2010年6月のブログ記事一覧-福井　学の低温研便り

６月お誕生会

2010-06-29 15:57:17 | 研究室紹介

このところ暑い日が続いている札幌。３０℃越えです。<o:p></o:p>

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さて、そんな日の午後のお茶の時間。６月のお誕生会です。Aさん、Bさん、そしてCさんの３名がお誕生月です。<o:p></o:p>

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いつものように、大学院生Dさんの手作りバースデーケーキ。<o:p></o:p>

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水出しのコーヒーとの相性がグーなケーキです！<o:p></o:p>

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Aさんへのプレゼントは、暑さ対策の冷涼首巻きです。デスクワークの効率が格段に上がるグッズです。<o:p></o:p>

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Bさんへのプレゼントは、足枕。疲れたら、これでゆっくり休養をとってください。<o:p></o:p>

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Cさんへのプレゼントは、冷媒付きボトル。暑いオフィスでも、喉ごし爽やかなお茶をどうぞ。<o:p></o:p>

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みなさん、お誕生日おめでとうございます。<o:p></o:p>

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鶏肉のオイスターソース煮

2010-06-27 21:42:41 | おうちごはん「卯和」のおかずに挑戦

クッキングシートを多用する「タニタ食堂式調理メニュー」。オーブントースターを用いて１５分程度鶏肉等を調理して、余計な脂肪分摂取を抑えようとしています。<o:p></o:p>

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貧乏性なのかもしれませんが、オーブントースター１５分間調理がなかなか越せない精神的ハードルとなっています。<o:p></o:p>

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と言うことで、『鶏肉のオイスターソース煮』に挑戦。食用油を使わずにテフロンコートフライパンで鶏肉を炒め、オイスターソースでからめる。麺つゆを薄めただし汁を入れた鍋に移し、人参や大根等の野菜とともに中火で煮込む。煮汁表面に浮かんできたアクと鶏肉由来の油をこまめに除去。ブナシメジを加え、ポン酢で味を調え、少々煮込む。器に盛りつけ、刻んだ水菜をそえれば出来上がり。<o:p></o:p>

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一晩置いた『鶏肉のオイスターソース煮』は、具材に味がしみ込んでいて、一層美味しい。<o:p></o:p>

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さて、1000ワットのオーブントースター１５分間加熱に要するエネルギーと１５分間中火加熱のそれと比べるとどちらがエコなのか？<o:p></o:p>

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さらに、下記の条件を満たすには？<o:p></o:p>

1. 中年男性用の低カロリーメニュー<o:p></o:p>

2. 低価格食材<o:p></o:p>

3. 低有害化学物質含量<o:p></o:p>

4. 短時間<o:p></o:p>

5. 低調理エネルギー<o:p></o:p>

6. 調理過程を楽しめる<o:p></o:p>

7. おいしい<o:p></o:p>

8. 最小限の調理器具<o:p></o:p>

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まあ、考え過ぎないほうが、幸せかも。<o:p></o:p>

あつい一日

2010-06-25 18:07:41 | 日記・エッセイ・コラム

雪氷関連の国際学会（IGS）が北大で開催されているとのことですが、今日の札幌は29℃を越える暑さです。環境科学院では、夕方ジンギスカンパーティーです。<o:p></o:p>

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ふううう。あれやこれやと熱い一日、ですね。

ちかごろの愛読書

2010-06-24 00:13:00 | 日記・エッセイ・コラム

今朝の札幌は、やや強めの雨。夜まで続くかのような勢いでしたが、夕方には快晴に。<o:p></o:p>

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さてさて、「ちかごろのぎょーむ日誌」、いやいや「ちかごろの愛読書」は、『体脂肪計タニタの社員食堂』です。500キロカロリーで満足できる定食メニューのレシピ本です。<o:p></o:p>

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クッキングシートを利用した調理法が頻繁に紹介されており、余分な脂肪分の摂取を防ぐ工夫がなされています。<o:p></o:p>

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今月のお勧めは、「鶏肉とレーズンの赤ワイン煮」と言ったおしゃれなメインディッシュ。今晩のおかずとして挑戦してみようかな？　うーむ、家にはレーズンも赤ワインもなかった！　すでに、ザ・セ・ツ。<o:p></o:p>

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と言うことで怠業してしまう。こんな夜は、「ホッケの刺身」を肴に、グイってやってみたいものだが、、、、、<o:p></o:p>

流出原油の行方

2010-06-23 17:17:15 | 微生物から学ぶ

メキシコ湾での原油流出事故。海底油田には常について回るリスクです。今回の事故は、原油の流出事故としては過去最大級です。<o:p></o:p>

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原油は、元来微生物の分解を受け難い成分から構成されており、有害物質も含まれています。そのため、事故等で原油が流出すると、生態系へ甚大な被害をもたらします。<o:p></o:p>

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では、生態系で流出原油はいったいどうなってしまうのでしょう？　実は、流出原油の一部は微生物によって分解され、無害化されます。あまり知られていないのですが、好気的微生物分解とともに嫌気的微生物分解も行われるのです。これらの点に関して、下記にまとめておりますので、ご参照下さい。<o:p></o:p>

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福井　学. 化石燃料による環境汚染と微生物生態系の応答.<o:p></o:p>

鈴木聡編著『分子でよむ環境汚染』東海大学出版（2009）<o:p></o:p>

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流出原油の微生物分解も、微生物生態学の重要な課題の一つです。<o:p></o:p>

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つくばの国立研究所で働いていたときのこと。湾岸戦争が勃発し、クウェートでの流出原油の運命予測に関する二国間国際共同研究に従事したことがあります。クウェートの砂漠地帯に出かけ、油井から流出した原油が窪地にたまり、広大なオイルレイク（原油の湖）を目の当たりにいたしました。<o:p></o:p>

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砂漠地帯は、灼熱の暑さと日射の強さで、原油から軽い成分が大気中へ蒸発し、重油成分が濃縮されているのです。光化学反応により、ベンゾピレンのような強発がん性物質が生成され、人への健康被害も懸念されます。<o:p></o:p>

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流出原油の微生物分解、特に、嫌気的分解はまだ未知の部分が多く、やりがいのある研究課題です。若い人たちと一緒に挑戦したい研究テーマでもあります。

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コンポストの微生物生態学

2010-06-22 16:00:50 | 大学院時代をどう過ごすか

家庭などから廃棄される生ゴミを微生物によって分解させ、堆肥化させることをコンポストと呼んでいます。すでに戦前から知られている方法で、良質な肥料を得るために様々な工夫がなされてきており、それは経験的でした。

コンポストの過程で働く微生物を解明しようとした研究は数多く、すでに１９４０年代の後半になされました。

コンポストの過程は大まかに４つのフェーズに分けることができます：１）室温から４０度くらいまでのフェーズ、２）６０度まで上昇するフェーズ、３）ゆっくりと冷えていくフェーズ、そして、４）肥料化するフェーズ。

それぞれのフェーズでの微生物群集の変動に関して、４０年代では培養法によって、９０年代は菌体脂肪酸組成法で解明しようと試みられました。しかし、いずれの方法も一部の微生物しか捉えることができず、不完全なものでした。

そこで、立ち上がったのが石井浩介さん（当時修士課程の学生）。それぞれのフェーズの生ゴミから核酸（DNA）を抽出し、バクテリアプライマーを用いてPCR増幅。その増幅産物を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法（DGGE）で解析。その結果、コンポスト過程で微生物群集はドラスティックに遷移するが明らかになりました。優占種の系統解析を行い、種類を特定。この方法には限界があるのですが、微生物群集の遷移を簡便に捉える上で、有効な方法です。詳細は下記論文をご覧下さい。

K. Ishii, M. Fukui and S.Takii. Microbial succession during a composting process as evaluated by denaturing gradient gel electrophoresis analysis. Journal of Applied Microbiology 2000, 89, 768-777.

石井浩介, 中川達功, 福井　学. 微生物生態学への変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法の応用. Microbes and Environments 2000, 15, 59-73.

上記の研究もパイオニア研究であったため、当該分野の一里塚になり、90を越える被引用数になっています。

コンポスト研究を行っていた頃は、狭い実験室で培養実験を行っていました。そのため、生ゴミの発酵臭が室内に広がり、堪え難かったことを覚えています。また、低コストで実験を行っており、コンポスト実験槽に使用済のカップラーメン容器を用いていましたね。実験用の容器を確保するため、連日のようにカップラーメンを啜っている石井さんの姿を、今でも鮮明に思い出されます。

お茶飲み場で、カップラーメンを啜っている石井さんとの雑談で思いついた小研究。ささっと実験して、論文を書き上げて、最速で公表した論文が下記です。

K. Ishii and M. Fukui. Optimization of annealing temperature to reduce bias by a primer mismatch in multitemplate PCR. Applied and Environmental Microbiology 2001, 67, 3753-3755.

この論文も80回程度引用されており、驚きです。どんな研究がインパクトを与えるのか、わかりません。

ちなみに、MuyzerらのDGGE法に関する論文（Applied and Environmental
Microbiology 1993, 59 695-700）は、被引用数が3600を越えており、お化けのようですね。

（1994年当時のMuyzer。デンマークにて）

凍った大陸で

2010-06-20 19:07:32 | 南極

副操縦士グエン（G）：どうやって見つけたんですか？<o:p></o:p>

マダム・ライティネン（R）：ある国の政府が密かに飛行機を飛ばしてこの地域の探鉱をしたことがありました。重力異常や磁場を探って鉱脈があるかどうか調べる。その時にここに空洞があることがわかって、でも鉱脈の方は何もなかった<o:p></o:p>

G：なぜ密かにだったんですか？<o:p></o:p>

R：『環境保護に関する南極条約議定書』の第七条に『鉱物資源に関するいかなる活動も、科学的調査を除くほか、禁止する』とあるから<o:p></o:p>

G：見つけても開発できないんですね<o:p></o:p>

R：そのとおり。

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　　　　　　　池澤夏樹『氷山の南』より<o:p></o:p>

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来る７月２０日より２２日まで３日間、北海道大学低温科学研究所講堂にて、『南極学特別講義I』（大学院共通特別講義）が開講されます。南極条約に関しては、柴田明穂・神戸大学教授によって紹介されます（南極条約?南極科学活動と法・政治のインターフェイスー）。<o:p></o:p>

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私は、『極地の生物?極限の生命と生態系?』を担当いたします（２２日午後）。

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ちょっこし韓国へ

2010-06-19 17:33:55 | 大学院時代をどう過ごすか

夏至を間近に控えた札幌。やや湿気が高い日が続いている。内地の人にとっては、たいしたことではないのだが、北海道人にとってはそれなりに不快。研究所の廊下を小走りに移動すれば、瞬く間に汗がふき出てくる。こんな時は、赤唐辛子の効いた、ピリ辛系の韓国料理が恋しくなる。<o:p></o:p>

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と言うことで、ちょっこし、韓国へ（気分だけだが）。『お魚の韓国風焼き』。白身魚の淡白な味わいをオリジナル韓国風ピリ辛ソースが引き立たせ、一口ごとに後頭部頭皮から噴射するかのように汗が拡散していく。と同時に、なんだか爽やかな空気が身体をそよそよと吹き抜けていく。不思議だ。<o:p></o:p>

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付け合わせの野菜をポリポリと頂いていると、ふとS君のことを思い出す。<o:p></o:p>

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２１年前のこと。運が良かったのか、博士の学位を取得後、直ちに国立研究所（通商産業省　工業技術院　公害資源研究所）の研究員（パーマネント職）に就くことができた。その翌年、韓国からの留学生（農学系大学院博士課程）S君をお世話することになった。彼にとって、兵役を終えてからの私費留学と言うことで、経済的には厳しい状況であった。しかも研究テーマは、材料が下水汚泥であったものの、アプローチは微生物学や生態学であったため、工学部出身のS君にとってはハードルが高かったに違いない。しかし、S君は、生物学、とりわけ微生物学を基礎から貪欲に学び、寝る暇も惜しんで実験に励んだ。<o:p></o:p>

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当時私は２０代だったので、ピリピリしていてS君に対しても相当に厳しかっただろう。私にとっても、新分野の研究であったので、余計に気合いが入っていたのかもしれない。それでも、S君は前向きに新分野を素直に吸収していき、得意とする工学分野との融合を常に目指していた。<o:p></o:p>

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ある日、S君のアパートに招待されたことがある。手作りの韓国料理をご馳走になった。ピリ辛の冷麺は抜群に美味で、忘れられない味だ。しかし、青唐辛子の漬け物は、ショッキングな辛さであった。食べる前に、「福井さんには、危ないですよ」と、S君は警告してくれたのだが。<o:p></o:p>

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抜群の集中力と努力の甲斐あって、S君は博士課程の３年間で第一著者の論文を４報、第２著者の論文２報を仕上げてめでたく修了。論文賞まで頂いた。さらに、運良く、母校で講師の職に就くことができた。<o:p></o:p>

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今、あらためて彼の奮闘ぶりや努力を思い返すと、涙がこぼれそうな気持ちになる。異国の地で学位を取得することは、しかも、これまでと違った研究分野で国際誌に掲載される論文のレベルに達するには、並大抵ではない筈。<o:p></o:p>

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あれやこれやを思い出しつつ、再び、箸をすすめることにする。ふと視線をお店のテーブルの隅に向けると、こんな額が飾られていた。<o:p></o:p>

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ブレーメンの音楽隊の絵だ。ここ札幌の地で、音楽隊になることを夢みた動物たちの生き生きした姿を眼にするとは！<o:p></o:p>

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驚きとともに、『お魚の韓国風焼き』をすっかり平らげる。なんだか、また、S君に会いたくなった。「ちょっこし、韓国へ」、といきたいところだが。京城の街のコーヒーハウス。濃いめのジャーマンコーヒーを飲みながら、語り合うのも良いかもしれない。あるいは、カラオケ屋へ行って、「イビョル（離別）」を一緒に歌うのも。<o:p></o:p>

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学位を取得して１８年経つS君、立派になったんだろうな。<o:p></o:p>

Hさんへの手紙

2010-06-18 00:31:58 | 大学院時代をどう過ごすか

Yさんへの手紙<o:p></o:p>

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私はここで改めて、２０余年の研究生活について私なりの実感について書いてみたいと思います。<o:p></o:p>

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（中略）<o:p></o:p>

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研究室では、古坂教授の方針で、私たちは全く自由に考え、研究をすすめることができました。それだけに人一倍孤独をも味わうことになりました。土壌微生物研究の底流にある前近代的な傾向に抗した私は、それだけ余計孤独と言うものを自覚したのだと思います。研究者は誰しも孤独を味わうと思いますが、この種の孤独はまた独特のもので、近代化された科学分野の研究者には、想像しがたいものだと思います。<o:p></o:p>

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ステントの「進歩の終焉」やモノーの「偶然と必然」の読者には、今頃このような夢と孤独にひたることのできる研究分野のあることを不思議に思われるかもしれません。しかし分子生物学の驚くべき発展と土壌微生物学の苦悩とは、同じルーツをもち、現代社会の２つの面を象徴しているように思います。近代的なものと前近代的なものとが入り乱れて存在する状況は、社会生活にも科学研究にも見られることを、この２０年間いつも強く感じてきました。<o:p></o:p>

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研究生活の折り返し点を通過した今、私はなすべき多数の研究課題をみつめ、身の引きしまる思いがします。おそらくこれまで以上に暗中模索をつづけながら、これらの諸課題と苦闘することでしょう。また、こうした苦闘の中で現代社会をみつめ、人生の意義をも考え続けてみたいと思います。<o:p></o:p>

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敗戦の混乱の中で青春を迎え、自分の人生を見出した私は、今でも先に、あなたへさしあげたお手紙の最後にしるした恩師田中孝也先生の歌、<o:p></o:p>

　　学べども　しるしなき身の　わびしくも<o:p></o:p>

　　　　進まぬ我を　むちうちてゆく<o:p></o:p>

をしっかり胸に刻んで、生きつづけたいと思っております。<o:p></o:p>

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　　　服部勉著『微生物生態入門』

　　　（東京大学出版、1978）より<o:p></o:p>

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Hさん。私は、微生物生態研究をはじめて２８年を迎えようとしています。２２歳の冬、Hさんに初めてお会いしたことを今でも鮮明に覚えております。Hさんから教えて頂いたことは、今でも研究者としての態度に根付いております。そう言えば、その時のHさんは、今の私と同じ年齢だったのですね。<o:p></o:p>

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Hさん。私自身、後どれくらいの年月を研究に打ち込めるかわかりませんが、「学べども　しるしなき身の　わびしくも　進まぬ我を　むちうちてゆく」をしっかりと胸に刻んで、生き続けたいと思っております。<o:p></o:p>

地味だけれど面白い研究

2010-06-17 11:22:19 | 大学院時代をどう過ごすか

『地味だけれど面白い研究』。これは、研究者に対する最高の褒め言葉である。<o:p></o:p>

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これは、小島先生が尾瀬沼で行った赤雪中の微生物に関する研究に対して、面識の無い研究者の方から頂いた言葉（『微生物研ブログ』）。今後の研究への励みにもなる。

研究、とくにフィールドサイエンスは、地道な努力の積み重ねの上に成り立っている。正直なところ、華々しさに欠ける。しかし、我々が住んでいる環境を理解する重要な研究でもある。<o:p></o:p>

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一歩一歩積み重ねて、自然への理解が深まり、その『からくり』が解明されていく。その過程で培った経験や知識を、次世代に伝えていく。これもまた、大学教員の重要な役割である。

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小松菜パスタ中華みたいな～

2010-06-16 15:59:06 | 食・レシピ

スーパーマーケットで購入した小松菜が冷蔵庫に残っている。と言うことで、今晩は「小松菜パスタ中華みたいな～」を創作してみた。<o:p></o:p>

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フライパンを温めて、ごま油で豚肉、人参、椎茸をさっと炒め、粉末中華味（←味の素）とショウガを加えて絡める。さらに、小松菜を加え、さらっと炒めて、火を止める。刻みネギを加え、最後に香味野菜ノンオイルドレッシング（ごま入り）を加えて味を整える。ゆであがったパストとゆで汁大さじ２杯半を加え、具と絡めたら出来上がり。<o:p></o:p>

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食後は、濃いめのジャーマンコーヒーでしめる。<o:p></o:p>

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このコーヒーはそのままでもうまいが、牛乳との相性が抜群に良い。一杯のコーヒーで２度おいしい。<o:p></o:p>

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Jacobsの『Kron üng』（クローヌング）。気が滅入った時、自己を鼓舞させるのに最適なコーヒーだよね。

少しずつでもいいから、焦らずに、人生の最高潮へ向かっていきたいものですね。

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ジャーマンみたいな～

2010-06-15 16:39:04 | 日記・エッセイ・コラム

夏日の札幌。ぽかぽかだが、吹く風は、とても爽やか。<o:p></o:p>

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朝一番に電子メールをチェックすると、ドイツのアニータさんから「ありがたい」お返事。彼女にお願いしていたことが、問題なく済みました。ホッ。<o:p></o:p>

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と言うことで、お昼は『ソーセージでジャーマンポテトみたいな～』を頂く。ポテトを口に入れた瞬間、ドイツにいるような錯覚。ポッ。<o:p></o:p>

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そう言えば、つくばに住んでいた頃、朝食はロイヤルホスト（学園西交差点）でモーニングセットを頂くことが多かったですね。ソーセージ、ベーコン、そしてスクランブルエッグ。それに、トーストとおかわり自由のコーヒー。<o:p></o:p>

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ここだけの話ですが、朝のファミリーレストランは、常連客が多い。つくばでは、ドイツ文学の上田浩二教授（当時）も良くお見かけした方。当時、NHKテレビ『ドイツ語講座』の講師をされておられたので、同定することは容易。<o:p></o:p>

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上田先生、現在はケルンの日本文化会館の館長をされているようですね。<o:p></o:p>

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さて、お昼に頂いた『ソーセージでジャーマンポテトみたいな～』が、オナカにしばらく滞留し、ぽかぽか陽気と相乗効果で睡魔が襲いかかる。ボッー。<o:p></o:p>

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濃いめのジャーマンコーヒーを飲んで、さあ、頑張ろう！<o:p></o:p>

小松菜の煮浸し

2010-06-14 14:34:00 | 食・レシピ

夕方スーパーマーケットに立ち寄ったら、北海道産の小松菜が安売り。<o:p></o:p>

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と言うことで、今晩は、小松菜の煮浸し。人参、椎茸、豚肉をさっと茹で、麺つゆとショウガを加える。最後に、小松菜を加えて一煮立ち。<o:p></o:p>

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もう一品、冷や奴を加えれば、立派な中年用夕ご飯セット。夜１０時を過ぎて、小腹が減ったとしてもガマンすることがメタボ対策には重要だ。<o:p></o:p>

爽やかなお昼時

2010-06-11 12:56:38 | 日記・エッセイ・コラム

気持ちのよい天気が続いている札幌。<o:p></o:p>

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こんな日のお昼は、散歩がてらに外で食べましょうか。<o:p></o:p>

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それとも、研究室で談笑しながら食べましょうか。<o:p></o:p>

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はたまた、タンポポの冠毛の飛翔を観察しながら、静かに過ごしましょうか。<o:p></o:p>

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いずれにしても、爽やかなお昼時ですね。四季を通じて最も良い季節かも知れません。もうじき、ジンギスカンパーティーですね。<o:p></o:p>

わからないこと

2010-06-11 09:25:09 | 大学院時代をどう過ごすか

世の中にはわからないこと、まだわかってないことがたくさんある。しかし、多くの人にとってはなにがわかっていないのかということさえも、はっきりとは把えられていない。なにがわかっていないのかがはっきり指摘できれば、すでに研究ははじまっているのだということができる。それどころか、“わからない”ことがはっきりと問題の形で把らえられたとき、解決への道はすでに開かれたものとみることさえできるのである。<o:p></o:p>

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　　白上謙一著『生物学と方法』より<o:p></o:p>

　　河出書房（1972）<o:p></o:p>

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物事について、本当はわかっていないのに、わかったつもりになっていないだろうか？

（注意：イメージ写真です。エントリーの内容とは一切関係ありません。）<o:p></o:p>

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北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野 大学院：環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

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