラの中で唯一知ってるアリア。
まさにハムレット役のキーンリサイドのアルバムに収録されてます。
第2幕。ハムレットが『ゴンザーゴ殺害』を演じるように依頼した役者たちにおどけて酒を勧める。
そこで歌われるアリア。
アルバムで聴いてる分には優雅な宮廷音楽っぽく感じていたので
ここかぁ、とちょっとゾッとする。
毒殺を題材にした芝居を観れば、
クローディアスと母が罪を告白するのではないかと期待するハムレット。
考えの浅いdolce-vitaだって
んなわけないやろ~
と思う浅知恵なんだけど
なんとクローディアスは顔色を変えて怒りだす。
そして、ハムレットはそこで狂気を装い、
クローディアスから王冠を奪って
また「酒は悲しみを忘れさせる」 のフレーズをところどころ織り混ぜて歌う。
赤ワインをぶちまけ自らもワインまみれになって歌う。
さすが演技派のキーンリサイド
もうすごい迫力
キーンリサイドの演じるハムレットはなぜかリアリティを感じさせる。
第3幕での母親と対決するシーンで
壁にナイフをあててイジイジしてみたり。
この辺りから狂気を装っているってゆうのが怪しくなってきて。
だんだんホントに狂気を帯びているように思われて
ガートルードと同じくらいdolce-vitaも怖くなる。
今までハムレットに共感を覚えたことなど一度もないけど
キーンリサイドのハムレットは生身の人間だという
手触り(?)を感じた。
オフィーリアの狂乱の場。
オペラでも本当は水辺のシーンで
オフィーリアが発狂して農夫や少女たちに歌いかけながら
川に入って死んじゃうらしい。
dolce-vitaの大好きなミレイの絵のイメージ
何かを歌いながら川を流れていくオフィーリアの絵。
でもこのプロダクションではオフィーリアの部屋で
オフィーリアは一人、発狂してナイフで自分を傷つけていく。
何度も何度も何ヵ所も。
川をふわふわ流れていくオフィーリアと違って
どこか現代的というか、何か意思を感じる。
すごく不思議だけど
どこか現代的なハムレットとオフィーリアだなって思った。
オフィーリアのマルリース・ペテルセンは
直前で降板したナタリー・デセイの代役だそうです。
ナタリー・デセイのオフィーリアも観たいけど
ペテルセンの演じたどこか現代的なオフィーリア
好きです。
確かに。
シェイクスピアとは別物の「ハムレット」
dolce-vita、意外と好きかも
と思いました。
トマ《ハムレット》
指揮:ルイ・ラングレ
演出:パトリース・コリエ
モーシュ・ライザー
ハムレット:サイモン・キーンリサイド
オフィーリア:マルリース・ペテルセン
王妃ガートルード: ジェニファー・ラーモア
新王クローディアス:ジェイム ズ・モリス
レアティーズ:トービー・スペンス
2010年3月27日
メトロポリタン歌劇場
観始めて、まず思った。
ハムレット…英語じゃないんだ
フランス語なので正確にいうと
ジェルトリュードがクロードと再婚し
アムレがオフェリに尼寺へ行けと言うお話な訳なんだけど
(↑ん?これ正確?)
そうなるとdolce-vitaには誰が誰だかさっぱりわからなくなるので
登場人物は原作のまま表記します。
…ハムレットです。
第2幕が終わってキーンリサイドがインタビューに応えて
「原作の先入観を持たずに観てほしい」と語ってました。
…観始める前に聞きたかったよ、その言葉( ̄▽ ̄;)
dolce-vita、ここまでがっつり先入観で観てました。
(しかもハムレットといえば藤原竜也)
dolce-vita混乱必至ですが
いっそ、「アムレ」だと思って観た方がいいのかも?
(ハムレットばりに苦悩するdolce-vita〓)
しかし比較的、第3幕以降は「ハムレットとは別物」と認識しやすかった。
クローディアスとポローニアスの会話を聞いて
ハムレットはポローニアスも父王殺しの共犯と知り
オフィーリアに「尼寺へ行け」と八つ当たり。
(尼寺は当時売春が行われていたらしく
世を捨てて清廉に生きろと言ったわけではなく
売春婦になれと罵倒したのだと
何かで読みました。)
オフィーリアはショックのあまり発狂して死んじゃう。
オフィーリアの死を知らず墓地に佇んでいた(あれ?何で?)ハムレットの所に
レアティーズが現れて決闘。
レアティーズがハムレットの刃に倒れた所に
オフィーリアの葬列が来る。
父王の亡霊に今こそ復讐を!と唆され
葬列にいたクローディアスを殺し
ハムレット「オフィーリア、君のそばへ行くよ」。
このエンディングにはパターンがいくつかあるらしく
1ハムレット「おれが新しい王だ!」宣言(→大ブーイング)
2ハムレット「オフィーリア、君のそばへ行くよ」(ハムレットも死んじゃう)
3オフィーリアが生き返ってハムレットと結婚(…うーん)
シェイクスピア原作のえっ?えっ?えっ?えっ?という結末に
負けず劣らずの展開デス
見所は第4幕のオフィーリアの狂乱の場と
ハムレットの「酒は悲しみを忘れさせる」
まず「酒は悲しみを忘れさせる」
このオペラの中で唯一知ってるアリア。
まさにハムレット役のキーンリサイドのアルバムに収録されてます。
第2幕。ハムレットが『ゴンザーゴ殺害』を演じるように依頼した役者たちにおどけて酒を勧める。
そこで歌われるアリア。
アルバムで聴いてる分には優雅な宮廷音楽っぽく感じていたので
ここかぁ、とちょっとゾッとする。
毒殺を題材にした芝居を観れば、
クローディアスと母が罪を告白するのではないかと期待するハムレット。
考えの浅いdolce-vitaだって
んなわけないやろ~
と思う浅知恵なんだけど
なんとクローディアスは顔色を変えて怒りだす。
そして、ハムレットはそこで狂気を装い、
クローディアスから王冠を奪って
また「酒は悲しみを忘れさせる」 のフレーズをところどころ織り混ぜて歌う。
赤ワインをぶちまけ自らもワインまみれになって歌う。
さすが演技派のキーンリサイド
もうすごい迫力
キーンリサイドの演じるハムレットはなぜかリアリティを感じさせる。
第3幕での母親と対決するシーンで
壁にナイフをあててイジイジしてみたり。
この辺りから狂気を装っているってゆうのが怪しくなってきて。
だんだんホントに狂気を帯びているように思われて
ガートルードと同じくらいdolce-vitaも怖くなる。
今までハムレットに共感を覚えたことなど一度もないけど
キーンリサイドのハムレットは生身の人間だという
手触り(?)を感じた。
オフィーリアの狂乱の場。
オペラでも本当は水辺のシーンで
オフィーリアが発狂して農夫や少女たちに歌いかけながら
川に入って死んじゃうらしい。
dolce-vitaの大好きなミレイの絵のイメージ
何かを歌いながら川を流れていくオフィーリアの絵。
でもこのプロダクションではオフィーリアの部屋で
オフィーリアは一人、発狂してナイフで自分を傷つけていく。
何度も何度も何ヵ所も。
川をふわふわ流れていくオフィーリアと違って
どこか現代的というか、何か意思を感じる。
すごく不思議だけど
どこか現代的なハムレットとオフィーリアだなって思った。
オフィーリアのマルリース・ペテルセンは
直前で降板したナタリー・デセイの代役だそうです。
ナタリー・デセイのオフィーリアも観たいけど
ペテルセンの演じたどこか現代的なオフィーリア
好きです。
確かに。
シェイクスピアとは別物の「ハムレット」
dolce-vita、意外と好きかも
と思いました。