福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

声に出して読む

2007-03-30 15:19:40 | 大学院時代をどう過ごすか

博士課程2年生の頃、学位取得後は海外へ留学しようと考えていました。そのためには、英会話が必須であると思い、NHKラジオ英会話を聴きはじめました。講師は、大杉正明氏。会話スキットがウィットに富んでいて、楽しみながら英会話を学習することができました。

ごく最近、雑誌か何かで知ったのですが、当時の彼は、海外での留学や滞在経験がなかったのですが、ネイティブスピーカーと遜色のない流暢な英語を操ることで定評があったとのこと。ラジオ英会話の講師であるならば外国経験が豊富である、と思い込むのは私だけではないはず。

そこで気になるのが、外国経験なくして、いかに外国語会話をマスターするか、です。大杉氏の外国語会話上達法のコツの一つは、「声に出して読む」ことであると言い切ります。さらに、「失敗をおそれないこと。そして、失敗から学ぶこと」だそうです。

私などは、雪国出身のせいか、人前で話すことが苦手です。加えて、失敗を怖れるあまりに、外国人と英語で話すことが億劫になります。こういうことでは、外国語会話は上達する訳ないのでしょうね。

私が大学院生の頃は、自由が丘(東急東横線の駅の一つ。若者の集まるオシャレな街として知られている)に英会話学校がいくつもありました。しかし、授業料がたかく、通えませんでした。その解決策の一つが、ラジオ学習です。最も安価な方法です。現在では、Podcastを利用すれば、多様な語学素材が安価に利用できる良い時代です。CNNのヘッドラインニュースは短いので、時々ダウンロードして聴いています。交通機関で移動中では、Podcastを聴きながら、声を出さないように気をつけていますが。

大杉氏が勧める外国語会話上達法は、研究にも当てはまるかもしれません。南極観測隊風に言ってみると、「失敗を怖れず、とにかくやってみなはれ」でしょうか。ただ、もっと大事なのは、失敗を怖れずにとにかく実験をやったあとで、その結果等を先生や研究室の同僚と十分検討し、次のステップに進めていくことです。

「結果について、先達とキャッチボールしてみなはれ!」