福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

実験に酔いしれて

2024-06-20 19:15:51 | 研究室紹介
微生物生態学の実験。繊細な手順がいくつも続く。どれ一つとして欠かせないステップであり、気を抜けない。長い、長〜い道程でもある。

特に、1.0 マイクロリットルの液体のハンドリングや顕微鏡観察関連の手技には神経を使うのだが、老眼が進んだ身には困難を要すことがある。その解決策として、拡大レンズのメガネを着用してみた。



眼前の世界がクリアーになり、マイクロピペットのチップ先端に含まれている0.5 マイクロリットルの溶液も容易に確認できる!

しかし、作業を続けていると程なく気分が悪くなってきた。拡大レンズメガネは固定した一点での作業は効率的なのだが、分子生物学的手法を駆使する実験では、ピペット、チップ、ファルコンチューブ、マイクロチューブ、タイマー等々、瞬時にそれらの視点を変え、焦点を合わせなければならい。完全なる酔いの症状。込み上げてくるものをグッと堪える。

研究に集中できる喜びを噛み締め、実験に酔いしれる。同時に、多くの方々から支援して頂いていることに感謝。

季節外れのあられ

2024-06-18 04:04:25 | 研究室紹介
彼の地ででは、夏至が近いというのに「霰」降る。



肌寒い日が続き、体調を崩す人が続出。風も強く、10年以上使用しているアウトドア用の傘は、中心の軸棒が付け根でポキッと折れてしまった。長年の金属疲労か?



そんなこんなで心も折れそう。まあそんなこともあるさ、と気を取り直し、実験再開。夢中になれる実験があるのは有難い。


ウオーターメロン・スノー

2024-06-04 20:48:15 | 研究室紹介
6月。旭岳(北海道最高峰)・姿見の池周辺では、もうじき赤雪発生シーズンを迎える。太陽の日射が強くなり、紫外線も。雪解けの頃に観察できる生き物による現象。主に緑藻の仲間が雪上で繁茂して、細胞内にロチノイド色素のアスタキサンチンが多く含まれている。その色が赤い。赤雪は英語で「ウオーターメロン・スノー(スイカ雪)」とも呼ばれている。確かに赤玉スイカの色に似ているが、赤雪の匂いもスイカのそれと酷似している。


<旭岳で観察される赤雪現象。環境省からの特別な許可を得て調査>

夏至まで一月弱。日によっては急に暑くなることも。そんな時のオヤツは、やはり「ウオーターメロン(スイカ)」。その色と匂いから、旭岳の赤雪を思い出してしまうのは、とてもマニアックか?



カフェ・パウゼ

2024-06-01 15:29:38 | 研究室紹介
遠い異国の地。日常と非日常が交錯する。いつもよりテンションが上がっている我が身。その勢いで活動すれば、消耗してしまう年齢でもある。適宜小休止が必要。

カフェにて休むのも良し。しかしながら、自前でコーヒーを淹れてゆっくり過ごすのが一番。コロナウィルスのパンデミック以降、衛生的な注意を要す。荷物にはなるが、自前で用意した「カフェ・パウゼ・セット」ならば安心。すべて「メイド・イン・三条ないし燕」で、馴染みのある土地柄のもの。とても軽くて丈夫。異国での長逗留に欠かせない秀逸品。



さて、また一仕事!