新銀行東京に見る武士の商売と妙に成り立つ魑魅魍魎の企業
新銀行東京の報道を見ると、正に「武士の商法」そのままだと感ずることが多い。
武士の兵法というのは、まず立て前と画大の立派さ、見栄が先に立つ。
だから、立派な店構えとか設備投資に金をかけて、実際の「お客」を呼ぶとかそのサービスとかが疎かになると言うものだ。
いわゆる営業のノウハウというのは、店構えではないと言うのが基本だ。
我々一般が何か始める時は、必ず「小さく産んで、大きく育てる。」と言うのが原則。
逆を言えば、それだけの金がないと言うのが真実で、他人の金を運転資金に使うようならあっという間に何もなくなると言うのが常だろう。
「金」と言うものは、自分の金だから大事に、効率よく使おうとする。
しかし、アブク銭が身につかないのと同じように、税金という他人の金を使う時は結構いい加減なものだ。
それは、社会保険庁や国土交通省の道路特定財源を見れば明らかだろう。
そんなわけで、他人の金・税金でで設立された銀行などが、長続きするわけがない。
そして、その存続のためにトカゲの尻尾斬りが常に行われるというのがそう言うところだ。
新銀行東京の場合、特に問題だったのは「金なし」の企業や個人に無担保で貸したことだった。
商売をやって一番苦労するのは、貧乏人、要するに少額のやりとりをする商売だ。
だから、ヤマダ電機などの小売店というのは、どれだけ厳しい商売をやっているのかよく分かる。
只、新銀行の場合、5,000万円と言うからこれが少額かといささか疑問なのだ。
はっきり言えば、本来500万円が限度の人に10倍貸し付けて、お陰でドロンされてしまったようなもの。
まあ、馬鹿馬鹿しくて論評はやりたくないと言うものだろう。
一方、ある建材屋が空き倉庫や野積みの空き地を利用して貸しビル業に参入した事があった。
凡そ20~25年ほど前のことだ。
バブル景気以前の不動産不況の頃で、建材屋では先がないと思ったのであろうか。
そして、バブルが来て次々と立派すぎる貸しビルが何棟か。
それにしても、小生としても「良くもこんな事が出来る」と感心するというか怪しんだものだった。
その後、貸しビル建設はなくなり、不動産業になったとのこと。
地方公共団体の指定管理者になったりして市営駐車場の管理などもしていた。
‥‥‥と昨年の2007年突然自己破産。
フタをあけてみれば、金融機関が検査で指摘を受け、事実上破綻をしている赤字企業支援を中止した。
結局、金融機関には17億円の欠損。
その上、指定管理者だったための公的金銭まで雲散霧消。
そんな豪勢なことなど出来るはずはない‥‥と言うのが真実だった。
………………………………………
群馬県の第二地銀「東和銀行」(前橋市、吉永國光頭取)が経営の悪化した企業に対する不適切融資などで金融庁から業務改善命令を受けた問題で、同行の経営責任調査委員会は1日、旧大蔵省OBの増田
同行は近く、増田前頭取らを相手取って損害賠償を求める訴えを前橋地裁に起こす方針。
調査委は、弁護士ら外部の第三者3人で構成。増田前頭取らの刑事責任追及も検討したが、特別背任罪の成立要件である「自分や融資先の利益を図る意図があった」とする証拠が現段階では不十分と判断した。
調査委が違法性を認めたのは、飲食店ビルやラブホテルを所有する不動産会社(前橋市)に対する融資。経営者と親密だった増田前頭取らが2004年ごろ、すでに債務超過状態だった同社に対し、資金使途の検証などが不十分なまま、審査部の反対を無視して約8000万円の追加融資を承認した。
同行は、支払いを凍結していた2人の退職慰労金を支給しない方針だ。増田前頭取らは調査委に対し、「手続きに従って融資しており、違法性はない」と主張しているという。
(2008年4月2日03時03分 読売新聞)
……………………………………………………………
しかし、今では市長の関連企業の妙な実態。
非上場企業に200億円の貸し付け、それを踏み倒した上、その親族(妻と息子、その他)がまたまた億単位の金を借りて、工業団地内に土地を買って貸し地にしたり。
町中の再開発地域の売りビルを買って、改装。
しかも、そんなところに入居するなどあり得ないと思える企業で、満タン。
我々がもし小金をもっていて、そんなビルを買っても到底出来ないと言う不思議が沢山ある。
世の中、未だに魑魅魍魎が蔓延っているのかと暗澹たる感じだ。
それも、新聞で暴露されたから、いずれ淘汰されるかも知れないが、その時はよく見ておこうと今からでも思う。