福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

バクテリアのフィールドガイド

2006-09-29 23:23:32 | 本と雑誌

Photo_7うーん、これは参りました!

微生物はどこにいて、どんなことをしているのだろう?どこへ行けば、目的とする微生物は見つかるのだろう?そんな疑問に答えてくれるのが、この本です。

A Field Guide to Bacteria.
Betsey Dexter Dyer著
Cornell Univ Pr (2003/05)
ASIN: 0801488540

湖沼、氷河、温泉、森林、排水処理場、干潟、砂漠など、それぞれの環境に適応したバクテリアがいます。本書ではそれらのバクテリアの観察法のヒントまで紹介されています。こんな本が日本にあれば良いのに。


亨のテーマ

2006-09-23 15:17:59 | 教育

とうとう「純情きらり」(NHK朝の連続テレビ小説)が最終週を迎えます。ヒロイン桜子はこれからどうなるのでしょう? 

個人的には亨のことが気になっています。亨は笛子と冬吾の長男ですが、生まれつき眼に障害を負ってしまいました。桜子が作曲した「亨のテーマ」。視力が次第に衰えていく亨の心をこの曲が癒し、励まします。こういうのを「音楽療法」と呼ぶのでしょうか?

今週、田村浩一郎さんに北大環境科学院の集中講義(「分子系統解析の理論と実践」)をやっていただきました。塩基配列データから分子系統を類推する上でのノウハウ等、院生にとって大好評でした。

田村さんが所属する進化遺伝学研究室に今年何人かの卒業研究生が入って来たそうです。卒業研究は大学入学後の講義や実習と全く性格の異なるものです。卒業研究テーマを通して教員と学生の間で密度の濃いキャッチボールが繰り返されます。そんなやり取りの中で、教員は卒研生の入学当初からこれまでの様子を振り返るものです。一方、卒研生にとっては研究を遂行しながら、大学院入試あるいは就職活動を行わなければならないし、卒業単位が足りない場合は講義にも出席しなければなりません。結構ハードですよね。進化遺伝学の研究室の卒研生の皆さんが充実した、卒研生活を送って欲しいと願っております。疲れたら、「亨のテーマ」を聴いてみてください。

低温研には卒研生がいません。田村さんがうらやましく思える、今週でした。


台風13号

2006-09-20 20:15:48 | 四季折々

13台風13号が北海道を通過しました。今回の雨量はそれほどではありませんでしたが、風は強く、小枝や葉が道路に乱れ落ちていました。低温研の木々の小枝は多少ダメージがありました。

2004思い起こせば、2004年9月強烈な台風が北大キャンパスを襲いました。低温研前の道はシラカバの木が倒れ、車両通行止めになってしまいました(左写真)。私が札幌に赴任して間もない頃の自然災害でした。あれから2年。今でもその爪痕は至る所で残っています。


帰省

2006-09-16 20:28:16 | 四季折々

札幌は秋らしくなってまいりました。1年を通じて最も良い季節ではないかと思います。

先日、新千歳空港から札幌に戻る快速エアポートの車中で、iPODに入れていた中島みゆきの「帰省」を聴きました。ふと、東京での生活が思い出されました。そんな折、都立大を卒業してK大の大学院に進学したT君が研究室を訪ねてくれました。夕方から行きつけの串焼き屋、ラーメン屋など3軒ハシゴし、北海道ならではの料理やお酒を存分に楽しみながら、語り合いました。入学した頃のT君と8年経った現在のT君。一段と成長した卒業生が、こうして札幌に訪ねてくれることは心から嬉しいことです。

        ***
      帰省/中島みゆき

遠い國の客には笑われるけれど
押し合わなけれりゃ街は 電車にも乗れない
まるで人のすべてが敵というように
肩を張り肘を張り 押しのけ合ってゆく

けれど年に2回8月と1月
人ははにかんで道を譲る 故郷(ふるさと)からの帰り
つかの間 人を信じたら
もう半年がんばれる
        * **

メガシティ東京で育った若者には自然に恵まれた北の大地で是非とも学んで欲しい、と思う今日この頃です。


南方熊楠展

2006-09-12 08:35:36 | 講演会

Rm1英国・大英博物館リーディングルームには南方熊楠の名が現在でも刻まれています。1890年代熊楠は日本の自然史に関する報告を大英博物館からNature誌に投稿し続けましたが、彼が生涯を通じて魅せられた生物が粘菌(変形菌類)でした。

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(左写真:現在の大英博物館で見つけた「南方熊楠」の名。)



東京・上野の国立科学博物館では、南方熊楠展が開催されるとのこと(2006年10月7日~11月26日まで)。